■阿弥陀岳北陵(八ヶ岳) |
レポート No.714 |
【2月9日】 美濃戸口(11:13)〜美濃戸(12:45)〜南沢〜行者小屋野営場(16:20) |
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二日目 5時のアラームで目を覚ます。トイレに出た時に水を組んできた。無精をして雪から水を作るととても時間がかかるので、面倒でも水汲みはした方がいい。二人で500ml二本と800ml1本のお湯を沸かす。他に朝食用にお湯を使うので、お湯を作るだけでもたいへん時間がかかる。朝食はパンとラーメンで簡単に済ませたが、食事と準備に1時間半を要することになった。早いパーティーはすでに出発したようだが、テント場は出発の準備で慌ただしくなってきた。テント場から見える大同心、小同心にガスがまとわりついて幻想的だ。 北陵取付 必要なものだけをザックに詰め込み7時前に出発した。少し歩いて、スノーバーを忘れたことに気づき取りに戻った。手と足の先が冷たく痛い。北陵への取り付きだが、バリエーションなので決まったルートはなく、地形を見て取り付こうと思っていたが、中岳沢ルート分岐の手前でしっかりとしたトレースが樹林の斜面に伸びていたのでそれを使わせてもらった。シラビソの樹林帯を100mほど高度を稼ぐと稜線に出た。森林限界を越え展望が開ける。トレースがあったからいいものの、ラッセルが必要なら途中敗退になってもおかしくない。 朝から山稜にガスがかかっていたが、日の出とともに少しずつ視界が効くようになってきた。北陵の全容がつかめるようになってきた。何パーティーあるかわからないが、数えただけで10人はいる。第1岩峰で合流する稜線にも4人が取り付いている。待ち時間を覚悟か。ジャンクションピークの展望も良かった。 ダケカンバ帯のリッジのようで、岩や草が雪に隠れていた。アイゼンとピッケルがしっかりと効いていたいので確保なしで通過した。【写真参照】 岩峰1ピッチ目40m 私たちの前には、H大パーティ、3人、2人、2人が順番を持っていた。H大パーティーは岩包の右から行くようだ。一般的な取付は左手のクラックで、支点の残置ハーケンが2本ある。さらにその奧からも行けそうで、2人パーティーはそこから取り付いていた。左の雪壁をトラバースも出来るが、それでは意味がないし、かなりの傾斜で確保が必要だ。待つこと1時間半でやっと自分たちの番がまわってきた。その間に手足が冷え切ってしまい、指の感覚が鈍ってきている。しかも手袋をしたまま、ロープや登攀具の操作をしなければならず、思うようにいかず歯がゆい。1ピッチ目だが、ホールドやスタンスは豊富だが、かじかんだ手で凍り付いた岩の間隔が取りにくき。手を伸ばせばガバが取れるが、うさぎは通過に苦労していた。ランニングは2カ所あるペツルハンガーで安心だ。核心はクラックよりもその上の凍り付いた岩と氷のミックスで、ピッケルのかかりを信じて体重を乗せた。先行していたおじさんが、最初のクラックとその上で苦労していて進まなかった。テラスでピッチを切りたかったが、混雑していたので岩にスリンクを掛けて支点をとった。
岩峰2ピッチ目40m 2ピッチ目出だしはちょっとした岩場フェイスを登るとナイフリッジ。先行者のトレースのあるので安心感があるが、雪稜の崩壊も考え売るので慎重に。ナイフリッジを過ぎ雪壁を登ると終了点だ。しかし、2ピッチ目の終了点は他のパーティーが懸垂に使っていたので使えない。ないなら作ればいいのだ。LifePageのJ 店長の「スノーバー持っていったほうがいい」のアドバイスで 、ザックに入っていたスノーバーを取り出し支点を作った。
最後の雪の斜面 2ピッチ目の終了点から50mほど雪の斜面を登ると、一般道と合流し50mで山頂に到着した。ここの斜面はロケーションが良く、紺碧の青空に向かっての登高は痛快だ。振り向き北陵を見下ろすと高度感のある風景が目に飛び込んでくる。ピッケルとアイゼンが気持ちよく雪面を捉え、一歩々山頂が近づいてくる。111時過ぎの阿弥陀岳山頂に到着した。それほど風も強くなく、山頂に到着したパーティが写真を取り合っていた。山頂からは、南陵、御小屋尾根、権現が一望できた。南陵も何パーティーかが歩いているようだ。 阿弥陀岳2805m山頂 阿弥陀岳2805m山頂に11時10分に到着した。テント場を出発してから3時間半かかったが、そのうちの2時間近くは待ち時間だ。チャレンジアルパインクライミングには所要時間2時間半〜4時間となっているので平均的なタイムだろう。とりあえず山頂で緊張感が少しほぐれた。山頂からの展望を楽しみ写真を何枚も撮った。風裏に回りパンとお茶で簡単に食事を済ませ下山にかかる。
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2013年2月11日 Copyright (C) 2013 k.kanamaru. All Rights Reserved. home |