2007年8月14-17日 黒部源流の山旅(北アルプス) |
■黒部源流の山旅(北アルプス)2007年8月14日-17日 No.419 隊長、うさぎ
| 14日 | 15日 | 16日 | 17日 | 花1 | 花2 | 鷲羽岳のピークをひとつ越えたので、距離的にも時間的にも気分的にも、水晶岳が近づいてきた。一度鞍部まで下りワリモ岳へと登り返す。砂礫地にへばりつくようにしてチシマギキョウが映えているのが印象的だった。生育環境がかなり厳しいようで、大きな株を作っていない。イワギキョウを探すが、チシマギキョウの数と比べると遙かに少ないようだ。チシマギキョウと同じように、タカネシオガマも砂礫地にへばりついて花を咲かせていた。 鞍部から登り返すしたピークがワリモ岳になる。標柱は登山道脇にあるが、少し登った岩場からの展望が抜群によい。少しお昼には早いがお腹がすいてきたので、岩に座って休憩にする。しかしあまり悠長に構えているわけにもいかない。そこそこに切り上げてまずは赤岳にある水晶小屋を目指す。さすがに裏銀座だけあって行き交う登山者が多い。水晶岳は縦走路からはずれているので、われわれのように三俣からピストンするパターン、ワリモ分岐にザックをデポし山頂を往復するパターン、水晶小屋からピストンするパターンが多いようだ。ワリモ分岐からは緩やかな稜線歩きになり、水晶小屋のある赤岳手前で少し登りになる。行程的にはワリモ分岐から約50分の距離だ。赤岳が近づくと地質が赤っぽくなってきた。と同時にイブキジャコウソウの見られるようになってきた。これは意外に思えた。和名の由来になっている伊吹山では、ごく限られた所でしかこの花を見ることができないが、皮肉にもここではたくさん生えている。 水晶小屋は、赤岳の小さな肩にへばりつくように建てられている。今年の4月9日には小屋周辺でヘリの墜落事故があり、十人が死傷とマスコミにより報道されたのが記憶に新しい。ジュース類で水分を補給しひと息入れる。
しばらく緩やかな稜線を歩くと岩峰帯に入る。ぐるっと西側から巻くようにしてルートが設定されている。ザレ場もあるのでスリップに注意して登る。山頂部は狭いので後から来る登山者のためにあまり長居ができそうにない。岩峰からの展望は大変よく、直ぐそこに薬師岳が迫ってきている。普通の登山者であればどこから登っても2日はかかるだけに、山頂に立てた喜びはひとしおであった。 帰路はワリモの分岐まで戻り、岩苔乗越へ降りて黒部源流を下るコースを選択した。というよりも時間的にもスタミナ的にもゆとりが無くなり、最短コースをとらざるを得なかった。黒部源流の最初の一滴はどのあたりからか探りながら降りるが、気がつくと水の流れになっていた。ペットボトルに入れて持ち歩いていた水がぬるくなったので、冷たくておいしい水と入れ替える。カップにすくって飲む水は実にまろやかでおいしい。また谷筋は花が多く、ハクサンフウロ、メタカラコウ、クルマユリ、オニシモツケ、ミヤマトリカブトが咲き乱れていた。 1時間ほど降ると立派な「黒部川水源地標」がある。このあたりは湿地状になっていて花も多い。さてここからが30分ほどの登り返しが待っている。最後の力を振り絞りテントサイト(冷えたビール)を目指す。ダテカンバ帯を抜けハイマツ帯に入る。傾斜がゆるみ出すとテントサイトは近い。 3日目ともなると疲労もピークに達している。ビールを飲んでから、しばらくテントで横になり疲れを癒す。食もあまり進まなかったが、白飯(アルファ米)と特性のニンニク味噌の取り合わせがベストマッチ。乾燥わかめを水で戻して醤油で食べる。フリーズドの椎茸と高野豆腐もいける。結局落ち着くところは、昔から食べ慣れている食材だ。明日に備え早々に横になるが、隣のテントがうるさくて気になる。20時を過ぎて収まらないようなら、注意してやろうと思っていると、「うるさい、しずかにしろ!」と誰かが言ってくれた。山のルールを守れない輩は、山には入るべからず! | 14日 | 15日 | 16日 | 17日 | 花1 | 花2 |
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