■チンネ左稜線&八ッ峰6峰(北アルプス剱岳) |
レポート No.749 |
【8月 7日】 立山ケーブル駅(7:00)〜室堂バスターミナル(8:20)〜雷鳥沢(9:30)〜別山乗越(12:20)〜剱沢小屋(13:30) |
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プロローグ チンネ左稜線の敷居は高い。わずか数時間の登攀のために4日を費やすことになった。だけどそれだけの価値があった。今夏、雨に悩まされた登攀が続いていたが、やっと、北アルプスにも夏が来た。4日とも良い天気に恵まれ、すばらしい登攀ができ、いつまでも記憶に残る山行になった。自然の恵みに感謝。 準備 テント泊装備にクライミング装備をザックに詰め込むと20kgになった。 内訳はクライミング装備が10kgでそれ意外が10kgだ。クライミング装備は初見のルートなので必要最小限まで減らすことができなかった。ダブルロープ50m2本、ハーネス、クライミングシューズ、デジチェーン、ヌンチャク8、スリング60cm5本、120cm4本、ロープスリング3本、カラビナ8、環付カラビナ4、カム5,ハーケン3枚、ハンマーなどで10kgだ。山小屋1泊、テント2泊で、食料はぎりぎりまで切り詰めた。この20kgを熊ノ岩まで上げなければならない。できるか。あと5年若ければできると即答できるが、今は疑問だ。わずか3時間と6時間のクライミングのために3泊4日を費やす。アルパインクライミングは厳しいスポーツだ。今年できなければ、来年はなお難しくなる。挑戦は準備の段階から始まった。 アプローチ チンネへのアプローチをいろいろと健闘してみたが、熊ノ岩利用がやはり時間的なゆとりもあってベストという結論になった。初日に無理をすれば一気に、熊ノ岩まで荷をあげることもできるが、無理をせず剱沢小屋で1泊することにし、初日と最終日を移動日とした。 立山ケーブル駅 7:00 前日の19時に四日市を出発し立山駅で車泊した。駐車場は平日だがほぼ満車になっていた。天候が、梅雨が明けてもすっきりとしなかったが、今週になり夏型が安定してきたので、行楽客が一気に繰り出したのだろう。 6時前から行動開始し立山駅に向かった。ケーブルは6時40分から運行を開始し我々は3本目の7時発のケーブルになった。 室堂バスターミナル 8:20 バスターミナルはいつものように賑わっていた。登山者の装備を見ると、雄山へいくのか、雷鳥沢テント泊か、小屋泊か、剱沢テント泊なのかだいたいの見当がつく。それぞれの目的に応じてターミナルから散らばっていった。すっきりと晴れ渡り、絶好の登山日和となった。とりあえず雷鳥沢まで進んだ。 さて、別山乗越までの登りが、荷が重いのできつい。なので、新室堂乗越を経由し、花見をしながらゆっくりと登ることにした。今年はバイケイソウの当たり年で、木道沿いにバイケイソウのお花畑が広がっていた。 新室堂乗越からはチングルマが多くなり、ちょうど見頃を迎えていた。何度も立ち止まって撮影に興じた。テント泊装備など、荷の重い登山者がここの登りが辛い。何度も休憩を入れながら、抜きつ抜かれつしているうちに別山乗越に到着した。 別山乗越 12:20 別山乗越からは剱岳がよく見えていた。源次郎尾根U峰の向こうに八ッ峰の頭が見えている。目指すチンネはその向こうだ。そして気になるのが雪渓の状態だが、この位置からだと全容がつかめない。いい風が吹いていた。今日の行程はこの坂を剱沢まで下るだけだ。 剱沢小屋 13:30 ほぼ予定通りに剱沢小屋に到着した。宿泊の手続きをして午後の時間をのんびりと過ごし、身体を高所に順応させ、明日からの登攀に備えることにした。小屋は完全予約制でひとり1畳が確保してもらえるようだ。行程通りきているので予備日としていた明日の予約をキャンセル。気になっていた長次郎雪渓の右俣の状況を小屋のスタッフに尋ねたところ、昨日あるいたガイドさんがいるので聞いておきますとのこと。 小屋の食事は豪華でおいしかった。味噌汁とご飯をおかわりしてお腹いっぱいになった。ガイドさんが何人かいてその中のひとりが、映画「点の記」の山岳指導をした山岳ガイドの多賀谷さんだった。食事だけ小屋を利用しているようだ。東北からもガイドさんが来ていて、昨日は源次郎尾根だったようだ。熊の岩もいつもより雪が多くてテントがひと張りだたようだ。明日からの登攀に備え7時過ぎに横になった。
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2013-8-11Copyright (C) 2013 k.kanamaru. All Rights Reserved. home |