最新情報  レポート  登山  バリエーション  ブログ  プロフィール

■日出ケ岳&大杉渓谷


レポート No.798
日時:2014年5月3日4日
参加者:9人

〜日出ケ岳から日本三大渓谷「大杉渓谷」を行く

 

5月3日 千代崎(5:32)〜(近鉄)〜大和上市(8:48)〜(奈良交通)大台ヶ原(11:00)〜日出ケ岳(12:00)〜粟谷小屋(13:30)〜堂倉滝(14:30)〜光滝(15:40)〜七ツ釜滝(16:30)〜桃の木山の家(17:00)
5月4日 桃の木山の家(6:40)〜平等(7:10)〜ニコニコ滝(7:20)〜(7:30)シシ渕(8:00)〜千尋滝(8:40)〜(10:35)大日(10:50)〜(11:20)宮川第三発電所登山口(12:20)〜(大杉谷登山バス)〜大台町道の駅(13:55)〜三瀬谷(14:21)〜(ワイドビュー南紀)〜松阪(15:19)〜(近鉄)〜千代崎


|  ぺージ1  |  ページ2  |  ページ3 |

プロローグ 大杉谷登山道が2014年4月25に全線開通した。2004年の台風で壊滅的な被害を受け,2008年に復旧工事が始まった。2010年にシシ渕まで,2012年には七ツ釜滝までが開通し桃の木小屋も営業再開していた。そして今年やっと,光滝下の大崩壊地に登山道が開かれやっと全線開通となった。

「三重県の山」(山と渓谷社)では56山紹介していて,その中で日出ケ岳は県内最高峰である。国内でも屈指の渓谷美を誇る大杉渓谷を登路としていたが,先の災害により登山道変更を余儀なくされ,サブコースとして古くから使われていた尾鷲道を紹介していた。2008年から始まった復旧工事により2012年には七つ釜滝までが開通し,残った未開通部分を大台林道で迂回することにより登路が開かれたのを機に,2013年の改定でこのルートに戻すことができた。そして今回の全通により,コースを元に戻すことができるようになり取材を行った。

さて昨年の秋には,宮川第三発電所から,一部大台林道を使い日出ケ岳までを歩いたので,今回は逆のコースを辿ってみることにした。行程は距離14.1km標高差1400mのスケールで,1泊2日で歩く。少し無理をすれば,一日で通して歩くこともできるが,大杉の渓谷美をじっくりと味わいながら,桃の木小屋でも宿泊も楽しみのひとつである。

アプローチ 次にアクセスだが,日出ケ岳への登頂だけならマイカーでドライブウェイを走るといとも簡単に山頂が踏める。登山というよりも遊歩道のハイキングといった方がわかりやすい。しかし大杉渓谷をルートに組み入れると,三重から入るにしろ,奈良から入るにしろ,アクセスに時間と費用がかさんでくる。

今回は奈良県側からの入山なので,近鉄大和上市から奈良交通の直通バスを利用した。週末は9時と9時30分に2便が出ている。所要時間は約2時間だ。連休の初日であり,天気もよかったので大台ケ原駐車場はマイカーで溢れ混雑していた。

   
橿原神宮前駅の売店           大台ヶ原

日出ケ岳 歩き慣れた道を日出ケ岳へと歩く。標高が1600以上ある大台ヶ原はまだ、新緑の気配がない。40分ほど歩き一等三角点のある山頂に到着。ちょうど昼になったので軽く食事をする。展望に上がったが、霞がかかり遠望がきかなかった。アクセスに半日を要したが、歩きの行程はこれからが本番だ。

   
遊歩道を歩く

   
山頂の展望台              三角点1694.9m

さていよいよ大杉谷へ。「大台ヶ原はもどれ、この先大杉谷」の標識が、これから先はハイキングではないと警告しているように思える。林床に背丈の低いミヤコザサが覆うブナの原生林が美しい。少し下るとシャクナゲ林が続く。つぼみが膨らみ始めていて、今年は期待できそうだ。

   
正木ケ原方面              大杉谷へ

粟谷小屋 昨年はこの区間を登りに使い、休み休み2時間30分かかったが、下りは1時間30分で粟谷小屋に到着した。 標高差は600mだ。石楠花の覆い区間で、シャクナゲ平、シャクナゲ坂と呼ばれるところがある。

   
シャクナゲ            ブナ林

     
バイケイソウ           林道の水場「延命水」

粟谷小屋も賑わっているようだ。林道脇にある延命水で一息入れる。登山道は林道を少し下ると堂倉滝への分岐がある。ここからが今年の春、整備が終わり開通した区間だ。大台林道が1160mで、堂倉滝がの標高が800mなので、360mの降下になる。道は整備されているが、ルート中で傾斜が最もあるところなので慎重に下った。登りの登山者と何人か行き交った。下りは我々と同じバスで来た3パーティくらいで約30人。

   
粟谷小屋            堂倉滝への林道分岐


ヒカゲツツジ

この区間はまだヒカゲツツジが咲き残っていて、アケボノツツジはちょうど見頃を迎えていた。今年はミツバツツジやモチツツジが花付きがよかったが、ツツジ科全般が当たり年なのかもしれない。足下を確かめながらの下降が続く区間だが、やはり花があること心が和み緊張感がほぐれた。


アケボノツツジ

堂倉 粟谷小屋から1時間下り堂倉滝に到着した。落差は20m程だが、池のような釜に満々と水をたたえ、近くで見られるので迫力がある。ロケーションも良く、最初に出会う滝なので印象に残る。石楠花はまだつぼみだが、アケボノツツジがアクセントになっていた。

   
アケボノツツジ            堂倉滝

   
芽吹き            堂倉谷吊り橋27.5m

滝の前の堂倉吊り橋27.5mを渡り本流の右岸に移るがすぐに、堂倉吊橋55.8mで左岸に映る。岩壁は岩だな道になっていて頑丈な鎖が取り付けてある。岩は濡れるとよく滑るので不用意に足を置かないように注意しながら歩いた。


取水口

   
堂倉吊橋             岩棚道

堂倉吊橋を渡ると岩棚道が続く。対岸には樹間から与八郎滝が見えている。落差は70mあるそうだが、木が邪魔して見えにくい。谷は深く険しく、覗き込むと迫力があり、まるで日本アルプスの岩峰を歩いているような気分になる。

     
与八郎滝                 渓谷


|  ぺージ1  |  ページ2  |  ページ3 |

現在の閲覧数 

2014-5-6 Copyright (C) 2014 k.kanamaru. All Rights Reserved.  home