2010年3月21日22日 日出ガ岳(大台ヶ原)尾鷲道 |
■日出ケ岳(大台ヶ原山)2010年3月21日ー22日 No.536 uttyさん、M田くん、rinちゃん、隊長 | ページ1(21日) | ページ2(22日) | ページ3(22日) | プロローグ 三重県側から県最高峰の日出ガ岳に登るルートはいくつかあるが、大杉谷渓谷が通行不可となっている現在、大台林道を使うか、栃山林道を使って尾鷲道をたどるかが、有力候補となっている。もちろん、奈良県側からドライブウェイを使うと観光気分で山頂を散策できるが。 アプローチ 国道42号線の銚子橋から川沿いに木津(きつ)の集落へ向かう。そこから橋を渡り又口川にそって少し入ると、栃山林道の入り口がある。国道425号線のクチスポダム付近へ抜ける道は依然、林道入り口で通行止めになっている。この山域は2度目の山行になるので、迷わずに栃山林道に飛び込んだ。すると先ほど通行止めの手前で停まっていた白色のCR-Vが後を付いてきた。他県ナンバーで、どうやら観光ドライブで来ているようだが、どこまでも我々の後を付いてくる。たぶん迂回露だと思い違っているふしがある。案の定、終点から引き返すことになった。 栃山林道だが、清五郎滝分岐を過ぎたところで両サイドからの崩壊が激しい。辛うじて通行が出来るが、落石で帰れなくなるのが心配だったので、清五郎滝分岐の手前に駐車した。準備を済ませ歩き出す。標高が900mを越えているがすでに、ミツバツツジやコブシが花を開いていた。赤茶けた冬色の山肌に、春の気配が感じられた。 装備等 さてここから地蔵峠までは約40分の林道歩きになる。秋以来のテント装備の重量に、少しからだが戸惑っている。重たいのか軽いのか、感覚が戻るまでに少し時間を要した。身体が温まるにつれてエンジンが始動し始めた。今回の参考は最初から水の確保が課題だったので、念のためにペット2本と2リットルの水を持参している。カメラのレンズの本数を抑えた。食料は適当に二日分(行動食は別)で、シュラフは冬用を準備した。 地蔵峠 さて地蔵峠に到着した。一息入れ、固定ロープに掴まりながら、登山道まで上がる。雨の後なので足もとが悪い。登りはじめは急傾斜にたじろぐが、やがてなだらかになり、道幅もあるしっかりとしたコースになる。登山道や杣道というよりも、昔の生活道路の感がある。さて、この先にある標柱だが、間違った「又口辻」という表記になっていたので、先日zippさんが訂正したところだ。「又口辻」はこの先の分岐が正しいだろう。 神明水の東のピーク(中ノ嶺)には、二等三角点(点名:西原、所在地:吉野郡上北山村大字西原)が埋標されている。埋標は明治35年1月3日だが、観測が昭和51年9月5日となっている。二等三角点の記の備考には、「尾鷲市より古和谷を経て大台ヶ原に通じる登山道がある。自動車道路の終点より沢伝いに登山道を北進約4kmで神明水(水くみ場)がある。更に登山道を北進約50mも小沢を西進すると山頂の本点に達する」と書いてあり、要図には上の写真の所に出るようになっている。 神明水 地蔵峠から適度に休憩を挟み、約1時間20分で神明水に到着した。野営地をマブシ嶺手前と決めていたので、時間にゆとりがあり、ゆったりペースで歩いた。さて神明水だが、降雨後だったので、心配していた給水も問題はなかった。ここで1リットル追加する。寒冷前線通過で気温が上がらないと予測し、1リットルに押さえることにした。これで気温が上がれば、もう1リットル追加する必要があるだろう。 木組峠 又口辻から新木組峠までは、中ノ嶺のトラバースになっていて風裏だったので、強風は意識しなかったが、新木組峠で稜線尾根に乗るや、強風にさらされることとなった。また天気予報通り黄砂もあり、マブシ嶺が霞んで見えている。ここからは強風に大きなザックを煽られ、よたつきながらの厳しい稜線歩きとなった。撮影するゆとりもなかった。約30分で木組峠に到着した。実はここで三人とはぐれた。最後尾を行く私は、強風を避けるためにトラバースコースを採ったときに、どうやら三人を追い越してしまったようだ。稜線に登り返しても来ないので、間違えて東尾根に入ってしまったかと案じたが、どうやら遅れた私を捜しに戻ったみたいで、かえって心配かけたようだった。先に木組峠に降り、みんなが来るのを待った。「木組」だが、奈良県側に木組谷があり、松浦武四郎の乙酉掌記の絵図には木組村がある。その源頭のある峠なので「木組峠」というのだろう。 時計を見ると14時前だった。本日のマブシ嶺手前の野営予定地まではもう少しだ。風は依然として収まらないが、青空が見えだした。落葉樹林に太陽が降り注ぎ、春の力強さが感じられた。 野営地 峠の北のP1245を越え、少しくだったところが一本木と呼ばれる、痩せ尾根の鞍部だ。なぜ「一本木」と呼ばれるか、訳を知りたい。一本木から少し登り返すと、P1216があり、落葉樹林が広がったところに出る。少し時間が早くもう少し進めそうだが、ゆとりをもってここを予定通り野営地とした。強風で広葉樹林が唸っているが、木々が風を遮ってくれるので、テントの設営には何の支障もなかった。設営後倒木に腰をかけ、ビールを飲みながらまったりとした時間を過ごす。何にも縛られず自由な時間が持てるのは、テント山行の醍醐味だろう。ただ気になったことは、テントのすぐそばに飛行機の翼の残骸が落ちていたことだった。 マブシ嶺の日没 日没の撮影がしたかったので、私だけ、日没の時間に合わせてマブシ嶺に登ることにした。まだ黄砂の影響が収まらず、撮影条件は悪かったが、日帰り山行では味わえない情景を楽しめた。日没とともに気温が下がり、ダウンの上にカッパを羽織り、防寒してマブシ嶺を降りた。 野営地に戻り、皆と談笑してからテントに入った。冬用のシュラフを持ってきたので、中に潜り込むとすぐに身体が温まり、8時過ぎに眠りについた。 |
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