■八ッ峰6峰Cフェース〜八ッ峰の頭@剱岳(北アルプス)2012年8月17日18日19日 No.687 じんじんさん、隊長、うさぎ 登攀日 朝4時の出発に備え、3時過ぎにアラームをセットした。山の朝は早い。 3時前から朝食の準備をするコッヘルの音があちらこちらのテントから聞こえだし、それぞれの目標に向かってエンジンが始動するときだ。簡単に朝食をとり、必要な物をザックに詰め込み、予定通り4時過ぎに剱沢を出発した。共通装備として、ハーケン5、ハンマー1、カム4、ヌンチャク8、スリング5、ロープスリング3、ダブルロープ50m2を準備した。後は、各自にクライミング装備と水(うさぎと二人で3リットル)、食料、アイゼン、雨具、防寒具などで、ザックに詰め込むと9キロくらいになるだろうか。長時間の行動になるので極力ザックの荷は軽くしたいが、プロテクションなどの完全装備は軽くできない。 ヘッデンを点け、剱沢小屋の脇を通って一般登山道を剱沢雪渓まで降りていった。 この時間にこのルートを下るパーティーのほとんどは、源次郎尾根か八ッ峰のバリエーション狙いだ。雪渓に入ったところで先行パーティーがアイゼンを装着していた。後続にも1パーティがいて、また、真砂沢から登り返すパーティもいるはずなので、我々を含めると数パーティがアタックすることになるだろう。 剱沢雪渓を快調に下ると、源次郎尾根の取り付きに数人のパーティーが準備をしていた。振り返ると途中で追い越した数人のパーティも源次郎尾根らしい。とすると八ッ峰は貸し切り状態になるのだろうか。剱沢野営場から標高をおおよそ500m落としたところが長次郎谷出合だ。1時間20分で下ったことになる。 真砂沢から登って来たパーティーが出合から入るのが見えていた。下半部をやるのか、上半部か、それとも6峰のフェースか気になるところだ。我々は天候をみて、どちらか決めることにしていたが、どうやら天候はいいらしい。今回が初めてのルートとなるじんじんさんの希望で6峰Cフェースから八ッ峰の頭を目指すことにした。
長次郎雪渓 長次郎の出合から1時間20分でCフェースの取り付きに到着した。取る付き手前は傾斜がきつく、しかもシュルンドがあるのでフェースを回り込む形となった。まずまずのタイムだが、やはり辛い登だ。途中、下半部をやるらしい数人のパーティが1,2峰間ルンゼに取り付いていたが、シュルンドに阻まれ苦戦していることが様子から伺えた。それ以前に、取り付き地点はもうひとつ上の雪渓だと思うのだが。 6峰Cフェース 天気がいいので気分が軽やかだ。すでに数人のパーティが取り付いているが、順番待ちにはならないようだ。さてこの6峰フェースだが、A,B,C,D,Eとあり、よりどりみどりだ。今回はCフェースということで、「チャレンジ!アルパインクライミング」によると、「6峰フェースの中では一番大きく、また明るい。ラインは自然な弱点をついており、すっきりしている」(引用)と「紹介されていた。なお、Cフェースには剣稜会ルートと、RCCルートがあるが、今回は、剣稜会ルート(V〜Wー)だ。引用すると「スラブからフェース、リッジと短いながらも変化に富んだライン。固く快適な岩質もあって、初心者を交えたパーティーに人気ナンバーワンのルートだ。剱岳の岩場の中でも一番よく登られているが、盛夏の頃は順番待ちになる」 1ピッチ目35m(U〜V) 手がかりの多いスラブから取り付きから、左上バンド、凹角からリッジのテラスまで。 ハーケンも適度にありプロテクションには困らなかった。先行の二人パーティーに終了点のテラスで追いついた。関東からの女性ペアで不慣れな様子。 2ピッチ目40m(U〜V) 凹角からハイマツ混じりのもろいフェースを登る、とガイドされているが、実際にどう登ったから思い出せない。これといった核心もなく気持ちよく登ったからだろう。先行のパーティーが支点を使っていたので、カムで支点を作り確保準備。 4ピッチ目20m(Wー) 高度感のある切り立ったナイフリッジを登る。このルートのハイライト部分だ。長次郎雪渓を背景に高度感のあるロケーション。これぞアルパインクライミングだ。 5ピッチ目20m(U) 易しいフェリッジを登りCフェースの頭へ出る。 Cフェースはグレードの低い容易なルートだったが、ロケーションを楽しみながらの登攀は、アルパインクライミングの醍醐味を存分に味わうことができた。先行パーティーがもたついていたので時間的なロスが発生したが、2時間30分でCフェースの頭に到着した。 Cフェースの頭からDoフェースの頭へ、そしてEの頭から山の窓側へ懸垂下降。クライムダウンもできそうだが、面倒がらずにロープを出してリスクを減らした。 |
2012年8月20日 Copyright (C) 2012 k.kanamaru. All Rights Reserved. home |