最新情報  レポート  登山  バリエーション  ブログ  プロフィール

■千石ぐら(大台ヶ原)
〜千石ぐらサマーコレクションの登攀〜

レポート No.959
日時:2016年5月1
参加者:たくさん、ほんまさん、隊長、うさぎ

駐車場(5:45)〜西大台遊歩道〜千石ぐら基部(7:00)〜1ピッチ目(7:25)〜 2ピッチ目〜3ピッチ目〜4ピッチ目〜5ピッチ目〜6ピッチ目〜7ピッチ目〜8ピッチ目〜(14:40)9ピッチ目(14:55)〜駐車場(15:50)〜物産館食堂(16:00)〜(18:30)大宇陀あきのの湯(20:30)〜鈴鹿

| ページ1 | ページ2 | ページ3 |


プロローグ 大台遠征の二日目は本命の千石ぐらサマーコレクションの登攀。グレードも高く、長いルートなので、チーム編成、登攀システムなどを考慮し、計画的な登攀が求められる。今回は1−2−1の登攀システムを選択。

アプローチ 千石ぐらは西大台に入ることになるので、立ち入り許可書が必要になる。遊歩道をシオカラ谷へ下っていく。階段を下りきったところからトロッコ道に入る。開かれてから100年以上経過していて、軌道も自然にかえりつつあるが、水平になっているので歩きやすい。尾根を一つ乗り越すと千石ぐらの谷に入るが、一つ手前にテープがあったのでその谷を下った。結局、途中で尾根を乗り越すことになるので、最初から千石ぐらの谷を下った方がいい。時間にすると、遊歩道から10分くらいの距離。

   

   
バイケイソウが咲き始めていた

一つ尾根を乗り越すと千石ぐらの岩壁が見えてきた。谷におり岩壁に沿って下っていくと、まず最初に、サンダーボルトの取り付きがある。日本の岩場には、こちらもルートの紹介があるが、サマーコレクション寄りの少しグレードが高い。サマーコレクションの取り付きはさらに一段下がったルンゼ。

   


山シャクヤクのつぼみが膨らんできている

サマーコレクションの概要

1ピッチ目V 易しいルンゼだがプロテクションなし、カムも使えそうにない
2ピッチ目5.10a、30m スラブ状フェイス このルートの厳しさを思い知る
3ピッチ目5.10a、50m スラブ状フェイス 気持ちに余裕のでるルートだが長い
4ピッチ目(5.10c/d、15m)5ピッチ目5.8、30m 繋げて登った。4ピッチ目は短いが厳しい。
6ピッチ目5.6、35m 草付きバンドのトラバース。気が抜けない。
7ピッチ目5.9、30m 有名なハンドトラバース。もたもたしているとパンクする。
8ピッチ目5.9、25m 高度感のあるカンテルート。
9ピッチ目5.9、35m 高度感のあるカンテからハング。最後まで楽しませてくれる。

1ピッチ目 易しいルンゼの登攀で、終盤はチムニー状になる。支点はないのでカムでプロテクションをとった。登攀へのアプローチ的なピッチ。これを登るというよいよ、サマーコレクションが始まる。 

   

2ピッチ目 5.10a、30m ここから実質的な登攀が始まる。プレートに刻まれたルート名「サマーコレクション」を見ると身が締まる。滑りやすいスラブで、細かいスタンスを拾いながらの登攀が続く。微妙なムーブもあり、1ピッチ目が終わるころに、こわばった手と足がなじみ始めた。ボルトの間隔は狭いが1ピッチ目のリードなので、なかなか大胆になれない。

   
1ピッチ目の開始点          プレート


1ピッチ目のリード

   
リード               セカンドのうさぎ

朝が早いのでまだ岩壁は日陰になっているが、岩壁のコンディションは、暑くもなく、寒くもなく良好だ。1−2−1のシステムだが、2人を上げたところでスタートできるので、時間的には1−2とあまりかわらない。

   

3ピッチ目 5.10a、50m 気持ちにゆとりの出てくるピッチだが、長い。5.10aは部分的で、全般的に気持ちの楽なピッチだ。  

   

左の岩壁に日が差し始め、明るい雰囲気になってきた。ルートは左の岩壁とのコーナーに沿って登り、スラブで乗り越すと少し傾斜が緩む。このピッチから陽射しが入ってきた。

   

   

4ピッチ目 (5.10c/d、15m) さて4と5ピッチ目は繋げることもできそうだが、4ピッチ目が厳しいので切った方が良さそうだ。ただし、切るとハンギングビレイになる。このピッチのみのフリーならあれやこれやムーブを工夫する楽しさがあるが、4人がそれぞれやっていると時間がなくなる。とにかく時間内に抜けることが第一優先なので、1カ所だけアブミを使い安全策をとった。

   

核心部は薄かぶり状態だが、ホールド、スタンスは探せば見つかる。短いピッチだが保持力も必要になっている。

   

   

   


サイト「今日という日を忘れずに」さんから、この写真をいただきました。ありがとう

5ピッチ目 5.8、40m 易しいが長いピッチでロープが重い。樹林の中間バンドの岩に支点が整備されている。登りすぎるとトラバースの時にクライムダウンすることになるので、整備された支点で切った方がいいだろう。中休みするには一段上に上がった方がいいのだが。後半戦に備え、食事と休憩に都合のよいところだ。

   


| ページ1 | ページ2 | ページ3 |

2016-5-1 Copyright (C) 2016 k.kanamaru. All Rights Reserved.