■北穗高岳(北アルプス) |
レポート No.982 |
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8月11日 鈴鹿(7:00)〜春日井(8:20)〜沢渡(12:00) |
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北穂小屋の夜明け 4時半から朝食が始まる。列に並んだが2巡目になった。その時間を利用して日の出の撮影。 縦走路 さて5時過に朝食が終わり5時半の出発に備えた。朝はよく冷えていて、レインウェアを着込んで出発した。午後から天気が下るそうだ。北壁登攀後、涸沢岳を踏んでザイテンで下山を考えていたがこの後の天候次第になりそうだ。 滝谷ドーム北壁へのアプローチは、南峰とドームの間の縦走路からルンゼを少し下りトラバース。途中で懸垂支点があるので10mほどの懸垂で一段下のバンドへ下りる。 取り付きへ下りて登攀準備。日が当たらず寒い。8月でこれだから、9月になると厳しくなりそうだ。「日本山岳大系」の滝谷の紹介では「滝谷で最も注意すべきは気象の変化と落石である。気象は涸沢側が晴れていても滝谷はガスの中というのは常である。そしてひとたび荒れると風の強さ、寒さは他とは比較にならない。また壁は濡れると油を流したようによく滑るので、悪天の場合はなるべく登攀を見合わせた方がよい」と書かれている。全くその通りで、昨日も4尾根をやるパーティーがC沢で大規模なら岩雪崩を起こし、谷に落石を音を轟かせていた。 ドーム北壁左ルート 1ピッチ目 右ルートはクラックで左はフェイスから人工でスタート。今回はまずルートをやり時間があれば右をやる予定で1ピッチ目に取り付いた。歴史を感じるハーケンがリスに沿って打たれている。すり減っているもの、半分ほどでとまっているもの、打ち込みすぎてカラビナが通らないもの、対応したロープが切れてぶら下がっているものなど、ハーケンにのそれぞれ個性がある。先人はどんな思いでこのルートを開いたのだろう。「日本山岳大系」をみても初登者の名はなかったが、ドームの各ルートは1950-60年にかけて開かれているので、おそらくこのルートも開かれて数十年が経過している。 さて実際に取り付いて見ると、タイオフ用に準備した細引きが役にたった。ハーケンも信用できないので、体重をかけてから、ロープを伸ばしてクリップした。体重をかける前にクリップすると、もし抜けたとき落ち幅が大きくなるからだ。人工登攀はA1のレベルなので非常に登りやすかった。 2ピッチ目 2ピッチ目フリーの混ざる人工ルート。今回ヌンチャクを15本準備したが足りなかったので、ばらしたり、可むをんヌンチャクを使ったりで対応した。1ピッチ目より長いルートだった。1ピッチ目の終了点でトポ通り右ルートと合流した。 この写真はサポートに徹してくれたハッシーさんに撮影してもらった。自分たちでは撮影できないので貴重だ。滝谷ドームのロケーションやスケール感がよくわかる。北壁だが、7時を過ぎると日が差してきて暖かくなってきた。滝谷は陰鬱なイメージがあるが、日の当たったドームは、明るく開放的だ。 2ピッチ目の終了点のロケーションが素晴らしかった。槍を背景に何枚もシャッターを切った。天気は良さそうだが、巻雲が気になる。これが出てくると低気圧が接近してるということ、天気予報は午後から不安定予報。もう少し穗高の稜線を楽しみたいが、登攀終了と同時に山を下った方がよさそうだ。しかし空気は秋のにおいがした。 | 8/12 | 8/13 | 8/13-2 | 8/13-3 | 8/14 | 8/14-2 | |
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