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■穂高(北アルプス)
〜北穂東稜を狙ったが、雪崩危険のため涸沢の手前で敗退〜

レポート No.729
日時:2013年4月27日28日 
参加者:隊長、うさぎ

4月26日 鈴鹿(21:30)〜ひるがのSAで車泊(00:00)
4月27日 ひるがのSA(5:00)〜(6:30)平湯あかんだな駐車場(7:20)〜上高地バスターミナル(7:50)〜河童橋(8:20)〜明神(9:06)〜徳沢(10:25)〜横尾野営場(13:40)
4月28日  横尾野営場(6:35)〜本谷分岐(9:06)〜涸沢手前(9:50)〜横尾野営場()〜徳沢(14:04)〜明神(15:10)〜上高地バスターミナル(16:30)〜平湯アカンダナ駐車場(17:20)〜平湯の森〜ひるがのSA〜関SA車泊(21:30)

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プロローグ 白馬主稜か北穂東稜か迷ったが、結果としては降雪のためにどちらも駄目だったということだ。白馬岳は4月27日大雪渓で雪崩による事故が発生している。我々は白馬を選択した場合、大雪渓からの下山が28日だった。一方、穂高だが、27日8時の時点で横尾から上と槍沢から上が入山規制になった。

アプローチ 前夜の21時30分に自宅を出発した。寒気が入り天候は安定しない。東海北陸道はひるがのあたりから降雪があり、時速50kmの走行規制になっている。これはまずかもしれないと思いつつ車を走らせ、とりあえずひるがのSAに入った。明日の行程はそれほど窮屈でもないので、ひるがのSAで車泊することにした。車の出入りがあり騒々しいがしっかりと4時30分まで休み、5時にひるがのSAを出発した。高山あたりは降雪はなかったが、平湯峠の登りで積雪があり、ほとんどの乗用車が坂を登れずに路肩に駐まっていた。こちらは4WDの強みをいかし強引に峠を駆け上った。問題はトンネルを抜けてからの下りだ。滑り出したらチェーンを装着する腹づもりでいたが、なんとか滑らずに下ることができた。


平湯あかんだなバス乗り場

平湯あかんだな駐車場に到着するとそこは銀世界だった。駐車する車はまばらで、バスの運行が心配されたが、予定通り運行しているようで、とりあえず安心した。というより、ここでストップしていたら間違いなく八ヶ岳に転身したことだろう。準備を済ませてバス乗り場に向かった。20分まちでバスに乗り込みはしたが、乗客はまばらだった。当然と言えば当然だ。

  
上高地

上高地バスターミナルに降り立つと真冬の様相を呈していた。大幅に予定が狂いだした、大きなザックを抱えた登山者が情報を仕入れに右往左往していていつもとは違った慌ただしさがあった。明日と明後日はいい天気になることはわかっていたし、午後から回復するという予報だったので、とりあえず歩き始めることにした。降雪はある程度予想されていたことが、これだけしっかりと降られるとモチベーションが上がらない。

  
左:明神  右:今日も装備の詰まったザックが重い(テント+登攀ギア類)

明神 まずは明神まで駒を進めた。明神館の前には「入山規制」の館内が出されていた。「昨日より降雪。雪崩危険の為」横尾地区より上本日(4月27日)入山規制。と書かれている。ということは涸沢は駄目ということだ。今回は北穂東稜を狙っているが、ベースとなる涸沢までも行けないと言うことだ。午後から天気が回復し、明日解除される可能性もあるが、これだけの降雪があると北穂沢のトラバースは不可能だ。一般道で奥穂も考えられるが、問題はコルまで上がれるかどうか疑問だ。他に転身する山はないか考えながら、とりあえず駒を徳沢まで進めることにした。


明神に掲示された入山規制

徳沢でも規制情報がさらに詳しく掲示されていた。徐々に気が萎えてきた。槍沢までは行けそうだが、そこまで行ってどうするか、目的が定まらない。徳沢にはすでにテント村が出来つつあった。涸沢組がここに居を構えたようだ。ここから明日、蝶が岳を目指すのだろう。この時点で蝶が岳は規制がかかっていなかった。このまま引き返して八ヶ岳の転身もまだ時間的に可能だ。さてどうするか?考えが定まらない。この時点で3つの選択肢があった。
1 このまま引き返す 
2 ここをベースにしてテントを設営する。明日、蝶が岳を目指す。 
3 とりあえず横尾まで駒を進める。どこへ行くかは明日の状況を見て判断する
しばらく様子を見ていると三者三様で、引き返す人もあれば、ここにテントを張るパーティーもあり、これから横尾へ向かうパーティーもあった。この時点で北穂東稜はほぼ飽きられていたが、かすかな望みを消したくなかったので、もうひとつ駒を横尾に進めることにした。

  
寒いでござる             河原が雪原に

  
徳沢に掲示された規制情報

  
徳沢                 徳沢の野営場

雪は断続的に降り続いていた。全く冬山に来たようだ。横尾に到着するとテント村が出来ていた。涸沢テント組の約半分がここに設営しているようだ。時計を見ると13時を少し過ぎたところだった。テントを設営し落ち着いた。明日はどうなるかわからないがとにかく、ここに停滞した時間だけ、全体の行程が窮屈になるということだが、この時点でそれ以外の選択肢はなかった。ちょうどこの頃に白馬岳大雪渓で雪崩による事故が発生していたらしい。穂高への転身は賢明だったが、こちらも状況はあまりかわらない。雪崩が怖いので入れないということだ。

    
登山道は整備されていた        梓川


もうすぐ横尾だ、冬は河原に道が作ってある


横尾のテントサイト

停滞となれば焦っても無駄が。テントの中でのんびりと構えることにした。夕ご飯にはまだ早いが、食材も持ち込んでいるので、ゆっくりと食事の準備にとりかかった。ところが、あれ!食材がない!ということで、どうやら車に忘れてきたようだ。泣きっ面に蜂とはこのことで、すべてインスタントに甘んじることになった。

  
日清焼きそばとアルファ米のチャーハン  横尾のテントサイト

停滞を余儀なくされたパーティーばかりのテント村は、降雪のために外で散策することも出来ず、みなさん暇をもてあましていて、飲んでは寝るの半日だったようだ。しっかりと昼寝をしたので、夜寝られるか心配したが、6時半に目を閉じることができた。しかし夜は放射冷却でぐんぐん冷え込んで、テントの中は氷つき、風でテントが揺れるとサラサラと霜が落ちてきた。途中で目が覚め、くみ置きした水が氷ると厄介なことになるので、捨てようと思ったらもうすでに半分が凍り付いていた。ダウンの上下を着込み3シーズン用のシュラフでなんとかしのげたが、やはりこの時期は冬装備が必要だ。


夕方に明神が顔を出した


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