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■釈迦ヶ岳、孔雀岳(大峰)  2020年6月2日 No.1289
〜取材で太尾ルートチェック、孔雀まで足を伸ばした〜
【行程】
太尾登山口〜P1468〜古田の森〜かくし水〜釈迦ヶ岳1799.9m〜馬の背〜象の鼻〜両部分〜昼休み〜孔雀岳1779m〜両部分〜象の鼻〜馬の背〜釈迦ヶ岳〜かくし水〜古田の森〜太尾登山口  *野鳥、風景、花撮影時間が含まれるのでコースタイムは参考になりません。

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概要 別ルートのチェックと写真撮影で再び釈迦ヶ岳に登った。釈迦ヶ岳登山の大半がこの太尾ルートから登られている。というのは太尾登山口の標高は1400mほどあり、登山の標高差が400mとかなり楽だ。それに、雰囲気の大変良い尾根ルートで、大峰のいいところを満喫できるなど、楽をするわけではないが、じっくりと大峰の自然と対峙できる、歩くだけではもったいないルートだ。

太尾登山口 平日だが駐車場には数台駐まっていた。トイレもある認知された登山口だ。大峰奥駈道への入り口、しかも比較的アプローチがたやすいルートで、入山者が多いことが予想できる。標高が1400mあるので、モミ、ヒノキ、スギが混ざる夏緑広葉樹林から始まる。スロープ状に尾根に乗ると緩やかに高度を上げていく。駐車場で早速、ヤマゲラ、ホオジロが出迎えてくれ、野鳥たちが活発だ。

  
登山口

緑が濃くなり、アカゲラ、オオルリ、ミソサザイの鳴き声がよく聞こえるが、なかなか姿を捕らえられない。いつもと違った鳴き声が聞こえるが、さえずりから種類を判断できないが、気になるさえずりだった。しかし帰路に正体が判明した。

  

雨が上がったばかりの尾根は気温は低いが湿度が高く、歩き始めると直ぐに汗がにじみ出してきた。尾根の樹林はガスがかかり、空気感が感じられた。じっくりと構図を吟味し撮影に専念するのもいいが、これから先の道程は長い。釈迦まででは少し物足りないので、できれば孔雀を往復したい。

針葉樹が少なくなると明るいブナ、ミズナラ、カエデの落葉樹林となった。どの株もよく育っていて、台高のものよりも一回り幹が太い。大きく太いシナノキに触りパワーをもらう。


シナノキ


オオイタヤメイゲツ

古田の森は見通しのよい尾根のピークで、大峰の主稜線がよく見える。正面に釈迦、その右手には深仙の祝や大日岳がはっきりと確認できた。とくに大日岳は、とがった円錐をしていて特徴的だ。古田の森を過ぎると、林床にミヤコザサ、バイケイソウが広がり、オオイタヤメイゲツ、ブナが林立する、典型的な太平洋側のブナ林となる。自然の豊かさが感じらあれ、歩いているだけで充実した気分になる。

アカゲラやオオルリが盛んに鳴いてくれるが、なかなか姿が捉えられずシャッターチャンスがなかった。しかし、ホオジロ君はいつでも撮れた。今日は、君じゃないだけど。できれば亜高山帯の鳥が見たい。キツツキはたくさんいるが、今日はアオゲラ君が見たいんだけど。

  


明るいミヤコササの尾根、古田の森付近


尾根のブナ林

ブナ林に入ると林床にバイケイソウに敷き詰められ千丈平に着いた。池があって尾根のコバの風景の一役をになっている。ここを過ぎ登り始めたところにかくし水があった。冷たくて美味しい水だ。テント泊縦走では貴重な水場だろう。


大日岳と深仙の宿が少し見える

3日振りの山頂なので親近感がある。今日はここがゴールではない。主稜線上に見える最初のピークが孔雀岳で、そこまで往復する計画だ。孔雀明王に由来する山名なのだろうか。調べるとやはり、「仏教の信仰対象であり、密教特有の尊格である明王の1つ」と説明があった。役行者が開いた修験道の山域なのでその頃からの山名だとすると1300年の歴史があるということか。自然も豊だが、1300年も続く文化、精神世界がこの山域にはある。


山頂の釈迦如来像

山頂付近は標高的に植物の垂直分布からみると亜高山帯に入る。山頂付近の針葉樹を見ると、トウヒ、ウラジロモミで、シラビソを探すが見つからない。紀伊山地のシラビソはやはり、大峰最高峰の八経あたりだけなのだろうか。

これから向かう縦走路と孔雀岳

  
トウヒ   ウラジロモミ

さて、釈迦ヶ岳から孔雀岳の区間は、これまでのブナ林とは違い様相が一変する。今回は全員クライマーなのでワクワクしながら縦走路に突入した。これまでの行程はだらだら歩いていたが、水を得た魚のように元気になった。岩がむき出す痩せた尾根で、馬の背尾根、象の鼻、両部分などの見所がある。険しいところには行場があり、


馬の背

グイグイ下るのはいいけど、帰路には登返しが待っている。


マムシグサ

  

空鉢岳(くうはちたけ)周辺は岩場からの展望がいい。空鉢岳は41番靡(なびき)。

両部分 「大峯奥駈道」はここから北を「金剛界」、 ここから南を「胎蔵界」とみなされる。仏さまや神様などが一定の法則と意味を持って集まったものを曼荼羅といい、金剛界は正式には金剛界大曼荼羅、胎蔵界は大悲胎蔵生曼荼羅というようです。金剛界は堅固な永遠の覚りの智慧、胎蔵界は仏の慈悲という母親から生まれた曼荼羅。

  
左:蔵王権現、怖い顔をしている

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機材  OLYMPUS E-M1U、E-M5V  12-100mmf2.8pro、LUMICLEICA100-400mm