■雲の平&黒部五郎岳(北アルプス)〜錦秋の雲ノ平と黒部源流の山旅〜 |
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プロローグ 今年の夏はアルプス遠征ができず、季節はすでに秋になっていた。ここ数年、北アルプス遠征は槍・穂高、劔のバリエーションばかりだったが、小屋泊でアルプスの自然を楽しみながらのんびりと歩きたいという気持ちはいつも持っている。また、今年の夏はじんじんさんと赤木沢に出かける予定だったがキャンセルになっていた。ということで迷うことなく、雲ノ平でのんびりすることにしたのだが、好天に後押しされ、行程の途中で雲の平山荘泊をキャンセルし周回ルートに切り替えた。少し時期が早いと思っていた紅葉だったが、期待以上の色づきに黒部源流域の自然美に心がときめいた。 アプローチ じんじんさんと鈴鹿の自宅で合流し3:00に出発、東海北陸道、北陸自動車道で立山へ入った。有峰林道の開門が7:00だったので現地到着が丁度いい時間になった。立山ICから林道まではコンビニが少ないので早めに食料調達をした。登山口の駐車場は満車で、500m先の第二駐車場に車を入れた。 折立 さて、折立からの入山は久しぶりで、記録を見ると前回は、2008年8月立山からの縦走で折立に下山した。あっという間に十年が過ぎていた。 折立の出発は8時半になった。定期バスが到着したので、多くの登山者がまとまって登っていく。われわれはその後に続いた。太嚶竄フアラレちゃんの看板は、汚れてはいるが健在だった。三角点までは急な登りが続く、小休止を入れながら2時間弱で到着。標高は1934m、ダケカンバやシラビソが現れ、薬師岳の頭が見えだし、高山の雰囲気がでてきた。 花はオヤマノリンドウがちらほら見られ、ゴゼンタチバナ、アカモノ、ツルリンドウの実が赤く色づき、秋が感じられた。 五光岩ベンチ 樹林帯を抜け草地の木道になると広々とした丘になる。両脇にはキンコウカが橙色に色づき始めていて目を引いた。五光岩ベンチ付近ではナナカマドの紅葉がきれいだった。太囎スらまではなだらかな登りが続く。山腹を彩るナナカマドの紅葉が素晴らしかった。 太囎ス小屋 昼過ぎに太囎スら小屋に到着した。昼食にラーメンを注文し小休止した。ここでは大半が薬師岳を目指す登山者で、薬師沢に降りる登山者は少数派だ。250mほど標高を落とし谷に降りた。あちらこちらに赤く色づいたナナカマドが目についた。第一渡渉点からは谷に沿ったコースで、起伏もなく歩きやすかった。ナナカマドの紅葉、ミネカエデ、ダケカンバの黄葉、笹の緑色がおりなす造形が青空のキャンバスに映える。何度も立ち止まりシャッターを切った。急ぐ行程でもないので程度の小休止を入れ、谷の紅葉を楽しみながら薬師沢小屋に向かった。 途中にカベッケが原というところがあったが、面白い地名なので調べて見ると、「河童が化かす」が変化して「カベッケ」となったらしい。 第三渡渉点を過ぎると谷を離れ、大きく高巻くように山腹道となり、渓流の音が聞こえ始めるといよいよ薬師沢小屋だ。谷には吊橋が架かり、岩壁の上に小屋が建てられている。雰囲気のいいところだが、谷間のためにすでに日が落ち、じっとしていると寒くなってきた。 この日の宿泊は20人程度なのでゆっくりとできそうだ。夕食は5時30分とのこと。それまでの時間、外のベンチでビールを飲んで、じんじんさんの持参しワインを飲みながらくつろいだ。
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