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この春は、佐渡へ行きたくなった

山と渓谷3月号だ届いた。今年度からリニューアルして、表紙が白色基調となり雰囲気が大きく変わった。読者層が時代とともに様変わりし、またインターネットなどの新しいメディアの登場により、月刊誌に求められる内容が変わったからだろうか。もう何年も購読しているが、毎月の発行日である15日を楽しみにしている。リニューアルに伴い最初は少し違和感があったが、3月号で少しなじんできたようだ。3月号はやはり、花の特集だった。春咲く山の妖精たち「スプリング・エフェメラル」だ。春の花は当然、山麓と低山から始まり、ミスミソウ、セツブンソウ、フクジュソウ、キクザキイチゲなどが主役になる。この地方ではやはり、藤原岳、霊仙山のフクジュソウ、伊吹山のセツブンソウ、アマナである。またこの特集の最初のページは、佐渡島のカタクリとミスミソウだ。ことミスミソウに関しては昨年も山行を計画していたが、仕事とお天気の都合でキャンセルとなり、思いが募ったままだったので、今年は是非とも行きたいと思う。

フクジュソウ

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フクジュソウ  キンポウゲ科

「花の百名山」田中澄江著では、鈴鹿藤原岳の花として取り上げられている。もちろんこの花は、藤原岳に限らず、山野ではそれほど珍しくないと思うが、ただたくさんあるからいいというものでもない。藤原岳は石灰岩質特有の地形をしていて、そこに咲くから印象に残るのかもしれない。「花の百名山」から引用してみると。

しかし私は、新幹線が米原に近づく頃、左手の車窓に盛り上がる鈴鹿山塊を見上がると、時間があれば、霊仙に、御池岳と御在所岳に行きたくなる。一番もう一度思うのは藤原岳である・・・・・藤原岳は二度も雨で山麓まで行って引き返し三度目にやっと成功。そして藤原の春の盛りほど、山の花の大群にであったことはなかったと感激した・・・・

レッドデータブックでは、絶滅危惧種Ⅱ類、既知の生育地点数が5以下、県内では鈴鹿山脈北部(いなべ市)、伊賀市、大台町(宮川)となっている。全国的には、中部地方以南では稀にしか見られない(牧野)

【茎】直立し緑色で、下部には数個の広いさやがあって、茎を抱いている。花をつけてからもぐんぐん伸びて、15〜25センチくらいになる。
【葉】互生し長い柄がある。3回羽状複葉。
【花】茎頂に径3センチの黄色い花を1個つける。(大きく育った苗では、分枝して数個の花をつける。)暗紫緑色のガク片が数個ある。黄色い花弁は光沢があり、細長い楕円形をしていて、たくさんついている。上部の縁には微歯がある。めしべは多数で黄色。おしべも多数。子房は短小で緑色。そう果は頭上に集まりほぼ球形で細毛がある。
【生活史】
*写真は2006年3月24日に撮影したもの。

セツブンソウ

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キンポウゲ科 セツブンソウ

2週間ほど前から山麓の節分草のたよりが届き始めている。気にはなっていたが、なかなか忙しくて花に時間を割けなかったが、今日は午後に少し時間があったので、藤原の山麓をのぞいてみた。数名の先客がカメラをぶら下げて歩いていた。生育環境さえ整えば、群生を作って咲くようだが、適した環境の減少が個体数の減少につながり、三重県レッドデータブックによると絶滅危惧種1B類になっている。絶滅危惧種1B類といわれても、なんだかわからないが、既知の生育地点数が5以下だそう。三重県内に関していえば、いなべ市、伊賀市となっている。そして保護対策の欄には、「生育地内のスギ、ヒノキの伐採、枝打の実施、採集の禁止や踏みつけの防止」が必要となっていて、もちろん生育地の公表については慎重な配慮が必要である。
【和名】節分草。春寒さをしのいで芽を出し、節分の頃に開花するのでこの名があるようだ。(牧野新日本植物図鑑)
【生育地】中部地方山裾の半陰地にさく多年生草本。主として落葉樹林の下や林縁。石灰岩地帯を好む。
【生活史】2,3月頃塊茎から葉と花芽を出して開花する。5,6月頃樹木や大型の草本が茂って薄暗くなると、種子と塊茎を残して地上部は枯れる。生育地が限られていて、石灰岩地帯を好むなど、特異な性質を持つ草本。上層の落葉樹の季節変化と一体となっている。
【根生葉】繊弱で長い柄があり3深裂する。測裂片は更に2深裂し、小裂片は線形で先が鈍形。
【総包葉】茎の先に輪状につき、不揃いの線形片に分裂
【花】総包葉の中心から1センチほどの花柄を伸ばし花径2センチほどの白い花を1個つける。白いガク片は5個で花弁状。花弁は5個(牧野新日本植物図鑑)と書かれているが、写真は8個ある。棒状で2〜4裂し、先端は黄色の密腺となる。

