アルパイン志向が強くなるにつれて、すべての道具の軽量化に努めてきた。テントも例外ではない。登攀を主体に道具を整理していくと、テントのプライオリティーは下位になるため、どうしても居住性が犠牲になってくる。食事をして寝るだけなのでそれでもいいが、冬場なのテントで過ごす時間が長くなると、居住性が欲しくなってくる。そこで今回もしばらく使っていなかった2,3人用のテントを引っ張り出して2人で使った。このテントは一週間前に八ヶ岳の行者小屋野営場で使い快適だったからだ。八ヶ岳は内陸部の山で、夜は放射冷却でマイナス20度以下になってしまう。そうなるとフライシートのファスナーが凍結してしまい、本来なら冬用の外張りが必要なところだ。たしかにファスナーは凍結したが、なんとか使用できた。
そのテントを二人でつかったので、居住性が悪いはずがない。両端を寝床にして、真ん中の列はフリースペースだ。ザックを置いたり靴を置いたり、食事の準備をしたりと自由に使える。高さもあるので、状態をかがめなくてもよく、大柄な人ほどありがたさがわかる。テントの大きさと重さは比例するが、分担すればそれほど苦にならない。山行スタイルやパーティの人数により使い分けていきたい。