最新情報  レポート  登山  バリエーション  ブログ  プロフィール

 

八ッ峰6峰Cフェース〜八ッ峰の頭@剱岳(北アルプス)2012年8月17日18日19日 No.687 じんじんさん、隊長、うさぎ
〜天候を見て八ッ峰へ転身、八ッ峰は貸し切りだった〜
8月16日 鈴鹿(19:30)〜川島SA(21:00)〜
8月17日 立山駅前駐車場(0:30)〜ケーブル(7:20)〜室堂(8:40)〜称名川(9:30)〜別山乗越(11:30)〜剱沢野営場(12:30)
8月18日 剱沢野営場(4:10)〜長次郎谷出合(5:30)〜八ッ峰6峰取付(7:20)〜6峰(10:00)〜7峰(11:15)〜8峰(12:00)〜八ッ峰の頭(12:30)〜長次郎谷右俣(14:20)〜熊ノ岩(16:20)〜長次郎谷出合(17:10)〜剱沢野営場(20:00)
8月19日 剱沢野営場(6:20)〜別山分岐(7:50)〜別山乗越(8:20)〜新室堂乗越(9:20)〜 称名川(9:50)〜室堂(11:15)〜立山駅(13:00)〜自宅(19:30)

| ページ1 | ページ2 | ページ3 | ページ4 |

7峰 さて、7峰はゴジラの背のような稜線が続く。三の窓側に巻き道があるようだが、展望のいい岩稜を行くことに。 小さなアップダウンを繰り返しながらピークに立った。この辺りからガスが出てきて、遠雷が聞こえだした。いつでも待避できるように心の準備をした。頭からは懸垂下降。ダブルロープ1本では距離が足りないが、二本繋げると面倒なので最後のクライムダウンで済ませた。今日はチンネに取る着いているパーティーは少ないようだ。こんな日に登れるといいのだが。


稜線を行く登山者、小さいよ


リンネを背景に、来年は必ず行くぞ


熊ノ岩

    
7峰のリッジ


7峰のリッジを行く


7峰のリッジを行く

   
7峰からの懸垂

8峰 次は8峰だ。八ッ峰上半部の登攀のハイライトといえるだろう。しかし、グレードはV程度なので、今回はコンテで登ることにした。スタカットで登るのが順当だろうが、ガスの遠雷にせかされ、時間短縮を図った。コルから少し三の窓側にトラバースしリッジに沿って登る。プロテクションは中間位置にハーケンが2,3本残置されている。なた、クラックがあるのでカムが使える。 8峰の登りは快適だが、中途半端な懸垂が待っている。昨年は一気に降りようとしてロープ回収時にスタックさせてしまった。その時は後続パーティにロープを外してもらったが、今回は、上半部に居るのは我々だけだ。その反省から2回に分けて懸垂することにした。急がば回れだ。


8峰の登りはコンテで


8峰の登攀


8峰からの懸垂下降

   
8峰からの懸垂下降  頭から降りるとシコタンソウが咲いていた

八ツ峰の頭 懸垂で8峰から狭いコルに降りると長次郎側のバンドを少しトラバースし ルンゼに取り付くことになる。最初にハーケンがある出口にカムでプロテクションをとり、念のためにスタカットで登った。バンドからルンゼにロープが90度折れるので、引き上げがやたらと重くなった。予定通り八ッ峰の頭に到着、時計を見ると 12時30分だ。昨年は確か11時30分だったように記憶している。1時間遅れのようだ。これからまともに剱に登っていると、帰着が7時を過ぎてしまうことになる。さてどうするか。とりあえずは、池の谷乗越まで懸垂で降りてからだ。前回懸垂は、ルンゼに降りてしまい、落石の巣窟を肝を冷やしながらクライムダウンしたので、今回は、ルンゼの手前で一旦ピッチを切って他のルートを探した。少しトラバースするとしっかりとしたクライムダウンできるフェースがあり、安心して池の谷乗越に降りることができた。シコタンソウがきれいに咲いていた。

   
池の谷乗越にて


池の谷乗越に咲くチシマギキョウ

北方稜線 さて問題は時間だ。 最短で剱沢に戻るには、ここの乗越から長次郎右俣で降りるのがいいと思うが、八ッ峰から見下ろしたところ、雪渓はズタズタになっていて、とても危険だ。とりあえずここからは、一般登山道で剱岳を目指すしかない。遠雷が収まりかけているので、時間がかかっても剱岳経由でもいいのだが。ガスはまとわりついていて、見通しがきかない。とりあえず、長次郎の頭まで行くことにした。ここで一般道ということで安心感があったのかルートミス。行きつ戻りつ30分のロスタイム。長次郎側の危険箇所はよく雑誌にも紹介されている所。持参したロープスリングをサービスでハーケンに通しておいた。しかし、ますます時間がなくなってきた。とりあえず長次郎左俣までと思ったが、雪渓がうまくつながっているところがあったので、剱岳経由から長次郎雪渓の下降に切り替えた。

   
雷鳥             池の谷乗越からの登


一般道といえども険し稜線


ビバークできそうだ

    
ロープスリング1本サービス


長次郎雪渓左俣上部

長次郎谷右俣のコルまでは行かなかったが、 雪渓がつながっている所から下降を開始した。最初は傾斜がきついので、4ピッチ200mはロープを出して下った。岩場よりも遙かに雪渓下りの方がリスクが高い。慎重に下ったので熊の岩まで2時間を要してしまった。雪渓の下降により時間の短縮を図ったつもりだが、結果としてほぼ剱岳経由と変わらなくなってしまった。このあたりの判断は難しく、経験を積むしかない。


八ッ峰を振り返る


薬師岳


長次郎谷左俣上部


確保しながら下降開始


少し傾斜が緩んできたが、油断大敵

16時間行動 長次郎出合には17時10分に到着した。さてここから標高差500mの登返しがある。行動時間はすでに13時間を越えていてるが、がんばるしかない。雪渓を半分ほど登返したところで、間違えて斜面に取り付いてしまった。ここでまたルートミス。30分のロスタイム。ヘッデンを点けて雪渓を離れ谷に入ると剱沢小屋から夕食の揚げ物のいい臭いが流れてきた。40分がんばってやっと小屋まで登りかえしとりあえず缶ビールを購入した。 テント場に戻ると20時になっていた。なんと16時間行動になってしまった。この間の食料はパン1個と行動食少々、水1リットルだった。人間やればできるものだ。20年以上山をやっているが、これほどの長時間行動は過去になかった。今後の山行プランの参考にしたい。

| ページ1 | ページ2 | ページ3 | ページ4 |

 

2012年8月20日 Copyright (C) 2012 k.kanamaru. All Rights Reserved.  home