虫媒花として進化してきたキンポウゲ科の仲間とあって、特徴的な花をつけていて、きれいである。夏、アルプスの花の主役も、やはりキンポウゲ科が多いようだ。

残念ながら「花の百名山」では、セツブンソウは取り上げられていない。山へ登らなくても、山麓で見られる花だからだろうか。いや、フクジュソウ、ミスミソウ、イチゲなどは、ここ鈴鹿では山麓で見ることはすくないが、東北地方などあるところへ行き場たくさんあるようだ。鈴鹿では先にも書いたように、絶滅危惧種になっているので、大切に見守っていきたい花である。

参考文献
・三重県レッドデータブック2005植物・キノコ(三重県)
・牧野 新日本植物図鑑(北隆館)
・里山のふれあい「三重の希少な野生生物」(三重県環境保全事業団)
・原色牧野植物大図鑑(北隆館)
・新花の百名山 田中澄江 

サーバのメンテナンス

24時間、365日無休で働いているサーバも、時にはストライキを起こすようだ。今回もHDの不調のために、バックアップ後初期化を行ったが、またまた1週間で不調に陥った。クラッシュ、データ損失までには至らなかったが、はっきりとした症状として、ftpサービスが起動できず、起動に非常に時間がかかるなどが出だした。疑うべきはHDだが、検証しても異常がでない。原因がはっきりとしないので、新品と換装したら正常にもどった。

日本の名峰(NHK)今週は剱岳

NHKの日本の名峰シリーズは毎回欠かさずに見ているが、今回は剱岳だった。北アルプスの山にはたくさん登っているが、その中でも強烈に印象に残った山だった。映像を見ていると3年前のことが思い出され、また行きたいなと思った。

節分

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やはり前線の通過後はいい天気になる。すかっと晴れ渡り絶好の山日和だが、今週末は両日とも体育館の中に居ることになっている。上位チームによるAリーグの試合なので、激しい試合になっている。菰野町で試合があったので、川岸から少し御在所岳を見上げてみた。今回の寒気団の威力はそれほどでもなかったようで、山が少し白くなる程度の積雪だったようだ。
我が家のロウバイもほぼ満開になっている。ネットでは、ユキワリイチゲやセツブンソウ、それに福寿草まで顔を出し始めたようだ。我が屋の裏庭を覗いてみると、かわいいセツブンソウが咲き始めていた。いつか種を取ってきて蒔いておいたのが、毎年花をつけるようになっている。先週の福寿草の開花情報には驚かされたが、今年はセツブンソウも早く咲き始めているようだ。また今年も秋口まで、花を追いかける日々が続きそうだ。

海岸の散歩

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今週も山に行く時間がなく、午後の中途半端な時間を使って海岸を散歩した。毎日のジョギングコースだが、夜に走るのでカモメがこんなにたくさんいるのはわからなかった。今日は子どものカモメだろうか、たくさんのカモメが波打ち際に集まっていた。

サーバのメンテナンスについて

先日(1月26日)からサーバのファイルシステムに異常が発生しました。
修復を試みましたが、ユーティリティーのよる修復が出来なかったために、データを領域のバックアップを作成(これは成功)し、急遽外付けのディスクでシステムを起動し、仮の運用をしました。
本日、システムの復旧が完了しました。大変ご迷惑をおかけしました。

浜辺のカモメ

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カモメが波打ち際で、何かをねらっているようです。
毛色の違いは、冬の羽根に変わっているからでしょうか?

