■穂高連峰(北アルプス) 2009年9月20-22日 No.507 じんじんさん、隊長 日の出 野営場の朝は早い。隣の大型テントの住人達は3時半頃からコトコトと準備をし始めた。それにつられてこちらも目が覚める。一度トイレに起きたが、6時過ぎから寝ているので睡眠は十分だ。具だくさんの野菜スープと、フランスパンにパスタソースを付けて食べる。高所に来ると食欲もなくなるのでこれくらいでちょうどいい。食後暖かいコーヒーを飲む。あれこれしているうちに日の出の時間が迫ってきた。ダウンを着込んで外に出る。撮影ポイントは南岳のホームページで紹介されていて、常念平、獅子鼻、天狗岩や山頂がいいようだ。とりあえず獅子鼻のあたりに上がって日の出を待つことにした。 キレットへ テントに戻りパッキングをした。今朝は露が降りなかったので、フライシートも乾いていて、テントの撤収が容易だった。4時間もあれば通過できるので水は1リットルもあれば足りるだろう。食料は確実に消費していくが相変わらずザックが重く感じる。 最低コル 大キレットへの降下はそれほど問題はないだろう。ざれた岩盤の降下は落石しないように慎重に降る。鎖場やハシゴがありどんどん降っていくとキレットの底2748mに到着する。ここで一息入れる。東側のカールを覗き込むと昨日登ってきた横尾本谷がよく見えている。本谷の二股でこちらに進路をとればここに登ってくるようだ。難しさはなさそうだが、落石の巣であることに違いはない。カールを俯瞰し昨日のルートを検証してみた。どう歩いたかが手に取るようにわかった。 長谷川ピーク 地形図で見るとP2841地点だ。剱にもこういう所があったが、簡単に言えば、ナイフリッジを信州側から飛騨側に乗り越すところだ。鎖場が連続し、足で支点をしっかりと捉えないといけない。要所にはステップが設置されていた。事故が多発するので、03年にこのステップが設置されたようだ。頑丈な鎖が設置されているのでそれに捕まって横ばいするが、あくまでも鎖は補助で、足で確実に支点をとることが大切だ。剱の「カニの横ばい」は一歩目が見えないので不安感があるが、ここはよく見えているのでそれほど怖さは感じない。ここを通過する当事者は集中しているので、それほど恐怖感は感じないだろう。もちろん足を滑らせれば間違いなく重大事故に繋がる。 飛騨泣き 長谷川ピークを終えるとA沢のコルと呼ばれる場所に出る。休憩に適した場所だ。ここで一息入れる。ここからは再び登りに転じ、落石多発地帯が始まる。先行のグループや降りてくる登山者が落石を落としているようで、頻繁に「ラク」の声が響いていた。ここまでには北穂からの登山者に何人か出会ったが、登山者数は南岳からの方が多かったようだ。さて一息つくと今度は「飛騨泣き」と呼ばれる難所だ。簡単に言えば、一枚岩を鎖やボルトのステップを使って登る箇所だ。ここも3点支持さえ確実に励行するば問題ないと思うが、行き交える場所をあらかじめ確認しておいた方が良さそうだ。 |
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