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■一の倉沢衝立岩(谷川岳)
〜衝立岩の人気ルート中央稜を攀じる〜

レポート No.972
日時:2016年6月11
参加者:たくさん、むらかみさん、おおやさん、つじさん、隊長、うさぎ

6月10日 鈴鹿(17:30)〜谷川岳ロープウェイ駅(1:00)
6月11日 谷川岳ロープウェイ駅(5:00) 〜一の倉沢出合(5:55)〜テールリッジ取付(7:10)〜中央稜基部(8:20)〜(8:45)中央稜登攀- 衝立の頭(13:20)〜(13:45)懸垂下降(16:00)〜(16:20)テールリッジの下降(17:30) 〜 雪渓、ひょうんぐりの滝通過〜一の倉沢出合(18:30)〜谷川岳ロープウェイ駅(19:30) 行動時間14時間30分

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プロローグ 梅雨の入り、登攀日の天気予報に気をもまされたが、梅雨間の晴天を射貫くことができた。例年6月は谷川岳を計画に入れている。谷川岳は日本三大岩壁のひとつで、多くのクライマーを魅了してきた。北アルプスの穂高や剣に匹敵する規模の岩壁を擁するが、標高が2000mに満たないため、日帰りでの登攀を可能にしている。今回は人気ルートの衝立岩中央稜に取り付くことができた。登攀自体は易しいが、アルパインクライミングの総合力が求められ、フリーマルチとは一線を画している。

アプローチ まず第一の核心は、鈴鹿から群馬までの移動。高速道路を東名阪、名二環、中央道、長野道、上信越道、関越道と乗り継ぐこと7時間30分、1時に谷川岳ロープウェイ駐車場に到着。4時から行動を開始するので、睡眠時間は3時間、その先に14時間行動が待っている。アルパインクライミングは登攀だけじゃない、アプローチから始まっている。今回は、東京、横須賀、富山、鈴鹿、愛知のメンバーだったので、谷川の場合、東海組がアプローチで不利になる。しかし、富山のおおやさん、仕事が立て込んで時間にゆとりがなく、徹夜で走って、睡眠なしで14時間30分の行動になった。体力、精神力ともにタフでないとやれない。

駐車場〜一の倉沢出合 2013年より通行ができなくなって、この区間が歩きになった。往復でアプローチに2時間がプラスされた。ロープウェイは定期点検だったので、駐車場が利用できないと思っていたが、登山者向けに営業していた。一日500円。トイレと自販機が利用できる。

    

4時のアラームで目を覚まし、行動開始。準備しているとおおやさんが到着。遅くまで仕事して、富山から徹夜で走って、休みなしで行動開始。大丈夫か?という我々も睡眠時間は2時間半。若けりゃいいが。

    

1時間の車道歩きで徐々に体が動き始めた。マチガ沢出合いで谷川岳本峰を見ると、登高意欲が刺激されてくる。車道脇では、ヤマツツジが終わりヤグルマソウが見頃になっていた。途中で西黒尾根登山口を通過したが、つくだにさんは今日、この尾根を登るらしい。私はこれで5回目の谷川岳になるが、未だかつて山頂を踏んだことがない。 → つくだにさんのレポート

    
ヤマツツジ             これも登山道みたい

      
1時間の車道歩き          ヤグルマソウ


一の倉沢が見えてきた

一の倉沢が、眼前に開けてきた。この光景を見ると寝不足の疲れも忘れてしまう。なにより、天気に恵まれたことがうれしい。

     
中央が今日登る衝立岩            出合いの案内板

一の倉沢出合〜テールリッジ取付 さて出合いまではいつもの変わらなかったが、ここからが少し違った。例年、出合い付近まで雪渓が残っているが今年はない。ないのは歩きやすくていいのだが、あまりにも雪渓が少ないと、ひょうんぐりの滝を巻く行程が余分になる。入渓するといつもと様子が違っていた。雪渓がない。下部はシュルンドになっていた、ひょうんぐりの滝で雪渓が切れていた。谷川岳の登攀、なぜこの時期を選んでいるか。それはテールリッジまで雪渓がつながろいり容易に取り付けるからだ。

     
雪渓がない             カラマツソウ

     
オオカメノキ              タニウツギ

花は、サンカヨウとシラネアオイを期待していたが、今年は雪が少なかったので、すでに花は終わっていた。


雪渓が完全になくなっている

     
いつもこのあたりから雪渓を歩けるが   シュルンドが開いてわたれない

ひょうんぐりの滝 左岸から巻けそうだが、不安だったので夏道でいくことにした。この場合、通常50mの高巻きで50mの懸垂が必要だが、雪渓の状況を見て、たくさんの判断で、25mの懸垂で済ませた。6人いるので時間がかかる。この時点ですでに予備の時間を消費し始めている。


懸垂で雪渓に降りてテールリッジに取り付いた。例年より10m近く雪渓が少ないような。取り付きでこの先に不要となるアイゼンとストックをデポした。

テールリッジ さてテールリッジも気が抜けない。岩場3級くらいの登攀が随所にある。フィクスはあるが確保はしていない。今回は岩が乾いていたので、アプローチシューズのフリクションがよく効いた。少しでもぬれているとよく滑るのだが。

    
テールリッジ取り付き        正面には衝立岩が見えている


テールリッジをフィクスで登攀

    
べにサラサドウダン           テールリッジ

    
テールリッジの途中で朝食。約1時間10分で中央稜線の取り付きに到着。

中央稜取付 中央稜基部まで登ると、誰もいなかった。当初は凹状岩壁を予定していたが、待ったなしで登れるので中央稜を登攀することにした。右手にダイレクトカンテを見ながら登攀準備をしていると、2年前の登攀がよみがえってきた。

         
ダイレクトカンテ            取り付きで準備


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