■八ッ峰6峰Cフェース〜八ッ峰の頭@剱岳(北アルプス)2012年8月17日18日19日 No.687 じんじんさん、隊長、うさぎ プロローグ 北鎌尾根を予定していたが、天候の悪化が懸念されたので、日本海に近い剱岳に転身した。気圧の谷に向かって暖かく湿った風が吹き込んでくる。山を駆け上がり水蒸気が露点に達すると霧となり雨になる。と理科の教科書には書いてある。移動性の高気圧が日本海を通過すると全誠意が南下し、逆に、低気圧が通過すると前線が北上する。少し衰退の傾向を示していた太平高気圧がまた、勢力をとりもどしてきそうだ。等圧線はなだらかになっているので大きな崩れはないが、どこに低気圧が発生してもおかしくない。天気予報ではどうやら、気圧の谷の位置との兼ね合いで、穂高あたりが分かれ目になりそうだ。果たして今週末はどうなるか。ということで、逃げ場所にない北鎌尾根は避けることにした。 アプローチ 今回は前日に時間のゆとりがあり、アプローチが長いので、前夜車中泊とした。前夜車中泊の場合、2人ならいいが、それ以上となると駐車場にテント設営できることが条件となり、いろいろと面倒になってくる。予定通り0時半に立山駅に到着し、じんじんさんは手早くテントを設営に始発のケーブルに備えた。 室堂 駐車場を6時に出て駅に向かうと切符の販売は6時版とのこと。並んで切符を買うと3番目のケーブルになった。7時20分に出発し美女平でバスに乗り継ぎ室堂に8時半に到着した。天候は予報を見る限り、芳しくなかったが、天気は上々で、室堂は清々しい空気に包まれていた。水を1リットル補給し出発した。ミクリガ池に映る積乱雲が絵になっていた。歩道を歩いていると地獄谷に火山ガスが鼻をつく。今年は噴出ガスの量が多いようで、地獄谷は立ち入り禁止になっていた。快調に高度を下げて称名川で小休止し、雷鳥坂の上りに備えた。 雷鳥沢沿いにはクモマニガナ、ミヤマキンポウゲ、オヤマノリンドウ、クルマユリが花盛りだった。リンドウが咲き出すと短い秋に入ったことを思わせた。 さて、雷鳥坂だが、テント装備だけなら何ら問題はないが、クライミング装備の分、一人5キロは重くなっている。先ほど水を1リットル補給したので、ザックの重さは18キロだろう。担いでいるだけで体力が消耗する。覚悟をきめ、雷鳥坂の上りに取りかかった。 3度ほど休憩を入れ、雷鳥坂を2時間で登った。コースタイムは1時間50分なので、まだまだいけそうだと胸をなで下ろした。 別山乗越はイワツメクサやトウヤクリンドウ、ヨツバシオガマ、オンタデ、ハクサンボウフウなどが花盛りだった。夏の花がまだまだ咲き残り、トウヤクリンドウやミヤマリンドウなど秋の花が加わり賑やかだ。花を見ていると飽きない。さて、後は剱沢キャンプ場まで下るのみ。うさぎが先に駆け下りていった。みるみるうちに小さくなり、いい場所を確保していた。 剱沢野営場には12時30分に到着した。朝一番で登ってきたので、いい場所が確保できた。テントを設営し早速、缶ビールで喉を潤す。剱岳を見ながら、明日のコースを何度も頭の中でトレースしてみた。もし八ッ峰の下半部をやるなら初めてのルートになるので若干不安が残る。事前に入手したルート情報を思い浮かべながらシミュレーションしてみた。なりより心配なのは天候だ。ルート変更など臨機応変に対応できるよう心の準備をした。午後からの時間をどう過ごそうかと思ったが、まったりとした時間はあっという間に過ぎていった。 ロープやクライミング用具を干していたグループがいたが、昨日は雨に降られてアタックできなかったとのこと。さて我々の明日はどうなるか、運を天に任せるしかない。テントの受付や水汲み、散策などで時間を過ごした。剱から帰りテントを撤収するグループ、到着し明日に備えてテントを設営するグループ、夕方になるとテントの花があちらこちらで咲き始め、野営場は賑やかになってきた。日没とともにテントは入り明日に備えた。 |
2012年8月20日 Copyright (C) 2012 k.kanamaru. All Rights Reserved. home |