奥穂高岳南稜(北アルプス)2012年7月15日16日 ホーム |
■奥穂高岳南稜(北アルプス)2012年7月15日16日No.681 とっちゃん、うっちー、隊長、うさぎ プロローグ この三連休は例年、梅雨あけの時期と重なる。東海地方での梅雨明けは例年7月20日前後だが、さて今年はどうなるか。昨年は運よく梅雨明けしてくれたので、この3連休を源次郎尾根に使ったのだが。この3連休の気圧配置を見ると前線が停滞しているものの、太平洋高気圧が勢力を増し前線が北上する気配をみせていた。初日は仕事で駄目で、中日は雨、最終日は回復傾向にあった。決行か中止か、天気図を見て悩んだが、等圧線の間隔がそれほどせまくないので、大きな崩れはないと判断し決行を決意した。 奥穂高岳南稜は、書いて字のごとく、奥穂高岳から南に派生する尾根で、上高地の河童橋からも良く見えている。もちろん、一般登山道ではなく、いわゆるクライミング要素を含んだバリエーションルートだ。初登は、ウォルター・ウェストン1912年8月24日とされている。日本アルプスを歩いたことがある人なら、どこかでウェストンのレリーフを見たことがあると思う。剱岳であれば、八ツ峰、源次郎尾根、槍・穂高なら北鎌尾根、前穂北尾根など、メジャーなバリエーションルートと比べると知名度は低いが、ネットで検索してみると、いくつかのレポートがヒットする。積雪期の記録の方が多く、ブッシュを嫌ってか夏の記録は少ない。 今年も夏の山行計画はもちろん、メジャーなバリエーションルートを中心に組み立てたが、奥穂高岳南稜は昨年から気になっていて、いつかは登ってみたいと温めていたルートだ。メジャーなルートなら情報が豊富で、事前の準備もしっかりとできるが、知名度の低いルートとなるとそうもいかない。ネットで「奥穂高岳南稜」を検索してみると、いくつかの情報がヒットするが、ルートを詳しく報告しているサイトは少ない。最も詳しく報告しているのサイトは、当サイトからもリンクしている「山の手帳」さんのサイトで、何度も読み返し、参考にさせてもらったのは勿論だ。他のサイトも参考にさせてもらったが、いずれもルートはまちまちで、ブッシュ帯をいかに回避するかで苦労している様子がうかがえた。このルートの醍醐味は勿論、岩峰帯の登攀で、気になるのは難易度だが、この点に関してはそれほど不安は感じなかった。最後まで不安材料として残ったのは、南稜ルンゼから岩峰取り付きへのルートファインドだった。ネット情報からではルートを決めかねたので結局、現地判断となった。 さて、今回の行程は、2日しか都合がつかなかったので、初日に岳沢に入り、2日目にアタックし下山する計画になった。出来ればゆとりを持たせ、2泊3日で計画したかったが、いつものように強硬軍となってしまった。 アプローチ 移動日の初日は天気予報通り小雨のぱらつく天気になった。初日にはまず第一の核心となりうる取り付き偵察しておきたかったので、早朝4時発とした。自宅でうっちーと合流、途中でとっちゃんを拾って、平湯アカンダナ駐車場に向かった。予定通り8時30分に駐車場に到着はしたが、雨で身動きが取れず、30分ほど車内待機となった。雨が小ぶりになるのを見計らってバスに乗り込み上高地まで駒を進めた。見慣れた光景のバスターミナルだが、降りたってザックを担ぐと心がはやる。
取付のルンゼの偵察雪渓の末端に野営場があるので、見ているだけではどれだけの傾斜があるのかわからない。実際にあるいてみると、剱岳であれば長次郎雪渓くらいの斜度があるような気がした。特に取り付き付近は傾斜がきついのでアイゼンは持参した方がいいだろう。予定通り30分で取付きに到着した。遠くから見ていると簡単に取り付けそうだったが、実際に足を運んで見ると、シュルンドが大きく口を拡げとても乗り移れそうになり。高差が数mあり、落ちたら大変だ。一か所あるスノーブリッジを渡ると取り付けそうだが、崩壊しそうで渡る勇気がない。よく見ると右岸側に乗り移れるポイントが見つかった。アイゼンを外し取り付いてみた。草付きの斜面は登れそうだが、落石の巣になっていて、試しに数m登ってみたが、身動きが取れなくなってしまった。慎重にクライムダウンし今度は、シュルンドの下を移動し岩場に取り付いてみた。フリクションもありしっかりとしているので下の小滝基部まで移動し弱点を探った。1ピッチくらいは登ってみようと思ったが、時間が遅くなり、目鼻もついたので引き返すことにした。
岳沢野営場に戻るとすでに17時30分を過ぎていたので早速、夕食の準備に取り掛かった。準備と云ってもフリーズド中心で、今回は、アルファ米とフリーズドカレーを試してみた。お湯を多めに注ぎ、スープ風にすると食べやすかった。標高が高くなるとどうしても食欲が落ちるので、スープ風にするのがいいようだ。最近のアルファ米お注水ラインを見てみると、雑炊用のラインが入っている。他にはいつもの定番、ツナサラダとみそ汁、高所なのでこれだけで満足できた。早々にシュラフに潜り込み明日に備えた。 奥穂高岳南稜 |
2012年7月17日 Copyright (C) 2012 k.kanamaru. All Rights Reserved. home |