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■唐沢岳幕岩(北アルプス)
〜クラッシックアルパイン「大凹角ルート」を攀じる〜

レポート No.909
日時:2015年9月20日〜22日
参加者:たくさん、ほんまさん、隊長、うさぎ

9月20日 鈴鹿(6:00)〜(11:50)七倉臨時駐車場(12:10)〜タクシー〜高瀬ダム(12:30)〜堰堤(13:30)〜金時の滝(13:45)〜B沢分岐(16:00)〜大町の宿(16:30)
9月21日 大町の宿(6:00)〜右稜のコル(6:30)〜大凹角ルート取り付き(6:55)〜1ピッチ目(7:00)〜2ピッチ目(7:35)〜3ピッチ目(8:15)〜4ピッチ目(9:30)〜5ピッチ目(9:55)〜6ピッチ目(10:25)〜7ピッチ目(11:05)〜8ピッチ目(11:30)〜9ピッチ目(11:50)〜10ピッチ目(12:50)〜(14:05)右稜の頭(14:35)〜懸垂下降6ピッチ〜右稜のコル(17:00)〜大町の宿(17:20)
9月22日 大町の宿(7:05)〜(9:20)金時の滝、懸垂下降(10:00)〜堰堤(10:30)〜高瀬ダム(11:25)〜タクシー〜臨時駐車場(12:00)〜(12:15)葛温泉(12:45)〜大町駅の酒屋〜(13:30)おおぎやラーメン(14:00)〜(18:30)Jさんと桑名の歌行灯本店で夕食(19:30)〜自宅(20:00)

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登攀日 5時に起きて朝食準備。初見の岩壁に不安があるが、一日がスタートしてしまうと、やることを一つ一つ淡々とこなしていかないと先に進まない。30分で食事を済ませ、準備等でごたごたして、6時の出発となった。大阪のパーティーは長いルートなので、時間切れでビバークすかもといって出て行った。

    
朝の岩屋          ルンゼを登って行く

大凹角ルートについて 日本登山体系より引用する。「幕岩正面壁の右に広がる凹角状フェースから上部大チムニーを登る。比較的易しい人工とフリーのミックスした、幕岩の入門コースともいえる好ルート」と紹介されている。W・320m 3〜5時間 1970/5/30

アプローチ まずは昨日、登ってきたルンゼを登って行く。大きなギャップはないが岩が濡れていて良く滑るし浮き石が多いので落石に注意が必要だ。途中、カメラを忘れたのに気づき取りに戻った。30分で右稜のコルに到着した。ここは懸垂下降点で、取り付きではない。ここに靴をデポした。

      

取り付きへ 「大凹角ルート」の取り付き点はもう少し左で、ロープを2回伸ばしてやっと取り付き点に付いた。「取り付きは右稜のコルから20mほどトラバースした地点である」アドバイスなしのルートファインディングでは探すのに時間が掛かりそうだ。この日も踏み跡は消えていて、草をかき分けてやっとたどり着いた。

      

1ピッチ目 V、A1(5.8)20m 凹状スラブ。「人工で半畳テラスまで登り、洞くつ目指して快適なフリークライミングで40m登る」草に隠れていた支点を古びた残地スリングで見つけた。見上げると岩がしっかり濡れていて、しかも苔がついていた。グレード的には気持ちよくフリーで登れそうだが、岩の濡れ具合を見て躊躇なくアブミを出した。

     

      

     

     

ロープを20mほど延ばし、支点が見つかったのでピッチを切った。「半畳テラス」というらしいが、半畳もなかった。やせ細ったリングボルト2本では心配だったので、ハーケンを1枚打ち足して支点を作った。ビレイ中、赤ロープがテンション。本日、1匹目のマグロが釣れた。

2ピッチ目 V 35m  易しいスラブ。グレードは低く、岩は比較的乾いていたが、支点がない。ハーケンなら入りそうだが、すでに1個使ってしまっている。カムも使えない。かなりランナウトしてやっとピンが1個見つかった。トポ通り「洞窟テラス」でピッチを切った。

   

   

   

3ピッチ目 W(5.10a)、A1 40m 洞窟の左を人工で直上し、洞窟の上のスラブをトラバース。「洞くつの左から人工登攀となり、洞くつの上をトラバースして、ボルトが連打された壁を直上する。ハング下を右に出てさらに直上するとボサテラスに出る」離陸の垂壁はフリーでいけそうだが、べっとりと濡れていたので人工で離陸した。問題は洞窟上の濡れたスラブ。慎重に足を探し、じわっと体重をかけて滑りチェック。ピンがないので落ちるわけにはいかない。ビレイ中、またまた赤ロープがテンション。二匹目のマグロが釣れた。

      
左:トラバースするスラブ、濡れている    右:洞窟テラス左の支点

    
左:直上しスラブに移るところ   ランナウト

    

       

途中から乾いたスラブになり、支点を探しながらロープを延ばし、土のテラスでピッチを切った。

4ピッチ目 W 15m 易しく短いが、苔の中からホールドを探し、スラブを左上するピッチ。軽くプッシュを突破し左の垂壁でピッチを切った。スラブなので落ちたら振られる。案の定、うさぎが足を取られてずるずると落ちた。クライミングの技術より、状況にすんなりと受け入れ、柔軟に適応する力が必要だ。「左に出て、滝の右側の草付きを登る。滝上から上部にジェードルが開けているが、濡れているときは悪い」

     

   

   
苔苔スラブは慎重に、


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