最新情報  レポート  登山  バリエーション  ブログ  プロフィール

 

穂高連峰(北アルプス)2009年8月15,16日 No.502 隊長
〜北アルプスの盟主、穂高連峰を訪ねる山旅〜
【8月15日(土)】 前日自宅21:30〜あかんだな駐車場1:00
あかんだな駐車場(5:20)〜シャトルバス〜上高地バスターミナル(5:57)〜岳沢登山口(6:15)〜(7:58)岳沢ヒュッテ跡(8:13)〜重太郎新道〜(10:32)紀美子平(10:48)〜(11:15)前穂高岳3090.2m(11:30)〜(11:50)紀美子平(12:00)〜吊尾根〜P3071(13:05)〜(13:25)奥穂高岳3190m(14:00)〜穂高岳山荘(14:24) 歩行距離9.6km 累積標高 +1890m -420m 装備18キロ カメラα700 16-80mm コース
【8月16日(日)】
奥穂高山荘(4:45)〜(5:02)涸沢岳3103.1m(5:15)〜北穂分岐(7:14)〜(7:21)北穂高岳3106m(7:35)〜涸沢野営場(9:06)〜(9:55)本谷橋(10:07)〜横尾(10:50)〜(11:36)徳沢(11:55)〜(12:41)明神(12:51)〜上高地バスターミナル(13:32)〜あかんだな駐車場(14:20)〜自宅(18:50) 歩行距離20.4km 累積標高 +600m -2160m カメラα700 16-80mm コース

| 15日の1 | 15日の2 | 16日の1 | 16日の2 |

プロローグ じんじんさんと日程が合わず、再び、剱山行は延期となった。梅雨明けが今年は、例年になく大幅に遅れていたが、8月中旬になりようやく夏らしい天気になってきた。今不安定な天候にもかかわらず年も、アルプス山行を続けてきたが、やはり天候に恵まれるに越したことはない。やっとアルプスの夏山が楽しめそうだが、皮肉なことにやりくりできる日程は1泊2日だ。さて山域をどこにするか、窮地に追い込まれたピッチャーではないが、迷ったときはど真ん中のストレート勝負。ということで北アルプスの盟主、穂高連峰のビッグ4を1泊2日でやることにした。 
 岳沢を通る重太郎新道は下山には使ったことがあったが、登りに使うのは初めてのこと。3000mの稜線に最も早くたどり着け、また最短コースでもある。その分、登りはきついが。本年度は4度目の高所登山になるのでそろそろ体もなじんできており、前穂から北穂までなら1泊2日で大丈夫と判断した。

アプローチ 今回も熊野からの出発となった。鈴鹿からの出発と比べ、3時間余計にアプローチのために費やしてしまう。いったん鈴鹿に帰り準備をし、家を出たのが21時半を過ぎていた。東名阪四日市東IC、名古屋高速、名神、東海北陸道飛騨清見IC、高山と乗り継ぎ、目的地の平湯温泉あかんだな駐車場には1時に到着した。ここの駐車場は深夜、ゲートが閉ざされているので路肩で仮眠を取ることにした。3時半に「トントン」と窓ガラスをたたく音で目が覚める。ゲートを開けたので、「入れ」との合図のようだ。バスの始発は5時20分だから、何とも中途半端な時間だ、眠い目をこすって駐車場に車を移動させもう一度横になる。携帯の目覚ましで5時に目が覚めた。慌てて準備をしてバス発着所に向かった。

 

 


朝6時、河童橋からの眺め

岳沢登山路 バス発着所で、「下山が新穂になる場合もあるが」とも思ったが、お値打ちな往復切符を2000円で買った。ハイシーズンなので早朝の始発にもかかわらず、バスは登山者や観光客でほぼ満員となった。予定通り25分で上高地バスターミナルに到着、河童橋を6時に渡った。岳沢登山口は、遊歩道を20分ほど歩いた所にある。岳沢登山路は、梓川沿いのメインルートのような賑わいはなく、ひっそりとした佇まいだ。先行者や後続者がいるのかいないのかも分からなかった。


