事故と捜索について語るには心を休ませる時間が必要だ、とりあえずは簡単なコメントを
捜索活動は暗礁に乗り上げつつあった。そこに有力な情報が入り、一筋の光が御池岳南西斜面を照らしたのだ。捜索本部が綿密な捜索計画を練り上げ、4月28日に実施されることになった。
私は4月28日29日の二日間、捜索、収容、搬出を遂行するために全精力をつぎ込んだ。私にとって今回が13回目の捜索活動となった。もちろん、絶対に事故などあってはならない。単独でやるバリエーションなら気楽なものだが、捜索活動はいろいろな責任を背負うことになる。そして、遭難対策本部の綿密な捜索計画が功を奏し、発見につなげることができたのだ。不明者発見により捜索活動にピリオドは打たれたが、事故原因や捜索活動については教訓として記録に残す必要があるだろう。
毎回々、一日の捜索が終え、成果なく肩を落として帰ってきた私達を出迎えてくれたご家族の方々や、同僚の皆様の心遣いに感謝すると同時に、岳連やボランティアを指揮し、長期間に渡る捜索活動を責任を持って遂行した遭難対策本部の居村さんに敬意を表したい。