■穂高連峰(北アルプス) 2009年9月20-22日 No.507 じんじんさん、隊長 カールに上がったところで一段落し昼食休憩とした。先行の二人の休憩をしていた。話を聞くと、今日の目的地は同じ南岳ようだ。彼らも初めてのコースのようで、ネットでいろいろと情報を仕入れていたようだ。 地形図を開き現在地点を確認する。高度計でも確認したが、現在の標高は2300m地点だ。3000mの稜線までまだ700mの標高差がある。まだまだ気を緩めるわけにも行かない。時間が足りなければこの地点でのビバークも考えたがなんとか、このペースだと日のあるうちに稜線までなんとか這い上がれそうだ。 少し進むと谷が、ハイマツ帯に中へ消えていっている。細い谷筋をたどると左から巻くかたちでハイマツのブッシュを通過できた。これも情報通りだ。それよりも左のどこかの谷を詰めれば直接南岳にあがれそうだが、それは今後の課題としよう。 カールの底にはまだ残雪があり、その縁にはミヤマキンバイ、アオノツガザクラなどの夏の花が咲き残っていた。夏には花で埋め尽くされることだろう。ルートに確信を持っていればもう少しこのカールを楽しめたはずだが、これから先のルート取りが気になり気持ちに湯路値がなかった。地形図を見る限りカールの縁はかなりの傾斜になっている。 幾筋かの谷がカールの縁から降りてきている。じんじんさんからの情報では、この小谷に沿って登るとのこと。カールの底から横尾尾根のコルを確認できる。目指すはそのコルだ。そこに繋がる小谷が1本あるのを確認し、大まかなルート取りがわかった。先行の二人もそのルートをたどっているようだ。 谷をさらに詰めていくと傾斜が増してきた。しかもほとんどが浮石になっているので、いくら注意を払ってもゴロゴロと石を落としてします。たまらず草付の斜面に逃げると今度はよく滑る。18キロの装備を担いでいるのでなおさらだ。 コルに立つと槍ヶ岳や天狗原が一望できた。2年前にここを登った時のことを思い出した。尾根の駆け抜ける風は冷たく、岩に腰を下ろすとすぐに体が冷えてきたのでソフトレイヤーを羽織った。しばらくしてじんじんさんも上がってきた。時計を見ると15時30分だ。本谷橋から焼く5時間のバリエーションルートが終わりほっとした。しかしまだ本日の行程は終わっていない。コルからは一般登山道になるが、稜線までは標高差250mほどあり、ほとんどが岩場の急登だ。体力、気力ともに消耗が激しいが、これを登り切らなければならない。ペースダウンしながらも1時間10分で稜線にたどり着いた。やれやれ。 南岳は、稜線の天狗原分岐から20分の距離にある稜線上のピークだ。標識がないと通り過ぎてしまうだろう。稜線は起伏も少なく歩きやすい。行く手に穂高連峰を見ながら、西日でコントラストを増した穏やかな稜線歩きも格別だ。 小屋に到着すると時刻は17時25分になっていた。予定よりも30分遅れの到着となったが、バリエーションルートは時間が読めなかったので仕方がないだろう。キャンプ指定地はすでにテントで埋め尽くされていた。仕方がないので少しでもフラットな場所探し設営した。石がゴロゴロしていて決して適地とはいえないが、日没が間近に迫り選択の時間はなかった。 テント設営後小屋へ受付に行く。手続きを済ませビールを買おうとすると「ただいま槍からビールとぼっか中」とのこと。あと1時間ほど待っていただけると届きます。「ワインはありますか」と聞くと売り切れです。後で南岳のHPでわかったことだが、この日の小屋は超大混雑で、1畳当たり2.5人〜3人だったようだ。テント組には混雑は関係ないが、楽しみにしていたビールが飲めなくてがっかりした。夕食は野菜たっぷりのお餅入り雑炊で暖まった。18時30分にシュラフに潜り込むとすぐに寝入ったしまったようだ。 |
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