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2007年8月14-17日 黒部源流の山旅(北アルプス)

 

黒部源流の山旅(北アルプス)2007年8月14日-17日 No.419 隊長、うさぎ
〜黒部五郎も水晶も個性があり、思い出に残る山旅となった〜
8月13日 自宅(19:20)〜東名阪道四日市東IC〜名古屋高速〜東海北陸道清見IC〜新穂高温泉(23:00?)
8月14日 新穂高温泉無料P(5:10)〜笠ケ岳登山口(6:40)〜(7:00)ワサビ平小屋(7:10)〜小池新道入口(7:30)〜(11:05)鏡平小屋(11:40)〜(13:00)弓折分岐(13:20)〜双六小屋TS(15:00) 距離13km、累積標高差(+1580m)
8月15日 双六小屋TS(6:05)〜(7:20)双六岳2860m(7:35)〜(9:20)三俣蓮華岳2841m(9:35)〜(11:00?)黒部五郎小舎TSテント設営昼食(12:30)〜(2:10)黒部五郎岳2840m(2:30)〜黒部五郎小舎TS(16:20) 距離12km 累積標高差(+990m -1200m)
8月16日  黒部五郎小舎TS(4:50)〜巻道〜(7:50)三俣蓮華小屋TSテント設営(8:40)〜(10:05)鷲羽岳2924m(10:15)〜ワリモ岳2888m(11:00昼食休憩)〜(12:00)水晶小屋(12:10)〜(12:50)水晶岳2986m(13:05)〜水晶小屋(13:40)〜岩苔乗越(14:40)〜黒部源流標(15:45)〜三俣蓮華小屋TS(16:20) 距離12km 累積標高差(+1260m -1040m)
8月17日 三俣蓮華小屋TS(5:00)〜三俣蓮華岳2841m(6:05)〜中道分岐(6:55)〜(8:05)双六小屋(8:30)〜弓折分岐(9:50)〜(10:25)鏡平小屋(11:05)〜小池新道入口(12:55)〜(13:20)ワサビ平小屋(13:50)〜新穂高温泉(14:45) 無料P(15:10)〜自宅(20:10) 距離17km 累積標高差(+400m -1960m)
*コースタイムは撮影時間、小休止時間を含みます。

3日以上の山旅は、時間のやり繰りが難しくなかなか実現しなかったが、今回はまとまった休みがとれたので、常々歩いてみたいと持っていた黒部源流の山々を巡ってみた。アプローチは概ね、岐阜、富山、長野からが考えられる。当初は縦走も考えに入れていたが、入山前と下山後のアプローチに時間がかかるので、マイカーの利点を生かせるルートを選択した。4日間ともレインウェアのお世話にならず、快適な山行ができたことがなによりであった。

| 14日 | 15日 | 16日 | 17日 | 花1 | 花2 |


 今回は、懸案の黒部五郎岳と水晶に登ることと、この山域の夏終盤の花の様子が知りたかったこと、この二つを満足するコース設定となった。ならば、折立から周回すればいいことになるが、それではあまりにもスタンダードだし、アプローチも時間制限のある折立より、新穂の方が有利であることを考え、新穂高からの入山で計画を立ててみた。いわゆるベースキャンプ型の山行だ。3泊4日になるので、食料も4日×2人分になる。カメラもレンズ3本は譲れなかったので、総重量が21キロになった。幸いにもこのコースは水場が多いので、若干重量を抑えることができた。ただ、同じ道を2度通ることになるのが欠点といえる。

   
新穂高市営無料駐車場            穴毛谷の継続する砂防工事

 自宅から登山口となる新穂高温泉までは、深夜走行で3時間半の行程だ。早朝出発でもいいわけだが、やはり睡眠不足は否めない。いつものように前夜車泊のパターンとなった。13日の23時過ぎに駐車場に車を入れるとほぼ満車の状態で、駐車スペースは2、3台分しか残ってなかった。そのスペースに車を入れる。4時半起床の5時出発となった。
 装備は軽量化されてきているが、食料の重量はなかなか押さえることができない。小屋食も考えたが、まだまだ自力で何とかしたいという思いが強い。かといって軽量化を優先するあまり、質素な食事にはしたくない。ということで21キロオーバーのザックはやはり、いつもよりも重く感じられるのは当たり前だろう。歩き慣れた単調な左俣林道をひたすら歩いてワサビ平小屋で小休止を入れる。途中、ミニバイクを二人乗りして追い抜いていった登山者がいたが、穴毛谷を過ぎたあたりでエンストで止まっていた。

 
笠ヶ岳登山道口             ワサビ平小屋で小休止

 
作業道に咲くソバナ           小池新道に咲くシシウド

ワサビ平小屋から20分も歩くと小池新道の入り口となる。天に抜ける青空に出迎えられたのは久しく、この山域に入ったときはいつも天気が悪かった。ただし問題は暑さ対策で、平地に比べると気温は低いとはいえ、容赦なく照りつける日差しは避けようがない。本日の行程は双六までなので、時間的にもゆとりがある。こまめに給水し、小休止を多くとることにする。秩父沢出合いまでは傾斜がそれほどでもないので、ペースを乱さずに体力にゆとりを持たせて歩く。


