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■阿弥陀岳北陵(八ヶ岳)
〜八ヶ岳の冬期バリエーションを楽しむ〜

レポート No.714
日時:2013年2月9日10日 
参加者:じんじんさん、隊長、うさぎ

【2月9日】 美濃戸口(11:13)〜美濃戸(12:36)〜南沢〜行者小屋野営場(16:20)
【2月10日】 行者小屋野営場(6:40)〜阿弥陀峰北陵〜ジャンクションピーク(7:50)〜(8:50)第1岩峰(9:30)〜第2岩峰(10:20)〜阿弥陀岳(11:10)〜中岳(12:30)〜文三郎尾根分岐(13:00)〜(14:05)行者小屋野営場(14:50)〜美濃戸(17:00)〜美濃戸口(17:50) 


 

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プロローグ 阿弥陀岳北陵は短く手頃なバリエーション入門ルートとして知られている。日本海側は冬型が続いていて積雪も多いが、内陸部の八ヶ岳は冬でも晴天になる確率が高い。2月の3連休は狙い目で、今回の初日の9日の美濃戸の駐車場は混雑し、行者小屋の野営場も賑わった。バリエーションの入門とはいっても、テント泊冬装備にロープや登攀具を詰め込んだザックは肩に食い込み、雪壁や岩稜登攀などの総合力が試される二日間となった。

チャレンジ!アルパインクライミングから引用すると、「八ヶ岳の数多い岩と雪のリッジの中でも、最も易しく手頃な入門ルートだ。アプローチのラッセルや不安定な雪壁、岩稜、雪稜と、短い中にも雪稜登高の一通りの要素を含み、初心者にまず勧めたい一本だ。最後、阿弥陀岳の頂上肩に抜けるロケーションも悪くはない。」

アプローチ じんじんさんと刈谷PAで待ち合わせして7時に出発。初日は行者小屋までなので時間にゆとりがあるはずだったが。順調に中央高速を進み予定通り10時半に美濃戸口に到着した。しかしここで少し時間がかかってしまった。駐車場は凍結し、しかも満車で入れない。もう少し早く着けた方が良かったと反省するがどうしよう。すると少し下に営業所があり数台が駐められるのでそこまで降りて下さいとのこと。係の人の誘導で何とか駐車できた。駐車場から軽トラックの荷台に載せてもらって美濃戸口まで送ってくれるという親切に、旅の楽しさを感じた。ということで出発が遅れ45分のロスタイム。今回も美濃戸口から歩くことになった。

  
中央道、車窓から見る駒ヶ岳        諏訪PAから見る諏訪湖

  
美濃戸口の駐車場

装備 やはりテント装備の詰まったザックは重い。冬のテント装備に加え、ロープと登攀具が入っている。アイゼン(1kg)、スノーバー(350g)、がちゃ類(1.5kg)ピッケル二本(1.2kg)、ロープ50m2本(5kg)(1本はじんじんさんに持ってもらう)が加わるので、20キロちかくになってしまった。荷物が重くなった分だけコースタイムが落ちて、美濃戸まで1時間20分もかかってしまった。ちなみに前回の小屋泊装備だと1時間で、コースタイム通りだった。


美濃戸から見る阿弥陀岳

南沢 さて、美濃戸から南沢ルートに入る。良く踏まれていて夏よりも歩きやすいくらいだ。コースタイムは2時間だが、さてどうなることやら。美濃戸までの所要時間から推測すると2時間40分ということになるが甘かった。休憩を入れて3時間45分もかかってしまった。ザックの重さが15キロを越えると速度があきらかに鈍ってくる。もう若くはないので、冬は小屋泊がいいなと実感することになった。

  
南沢分岐      コースは良く踏まれている


コンパクトには納めたが、ずっしりと重いザック


南沢登山道のダケカンバ

  
行者小屋が近づいてきた、もうひと、ふたがんばり


横岳

行者小屋野営場 やっと野営場に到着した。時計を見ると16時を回っている。野営場はテントの色とりどりの花が咲き賑やかだ。整地されたところの再利用を考えていたが甘かった。基礎工事に30分を要しよれよれになりながらテント設営。やっとテントが設営でき中に入ってやれやれ。これから食事の準備が大変だった。テントはしばらく使ってなかった3,4人用なので余裕の広さだ。


行者小屋野営場

冬期でも野営場は管理を赤岳鉱泉に委託されているようだ。赤岳鉱泉から夕方、料金徴収のお兄さんがやってきた。3人で3000円だ。やはり八ヶ岳は冬も1000円だ。水場とトイレが利用できるのはありがたいが。靴を脱いでテントに入ると、外に出るのが億劫になってくる。水を汲みに行くのも面倒だったので雪から水を作ったらすごく時間がかかってしまった。急がば回れだ食事は鍋にしたが、これもまた時間がかかる。1時間以上コンロをつけっぱなしで、翌朝の水造りとでガスカートリッジ250を使い切った。燃料の節約できる食事の工夫が必要だ。コンロは1時間以上つけっぱなしだったがテントは全然暖まらなかった。そして、テントの中に火の気がなくなると急に冷えてくる。この日、諏訪(標高760m)の最低気温がマイナス10℃くらいだったから、単純に計算するとマイナス20℃だろう。テントに霜が付き、サラサラと落ちてくる。シュラフカバーは必需品だ。ダウンの上下を重ね着し冬用のシュラフに潜り込んだ。足にはカイロが張ってある。暖かく休むことができた。やはり冬の野営は、食事して寝るだけだが、生活の基本をやるだけでも骨が折れる。

  
テントの中は氷温状態で、霜がびっしりとついていた

 


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2013年2月11日 Copyright (C) 2013 k.kanamaru. All Rights Reserved.  home