「百年前の山を旅する」という本を買った。山のガイド本はあまり買わないが、書名がおもしろかったので衝動的に買った。著者は雑誌「岳人」の編集員で、自称サバイバル登山家の服部文祥氏。目次をみると、「百年前の装備で山に入る」「ウエストンの初登攀をたどる」「黒部奥山廻りの失われた道」「火を持ち歩くということ」など、興味ある目次が並んでいた。テーマを持ち山と対峙すると、今まで気づかなかったことや、山道具の重要性、自然の厳しさなど、深まりのある山旅ができるだろう。
自分に置き換えてみると、ホームグランドは鈴鹿の山で、日常的に山に登っていると、何度も同じ山に登ることになる。御在所岳や藤原岳は数え切れないほど登っているが、それでも、季節を変え狙いを変えて登ると、小さいながらもテーマを持って登ることができる。おしゃべりをしながら楽しく、決まった登山道をトレースするのもいいが、すべての山域のトレースが終わってしまえば、山旅も終わりになるような気がする。
人生の中で大切な時間を割いて山に登るのだから、しっかりと自然と対峙し、深まりのある山旅を続けていきたいと思う。