2007年6月23日 硫黄岳、横岳(南アルプス) |
■硫黄岳、横岳(南八ヶ岳)2007年6月23日 No.413 隊長、うさぎ 前夜の8時半に自宅を出発する。自宅から登山口までの所要時間が3時間以内で、一日の行動時間が8時間以内なら早朝発もいいが、それ以上になってくると、前夜車泊の方が登山当日の負荷が少なくてすむ。車泊は、狭い車の中でどうやってゆっくり休むかが問題だが、慣れてくればどこだって休婿とができるようになるだろう。1時に桜平に車を着ける。どこかで見たことがあるような車がゲートの近くに止まっていた。ゲートより少し上の数台のスペースに車を入れる。天気が悪いので出足は悪いようで、ゲート周辺には数台の車がある程度だ。早朝は4時半くらいから歩き始めたいが、ある程度の睡眠時間も欲しいので、5時前に目覚ましをセットする。 早朝は予定通り5時過ぎに駐車地を出発することができた。前後して2,3組の登山者が歩き始める。昨日の悪天候が嘘のように青空が広がっている。雨に打たれたので、木々の緑やレンゲツツジの赤色が鮮やかだ。風もなく、ひんやりとした涼気が肌寒いほどだ。林道からのスタートになるが、夏沢鉱泉までの登りで体が温まった。ひっそりとした夏沢鉱泉を横目で見て、まずはオーレン小屋を目指す。資材運搬車が通れる幅員のある道が、シラビソの樹林内を縫うように伸びている。しばらく歩いていると単調さが感じられるが、一定のペースで黙々と歩くこと50分で、オーレン小屋に到着した。キバナノコマノツメ(スミレ科)が朝露に濡れていた。振り向くと、雲上に浮かぶ穂高連峰が目に飛び込んできた。空気の透明度がかなり高そうだ。朝食抜きで歩いてきたので、ここでバナナやパンで朝食にし、ひと息入れる。登山道はここから3方に分かれる。ひとつは天狗岳へ、後の二つはいずれも硫黄岳に至るが、ひとつが夏沢峠経由で、もう一つが赤岩の頭経由だ。変化を持たせるために、登りに夏沢峠経由で、帰りを赤岩の頭経由にする。 オーレン小屋を後にすると、またしばらく、シラビソの樹林が続く。シラビソの出す特有の香りが森を包んでいる。高度的にはこのシラビソが上部を支配していて、この上は低木のハイマツ帯になる。この香りが高山の雰囲気を醸し出す演出の、ひとつの要素になっている。小屋からは約20分ほどで夏沢峠に到着した。朝の強烈な斜光のおかげで、見る物全てがコントラストを増している。光の陰の芸術である写真は、やはりこの時間帯がもっともいいのだろう。峠の小屋もひっそりとしている。ひと休みして硫黄岳への登りにかかる。峠の標高は2400mあたりなので、少し歩き始める森林限界で、展望のよいハイマツ帯に入る。 空気の透明度が高いので、展望は抜群によい。南から順に、中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳、穂高連邦と続き、後立山から白馬岳まで一望できる。低酸素に体があえいでいるので、少し歩いては立ち止まり振り向いて展望を楽しむ。 硫黄岳山頂には、ちょうど8時頃に到着した。標高は2760mもあるのに、残雪がほとんどないのが、八ヶ岳の特徴だろうか。腰を下ろし、期待を裏切らない展望に納得をする。何度でも来て何枚も写真を撮っているのだが、見飽きることはない。この八ヶ岳特有の赤茶けた岩肌を見ていると、先週見た花崗岩主体の城っぽい山体をした南駒とは対照的で、なにか異質な感じがする。硫黄岳山頂周辺では、ミヤマキンバイの黄色い花が少し目についた。
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