こんな具合で、本日よりプログのテストを開始します。

この部分は通常の文章です。







見出し1見出し2 表組みサンプル

この部分は通常の文章です。

スノーシュー無くした

 時計を見ると13時半になっていた。日没までには、まだ3時間ほどある。さてここからイブネの山頂までどのルートを辿ればいいか、地形図を見ながら思案する。
 御在所岳は、鈴鹿山脈の中でも名の知れた山だから、誰でも知っていると思うが、「イブネ」といわれると、それが山の名であることが分からないだろう。イブネは標高が1160mの山で御在所よりも西側にあるので、三重県側の平野部からは望めない山だ。だから登ろうと思っても、まずは鈴鹿山脈を乗り越えて一旦下り、もう一度登り返して頂上を目指すことになる。随分とアプローチが長いので、日帰りで山頂を往復するには、骨の折れる山である。ましてや積雪期には、日帰りで山頂を往復することは、よほどの健脚でないかぎり難しいだろう。だからこそ、困難を承知で積雪期に挑戦したくなる山である。
 朝明のキャンプ場を出発したのは、朝の9時を少し過ぎていた。積雪は数センチほどあり、テントなどの装備が入ったザックの重さは20キロほどになっていたので、思ったように進めない。夏場だと、鈴鹿山脈を越える「根の平峠」までなら1時間ほどの行程だが、冬場の積雪期になると、この距離を歩くのに2時間もかかってしまった。
 さてここからは、トレース(人が歩いた跡)がまったくない。誰もここから先へ行っていないということだ。雪はさらに深くなり、そのままでは歩けないので、スノーシューを装着する。これがないと重いザックを担いで雪の上を歩くことはできない。まっさらの雪面を自由に歩くのは実に気持ちが良い。しかし思ったようには進めず、時間ばかりが過ぎていってしまい、イブネのふもとに到着したのは13時を過ぎてしまっていた。日没までにはもう3時間ほどしかなく、それまでにはなんとか山頂へたどり着き、テントの設営をしなければならない。このまま登山道を進めば歩きやすいが、距離があり時間がかかってしまうので、ここから直接山頂を目指すことにした。傾斜はかなりきついが、最短距離になるので時間は短縮できるはずだ。スノーシューをはいていても、柔らかい雪に何度も足を取られ、ずり落ちてしまう。必死の思いで登ったが、山頂の手前30分ほどの所で、日没になってしまった。少し平らな所があったので、そこにテントを設営し、明日の朝に山頂を目指すことにした。暖かいものを食べてシュラフ(寝袋)に潜り込み眠りにつく。
 朝起きて外をのぞくと、ガスがかかったように真っ白で、視界が20mほどしかなかった。山頂で日の出を見ようと思っていたが、残念ながら見ることができなかった。仕方なく、なだらかな丘のようになっているイブネの山頂付近を、スノーシューをはいて散策をしてみるが、ガスで何も見えない。ホワイトアウトとはこのことで、方向を見失うと迷子になってしまうので、コンパスを頼りに行動する。しかし、苦労してたどり着いた山頂だったので、普段の日常生活では得られなかった充実感を感じることができた。
 帰りは当然下りになるので、歩くのは楽だ。斜面を滑るように降りればいいので、スノーシューはいらない。ザックにくくりつけて一気に斜面を下ったので、約1時間で登山道と合流できた。さてここからはスノーシューの出番だ。ザックを降ろしてびっくり。「あれー」スノーシューがない。どうやら途中で落としてきたらしい。これは困った!どうやら上の方で灌木(かんぼく)にひっかかり落としてきたようだ。拾いに戻るにはまた、2時間以上かけて登り返さなければならない。5年も使っていて愛着のあるスノーシューだが、谷底に転がり落ちている可能性もある。今から戻っても回収できるとは限らないし、時間もないので泣く泣く回収を断念し帰路についた。
 次の週の土曜日の夕方に電話が鳴った。「金丸さん、拾ってきたよ」と山友達の声が弾んだ。先週、ホームページの掲示板には、スノーシューをなくしたことを書き込んでおいたわけだが、どうやら私と同じコースをたどって、落としたスノーシューを見つけてくれたらしい。もう回収は諦めていただけに、本当に嬉しかった。持つべきものは、「友」である。


2007年1月30日

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