積雪に不満はない。というか程よい積雪だ。あまり雪が多くても手に負えない。昨年末からの寒波が鈴鹿北部の山々に雪を運んできてくれた。年により積雪量は異なるが,今年はまずまずの出だしではないだろうか。
御池岳は鈴鹿で最も標高のある山だ。アプローチが良いので,比較的簡単に登頂できるが,国道が冬季閉鎖され,膝を超える積雪があると一気に,難易度が高くなる山である。普通人ならこんな山に挑もうとしないだろうが,山屋にとっては格好の標的になる。難易度が増すほど闘志を露わにし,果敢にアタックしたくなるのだ。
年末は引っ越しにために慌ただしく過ごしたが,年が明けて一息つくことができ,早速藤原岳に初登りに出かけて。8合目から積雪が増し冬山らしくなってきて,避難小屋からはスノーシューを履いて歩いた。しばらく雪山が続くと,雪に対して新鮮さを感じなくなるが,やはり初回はうきうきとした気分になる。樹氷は期待以上になく,時折雪が舞う生憎の天気だったが,十分満足のいく山行となった。
そして二日おいて本年度の第二回目に,本命の御池岳を目指すことにした。目指すはテーブルランド。青空をバックに白銀の世界をスノーシューで歩きたい。人は具体的な目標を持つと,困難を乗り越えようとする本能があるようだ。残念ながら青空はなかったが,手ごたえのある,思い出に残る山行をなった。