■明神岳主稜(北アルプス) |
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レポート No.827 |
〜秋雨前線の隙間を狙ってバリエーションルート明神岳主稜にアタック〜 |
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8月26日 自宅(19:30)〜ひるがのSA(22:30) |
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二日目 5峰 テントがばたつく音で何度も目を覚ましたが、朝になり雨が止み天候が落ち着いてようで、5時に起きて暖かいコーヒーを飲んで出発の準備に取りかかった。水を2リットル消費したのでザックが軽くなった。標高2600mに15時間いたので身体が低酸素に順応したようで軽く感じる。この標高だと気圧は平野部の4分の3程度になる。個人差、その日の体調にもよるが軽い高山病の症状が出始める標高だ。 5峰へは、ハイマツ帯を避けるように踏み跡が山頂への続いている。野営地を振り返ると地形的に肩になっているのがよくわかる。 1時間ほどで5峰に到着した。低層雲が山肌をなめているが高層は腫れている。風はまだ収まらず、1時間の登高をしてもカッパを脱げなかったが、雨に降られることなく、大きな天候の崩れはなさそうだ。展望は良く、稜線が一望でき、これから向かう4峰、3峰、その向こうにには奧穂高から西穂に続く稜線が一望できた。今年は天候不順で8月下旬までアルプスの稜線から遠ざかっていたが、やっと、アルプスの稜線を踏みしめることができ、充実感と言うよりも安堵感が感じられた。
4峰 ピラミダルな5峰と比べると陽線上のピークといった感じのする峰だ。5峰から約50分の易しい岩稜あるきで到着した。それよりもこの先の3峰の岩峰が気になる。たしか「岳沢側を巻く」と書いてあったが、登攀しても良さそうな岩峰だった。今回はカムを持参しなかったので却下。 3峰 3峰が近づくにつれて威圧感が増してきた。登って欲しそうにしているが今回はギアが揃ってないので踏み跡をたどり巻くことにした。今回の装備は、50mダブルロープ1、アルパインヌンチャク3,ヌンチャク2、スリング5,カラビナ3,環付きカラビナ3、ルベルソ、ハーケン4、ハンマー、7mmロープ3mだった。 3峰を過ぎる頃には風も弱まり稜線の輪郭がすっきりと見えだした。時折、青空が覗き日差しの暖かさを感じられた。目の前に見えている奥穂から西穂に掛けての稜線も魅力的だが、明日のことは前穂に到着してからの判断することにして、先を急がずじっくりと、明神の稜線を楽しみむことにした。3峰を巻いて振り向くと3峰が荒々しい岩峰であることがわかった。 2峰 3峰からは岩稜のアップダウンが続き2峰に繋がっているが、ピークから北側は切れ落ちている。2回の懸垂が必要で、岩とピトンで支点が構築されていた。良く使われているようで、補強の必要はなかった。予定通り2回の懸垂でコルに降りた。 明神岳主峰 2峰からは大きく登返し、1時間で主峰に到着した。ダイナミックな岩稜の景観がアルパインの雰囲気を醸し出していた。さてやっと主峰に到着した。東稜を視察したかったが、梓川側は朝から終始、ガスに隠れていて何も見えない。稜線の北側を見ると踏み跡が前穂に続いているのがよくわかる。バリエーションといえでも良く歩かれているのがわかる。こちらから見る限りアップダウンもあり、距離的には5峰から1峰までとほぼ同じだ。梓川側はガスでよく見え長いすっぱりと切れ落ちているので充分に注意を払いながら稜線をたどった。 主峰直下には野営地が2カ所あり、それぞれ1張テント設営が出来そうだ。天候が穏やかならビバークにはいいと思う。 明神から前穂まで岩稜はとくに難しいところはなく、険しいところは岳沢側を巻くように踏み跡があったが、1カ所ロープを出した。慎重に下れば難しくはないが、岩が脆いので懸垂した方が安心だ。距離は30mくらいで、25mでも何とかやれるが、残り数mを中継した。 目の前を黒いモノが素早く横切った。不意に飛び出してきたので鳥かなと思ったら、うさぎがオコジョを見付けたみたいだ。人に対する警戒心が薄いようで、岩陰から出たり入ったり。その間にシャッターを切り、2枚を写真に収まった。 現在の閲覧数 |
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2014-8-29 Copyright (C) 2014 k.kanamaru. All Rights Reserved. home |