■赤岳(八ヶ岳) |
レポート No.710 |
1月6日 美濃戸口(11:14)〜美濃戸(12:15)〜赤岳鉱泉(14:40) |
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| ページ1 | ページ2 | 出発 4時30分に目が覚め、自炊室へいきパンとコーンポタージュで簡単に食事を済ませ、お茶とコーヒーを作ってポットに詰め込んだ。この季節、ペットボトルや水筒では凍りついてしまうので用を成さない。地蔵の登りが凍結していると危険なのでハーネスを装着し万全の態勢を整えた。準備を整え6時の出発となった。気温は調べなかったが、行者小屋で朝、赤岳山荘を出発した人の話では、美野戸でマイナス13度だったらしい。標高から計算すると鉱泉でマイナス16度くらいだろうか。とすると山頂はマイナス20度くらいだろう。 行者小屋 ヘッデンを点灯して赤岳鉱泉を後にした。気温が低いので、靴や踏みつけた雪が、キュッキュッと鳴いている。中山峠への登りで体が温まってきた。夜が白み始めもうヘッデンはいらない。行者小屋の方からやってきた単独男性と行き交ったが、我々とは逆の地蔵尾根から周回するのだろうか。峠からすぐのところに行者小屋があり、年末年始の営業が終わり、静まり返っていた。テントは3張りほどあった。ここでアイゼンを装着し、ロープを出していつでも確保できる準備を整えた。 地蔵尾根 一昨年この地蔵尾根は下りに使ったので、ルートの概要は把握できている。登りに使ったのは十数年前で記憶に残っていない。きつい登りだが、一気に高度を稼いで主稜線(地蔵の頭)に出られるルートだ。標高差は350mで無積雪期ならCT1時間10分の行程だ。 ホールドスタンスともにしっかりとしているが、念のためにロープを出した。森林限界を超えると一気に展望が開け、何度も立ち止まりカメラを向けた。南から順に御岳山、乗鞍岳、北アルプスの山々が雲上に並ぶ姿は勇壮だ。地蔵の頭まで標高差はそれほどないが、半年ぶりの2800m峰なので、体が高所に順応できる、すぐに息が上がってくる。急ぐこともないので一歩一歩、岩や氷や雪を踏みしめながら稜線を目指した。途中で展望荘の宿泊の3人グループを行き交う。風が強かったとのこと。 地蔵の頭に出ると突然、風が強まった。やはり冬山だ。晴天だが、吹きさらしにいると体感温度がグングン下がっていく。冷たい。岩陰に入り暖かいお茶を飲んで小休止。風に煽られながらふらふらと歩いて展望荘へ。展望荘は今週の連休まで営業するようだ。主稜線を歩くのは我々以外に誰もいなかった。 展望荘を過ぎると、少し風が弱まった。展望荘から赤岳山頂までは30分の行程だが、この季節はそんなわけにもいかない。時折、耐風姿勢をとりながら、アイゼンとピッケルと雪面を確実に捉えながら、一歩一歩登っていた。風に巻き上げられた氷の粒が頬にプチプチとあたる。体が高所に順応できてないので、足が重くて上がらない。厳しい登りだが、最も醍醐味のある区間だ。
赤岳山頂 展望荘から50分で山頂に到着した。若い男女が山頂の南側で休憩をしていた。風が避けられ、日差しがあって休憩には都合がいい所だ。パンと温かいお茶で休憩し展望写真を撮って山頂を後にした。 文三郎尾根 さて、時間にはゆとりがあるが、これから赤岳を下り、中岳を乗り越して阿弥陀を登る期にはならなかった。冬場、こんなにコンディションのいい日はないが、このペースだとちょっと厳しい。どちらにしろ分岐までは下らなければならない。積雪と凍結で何箇所か危険なところがあり、また、簡単な斜面でもアイゼをひっかけての転倒は即、滑落に繋がるのでロープで確保して下ることにした。気持ち良くアイゼンを効かせ、約1時間で行者小屋に到着した。気温は低いが日差しが暖かく、アウターはもういらない。 帰路 無事に行者小屋に到着しパンとお茶で軽く食事を摂った。これで登頂は終わったが、美濃戸までの下山がある。アイゼンはもういいだろうと外して下ったが、所々で必要なところが出てきた。途中二回ほど休憩を入れ、1時間45分で美濃戸に到着。赤岳山荘の駐車場は閑散としていた。車は美濃戸口なので、それから50分、せっせと歩いて駐車場に戻った。天候に恵まれすばらしい冬山が満喫できた二日間だった。 完
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2013年1月6日 Copyright (C) 2013 k.kanamaru. All Rights Reserved. home |