■八ッ峰&剱岳(剱岳) 2019年7月25日〜27日 No.1234 |
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| ページ1 | ページ2 | ページ3 |ページ4 | ページ5 | 登山靴でN君が苦戦したのでトポの時間より少し時間がかかったが、ほぼ予定通り6峰の頭に立てた。
Cフェイスの頭からは少しの間草付きの斜面になり、チングルマ、ツガザクラなどの植物の花が綺麗だった。 6峰から懸垂下降すると7峰の登りになるが、ここからは巻き道もある。ガスで視界がなくなってきた。普通なら7峰を越えていくが、自然に巻き道に入ってしまった。途中で気がついたが展望もないのでそのまま進んだ。適当なところで三ノ窓側から7峰に登った。そこそこのクライミングになった。 8峰の懸垂下降は1回でやると複雑だ。できれば2回に分けた方がいいだろう。懸垂下降でコルに降り立ち最後の頭への登りは、傾斜は急だがホールドは豊富だ。コルと乗越は指呼の距離だが、シュルンドが開いていて通れそうになかった。長治郎雪渓の右俣だが、かろうじて池谷乗越まで繋がっているが、痩せ細っていて崩壊の危険があった。
さて、八ッ峰の頭からの最後の懸垂は要注意だ。40mで一気に乗越付近まで行けるが、中間部分が落石の巣になっている。なので途中で懸垂を切って、ルンゼから逃げて懸垂した。視点が古いロープだったのでロープリングで補強した。後続のパーティはそのままルンゼに突っ込んだようで、恐ろしほどの落石が発生した。どんなに注意しても落石はおこりそうだ。真下を北方稜線が通っているので、特に個々は慎重にならないといけない。
八ッ峰の頭からの懸垂が終わるまでは気が抜けなかったが、池の谷乗越までの行程が無事に終了しひとやすみした。後続のパーティーも追いついてきた。松江から見えたお二人で、この先の北方稜線が初めてのようだったので、我々が先行して歩くようにした。長治郎の頭付近が剱沢への巻が何度もあるので間違えやすい。もちろんバリエーションルートなので目印はない。二人とも何度か歩いているので迷うことはなく1時間強で剱岳山頂に立った。
実はこの間に、小窓の王で遭難された方と出会っている。北方稜線で登山者と出会うのは希なので、雪渓の状況や池ノ谷の状況の情報交換をして別れた。マスコミの記事に引用すると、「1日午前、北アルプスの剱岳で男性の遺体が見つかり、警察は7月 25日に入山したあと行方不明に なっていた69歳の男性とみて確認を進めています。 1日午前6時20分ごろ、北アル プスの剱岳の標高およそ2700 メートルの地点にある小窓ノ王付近で、警察のヘリコプターが岩場に横たわっている男性を見つけました。 ・・・・ 男性には目立った外傷はなく、死因は低体温症とみられる・・・・」。北方稜線は池ノ谷ガリーを三ノ窓まで下り小窓の王の側面をトラバース(発射台)するがわかりにくい。もし岩稜通しで小窓の王へ行ってしまうと登攀具がないと戻れなくなる可能性がある。遭難は得てしてルートミスから始まることが多いが、外傷はなく低体温症ということを考えると、今回もそのケースなのかもしれない。
ほぼ予定通り剱岳山頂に到着した。ここからは一般登山道で約3時間弱の行程だ。八ッ峰に取り付いてから山頂までの6時間はあっという間に時間が流れたが、ここからの3時間が長かった。剣山荘まで来てガス欠となり、ビールでガソリン補給。アルコールが入ると体は楽になるが、苦痛が和らいで歩きやすくなった。
18時過ぎにテント場に戻った。ほぼ15時間の緊張した行動になり、疲労でしばらく動けなかった。昨日の残り物で食事を済ませ早々に横になった。夜半、風雨が激しい時間があったが、Nくんのもう4時ですの声で目が覚めた。午後から崩れる予報があったので、ゆっくりと食事をして5時過ぎにテント場を後にした。 | ページ1 | ページ2 | ページ3 |ページ4 | ページ5 | OLYMPUS E-M5U Lumix 12-60mm | |
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