上高地の岳沢登山口

岳沢 この岳沢登山路だが、上高地から岳沢ヒュッテ跡と、そこから前穂高までとは様子が全く違う。まず岳沢ヒュッテまでだが、距離3km標高差650mで所要時間は2時間15分ほ緩やかな登りだ。単調な登山路だが、さわやかな風の吹き抜ける樹林を気持ちよく歩き始めた。樹間から時折、雲ひとつない青空を背景に西穂の岩峰が見え隠れし、いかにも夏らしいアルプスの光景が展開する。林縁にはイチヤクソウやゴゼンタチバナが、沢沿いにはヒヨドリバナやシシウドが白い花を咲かせていた。単調な登りに飽きたころ、涸れた沢を横切ると岳沢ヒュッテ跡は近い。岳沢ヒュッテだが、前回ここを通過したのは3年前で、雪崩で倒壊した直後で、復旧作業が続けられていた。その後は再建を断念したようで現在では、仮設トイレと石垣を残すのみだった。


西穂へ続く岩稜


林縁に咲くイチヤクソウ

  
ホタルブクロ            ヒヨドリバナ

 岳沢ヒュッテ跡に到着すると、何人かの先行者がくつろいでいた。ここでこれからの急登に備えてひと息入れる。地形図を開いてこれからのルートを確認する。「天狗沢」が目に飛び込んできた。波線でルートがトレースされていて、一般的なルートではないと書かれていた。天狗のコルまでの所要時間は、ここから前穂までとほぼ同じだが、一度歩いてみたいルートのひとつだ。これは次回の課題としておいた。


岳沢から西穂に続く岩稜を見上げる


西穂に続く岩稜を見上げる


岳沢ヒュッテ跡

重太郎新道 さて岳沢ヒュッテ跡を出発すると草付きの斜面となり、すぐに傾斜が急になってくる。この急登で標高差750mを稼ぐ。最初のうちは花を見るゆとりもあるが、はしごや鎖場が続くようになると、手と足を動員した登りに専念するようになる。樹林帯なのでまり高度感は感じないが、かなりの傾斜がある。岩場を乗り越すごとに、ダケカンバ帯をぐいぐいと高度を上げていく。「カモシカの立場」を過ぎ、「岳沢パノラマ」に立つとハイマツ帯に入り、一気に展望が開ける。岩場に腰を下ろし展望を楽しむ。岳沢と上高地の様子が俯瞰でき、眼前には西穂の岩稜が衝立のように立ちはだかっている。紀美子平まではまだ、登りの半ばだ。一歩一歩高度を稼いでいくしかない。イワギキョウが岩壁に張り付くように咲いていた。


岳沢と上高地、右奥は焼岳


要所に鉄はしごが

   
左:西穂に続く岩稜       右:岳沢パノラマから岳沢を見下ろす


明神岳

   
前穂高岳を見上げる          岳沢を振り返る


岩場に咲くイワギキョウ

アンニョンハセヨ 雷鳥の広場を過ぎると岩場の登りが多くなってくる。スラブ状の岩の鎖場に差し掛かると、紀美子平と前穂が見えてくる。しかしこの頃になるとガスがかかりだし、残念だが展望が悪くなってきた。右手には明神岳が荒々しい山腹を見せている。このあたりまで来ると朝、奥穂高山荘を出発したグループと行き交うようになる。「こんにちは」といえば、「アンニョンハセヨ」「カムサンミダ」という言葉が返ってきた。「こんにちは」「ありがとう」ということか。次から次へと「アンニョンハセヨ」だ。ここ数年アルプスでは、道標に、日本語、英語、韓国語で表記されていたが、韓国からの登山者が多くなってきているようだ。また降りてきたので試しに、「アンニョンハセヨ」と声をかけたら、「こんにちは」と返事が返ってきた。あれ。

  
紀美子平直下の岩場


紀美子平にて

| 15日の1 | 15日の2 | 16日の1 | 16日の2 |

 

2009年8月17日 Copyright (C) 2009 k.kanamaru. All Rights Reserved.  home