小池新道入り口

 秩父沢は絶好の休憩ポイントになっている。直ぐ上まで雪渓が残り、沢の水に手を入れると、手がしびれてくるほど冷たい。照りつける太陽は厳しいが、沢筋は涼気に涼気に包まれていて、しばらく休んでいると火照ったからだが徐々に冷えていった。さて問題はここからで、灌木帯が途切れるイタドリが原とシシウド原の急登をどう凌ぐか。うまい手はないので、ただひたすら照りつける太陽に焼かれながら1時間少しの登りに耐える。

 
秩父沢出合                 シシウド原

 シシウドガ原を過ぎると灌木帯のトラバース道に入り、鏡平らから下りてくる谷に入り直すかたちになる。ここまでくると鏡平小屋は1時間の距離になる。高度を上げるにつれて気温も下がってくるはずだが、それ以上に気温が上昇してきているようだ。何度も木陰で立ち止まり体を冷やす。足元にミヤマリンドウの紫色の小さな花が見られるようになると、ようやく鏡平小屋に到着した。標高が2300mほどあるので、随分と涼しく感じられる。小屋でかき氷とコーラを買ってひと息入れる。

 ただ今制作中です  しばらくお待ちください  ・・・・・・


鏡平小屋 かき氷がよく売れていた


鏡平の池に映る槍と穂高

 さて鏡平の池ごしに見る槍と穂高だが、やっと念願叶って水面に揺らぐ風景を見ることができた。過去に何度かこの鏡平は通過しているが、いずれも雨かガスのために見ることができなかった。


鏡平を後にして、弓折分岐への登りにかかる

小屋前のひょうたん池に架かる橋を渡り、稜線まで標高差約300mの登りにかかる。登山道は草付きの斜面につけられているので、当然花も多い。日当たりがいいため、すでに夏の花は終わり、トリカブトなど夏の花が見られ始めていた。途中、岩からしみだす水で喉を潤し、稜線の弓折分岐に立つ。直ぐそこが弓折岳2588mだが、今回はパス。木製のベンチがり休憩地として利用されている。わらわれもザックを下ろしひと息入れることにする。

 
弓折の斜面は草地で花が多い 左:ミヤマトリカブト 右:ウラジロタデ


弓折峠にて 手前:ミヤマアキノキリンソウ

 さてここまで来ると目的地の双六小屋は近い。稜線歩きには多少のアップダウンがつきもので、小屋までは約1時間の距離だ。大部分はハイマツ帯の中を歩くコースだが、雪田周辺の草地にはシナノキンバイ、ミヤマキンポウゲ、ハクサンボウフウ、ハクサンイチゲなどがみだれ咲いていた。

 
弓折分岐から双六に向かう稜線の雪田周辺で雷鳥の親子がえさをついばんでいた

 
弓折分岐から双六に向かう稜線の雪田周辺には花が多い

 稜線を進んで行くと左手には双六岳が徐々に大きく見えてくる。この風景は何度か見ているが、ここまでくるとやっとアルプスの実感が湧いてくる。谷の向こうに小屋が見え出すと目的地は近い。


午後になり少しガスが出てきた 稜線から見る双六岳


まもなく本日の目的地の双六小屋に到着する たくさんのテントの花が咲いていた

 夏山の終盤の盆休みとあって、テントの数も半端ではなかった。きっと小屋の方も大にぎわいだったに違いない。野営場は小屋から池までの緩やかな斜面に設けられている。よく整地されているのはいいが、なるべく傾斜の少ないところを選びたい。テント生活で大切なのが水の確保だが、ここの野営場は流水が利用できるのでありがたい。上部の雪渓から水を引いているようなので冷たくておいしい水だ。稜線の野営場であれば、雨水を購入することになる。小屋で受付を済ませテントを設営する。

 
まずはテントを設営に腹ごしらえ

 テントに入りしばらく横になって疲れを取る。本日は無理のない行程だと思うが、暑さと重さで疲労感も大きかったようだ。まともに食事もしていなかったので、とりあえずは焼きそばをつくって腹ごしらえする。


ハクサンボウフウ

時間があるので樅沢岳まで登ろうかと思ったが、ガスで展望がないために野営場周辺の花見に切り替える。小屋周辺は登山者で大にぎわい。診療所のあるようで、学生さんが常駐しているようだ。治療はできないようだが、相談はできるとのこと。

 
ハクサンイチゲ                  クロユリ

 
双六小屋             富山大学の診療所で相談ができる

テントに戻り食事の準備をする。今回は4日2人分の食材として、
アルファ米10袋(赤飯、五目ご飯、白米)、缶詰(焼き肉、いわし、さんま、コーン、ツナなど)、野菜(タマネギ、キュウリ、ジャガイモ)、高野豆腐、乾燥わかめ、乾燥ゴボウ、乾燥椎茸、袋ラーメン類、フランスパン、各種調味料などなどを準備してきた。

食事が終わり横になるが、隣のテントがうるさい。早く休むのが山の常識だ。


| 14日 | 15日 | 16日 | 17日 | 花1 | 花2 |

 

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