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北、南アルプスで遭難多発

北、南アルプスで遭難が相次いでいる。12月27日と28日は移動性高気圧に入り穏やかだったが、その後、南岸低気圧が発達し、寒気を引き込み冬型になった。南岸低気圧が大雪をもたらしその後の寒気でアルプスはかなり厳しい環境になっていると思う。遭難は自力で下山出来なくなった状態をいうが、今回は9名の遭難者が出ている。うち燕岳の60代女性は心肺停止。31日に合戦尾根付近で道に迷いラッセルと低温で消耗したようだ。合戦小屋からの冬道は直登になっていて竹竿が立てられているが、積雪で埋もれ、トレースもわからなくなっていたのかもしれない。我々は27日に下山したが、天気がもったのは28日までで、29日には低気圧通過でそれ以後は冬型になった。大晦日の小屋のイベントを楽しみに燕山荘を目指していたのかもしれないが、救助要請が16時だったようで、この時点で合戦小屋付近にいたのでは日没までには燕山荘には届かない場所だ。
もうひとつの一つの遭難は槍を目指して槍沢で行動不能になった60代のご夫婦。私も何度かお会いしたことがあるので、人ごとだとは思えない。経験豊富な冬山のベテランで装備や食料もしっかりとしているので大丈夫だとは思うが、胸まで積雪があるとラッセル下山は難しいかもしれない。槍平小屋まで1キロの地点だそうだが、雪が胸まであると1時間で100mも進めないい、動くと体力を消耗してしまう。早くヘリが飛べるといいが。

槍平小屋まで到着し、他の登山者とともに自力下山しているようなので一安心。

14:05 自力下山したそうです。 安心しました。