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前穂北尾根(北アルプス)2012年7月24日25日   ホーム

 

前穂高岳北尾根(北アルプス)2012年7月24日25日No.682 隊長、うさぎ
〜日本三大岩稜のひとつ前穂北尾根の登攀を、ほぼ貸しきりで楽しむ〜
7月24日 自宅(4:00)〜平湯アカンダナP(7:50)〜上高地(8:50)〜明神〜徳沢(11:10)〜横尾(12:35)〜本谷橋(13:30)〜涸沢ヒュッテ(15:30)涸沢小屋(15:45)
7月25日 涸沢小屋(4:00)〜北尾根5・6のコル(5:45)〜(6:30)5峰(6:55)〜4峰(7:40)〜3峰(9:35)〜2峰(9:45)〜(10:00)前穂高岳山頂(10:25)〜紀美子平(10:55)〜(12:40)岳沢(13:10)〜上高地(15:10)

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プロローグ 前穂高岳北尾根は、日本3大岩稜のひとつに数えられている。日本3大岩稜のは、剱岳の八ツ峰、槍ヶ岳の北鎌尾根、そして穂高の北尾根だそうだ。八ツ峰は昨年登り、北鎌尾根は今年の八月に予定している。このなかでクライミング要素が大きいのが今回の北尾根で、人気が高い。テント装備のベースキャンプ型でじっくりと攻めたいが、人気の高いルートなので、できれば週末は避けたいと思っていた。運よく代休が使えるようになったので、小屋泊の二日の効率のいい行程で計画した。小屋泊装備ならザックの重さが12キロ位で抑えられるために、岳沢への下降が出来るようになる。勿論、体力があるなら、テント装備を担いで登攀もできるが、無理がきく年齢ではない。

  
上高地の河童橋から           岳沢

アプローチ 初日は涸沢小屋までの行程なので、自宅を早朝発とした。4時に自宅を出発つし平湯アカンダナ駐車場7時50分着。8時20分のバスで上高地に入った。先週、来たばかりで、いつもの光景だが、最初に目に入ったのは、先週に登った奥穂南稜の取付きの岳沢だった。達成感の余韻がまだ少し残っており、今回の北尾根への期待がそれにかぶさってくる。多くの観光客が散策し、ここ上高地の自然を楽しんでいるが、我々岳人にとっては、穂高・槍への玄関口で、河童橋辺りまで来ると、目指す山岳への期待が一層膨らむ。

装備 登山者の多くは、始発のバスを利用するので、この時間に上高地を出発する登山者は少なく、前後を気にすることもなくマイペースで歩いた。今回は小屋泊の装備だが、ロープはギア類が入るとほぼテント装備くらいの重さになってしまう。出がけに計量すると水1リットルを入れると11キロになっていた。ここにカメラと食料、無線機が入るのでさらに重くなった。今回のギア類だが、TKさんからの情報である程度、ギア類を整理することができたが、ロープを合わせるとクライミングの装備だけで6キロを超えていた。ちなみに共通装備は、ヌンチャク5、カム2、スリング5、カラビナ6、ダブルロープ50m1本となった。これにハーネスやビレイ器具などの個人装備が加わる。

  
明神岳              サワギク

    
アサギマダラ           ハクサンオミナエシ


徳沢園

徳沢〜横尾 初日の行程は涸沢小屋までなので時間的にもゆとりがある。徳沢ではうさぎが、オコジョのバンダナを購入したろ、歩道の脇に咲く花や花に集うアサギマダラを見ながら歩いた。この時期の花は、ハクサンオミナエシ、ヤマブキソウマ、少し気の早いホタルブクロ、サワギク、カラマツソウ、グンナイフウロが咲きそろっていた。しかし気になるのは樹間から見え隠れしている、懸案となっている明神岳東稜線で、登攀ラインを目で追うのも楽しい。単調な歩道歩きなので、何かしらの目標があると時間経過がはやくなる。徳沢では撮影隊がビデオ撮りをしていた。前後して涸沢まで進むことになった。聞くところによると「天空の宿」という番組らしい。いつものように初日の昼食は稲荷寿司。その後、横尾まで進み再び休憩。この辺りまで来ると下山者と行き交うようになり、賑わってくる。

   
ツリガネニンジン             横尾大橋

  
岩小屋跡              屏風岩


屏風岩

本谷橋 横尾大橋を渡るとやっと登山道が始まる。樹間から迫力のある屏風岩が見え隠れしている。書籍で何度となく登攀ルートを研究しているが、是が非でも挑戦したい岩壁だ。横尾を先発した撮影隊のモデルさんが足を痛めたようで、靴を脱いでマッサージをしていた。ボッカを含めて10人ほどの大部隊なので、横をすり抜けて本谷橋まで進んだ。本谷橋で汗ばんだ体をクールダウン。


本谷橋で「天空の宿」の撮影

  
エンレイソウ           キヌガサソウ

本谷橋からは高度を稼ぐ登りになるので辛い。沢筋には、エンレイソウ、キヌガサソウ、サンカヨウが見頃になっていた。涸沢は例年、紅葉の時期に合わせた山行が多いので、夏の花を見て、真新しさが感じられた。登山道が雪渓に入ると、谷に沿って流れ降りてくる冷気が、ヒートアップした身体を冷やし、なんとも心地がよい。涸沢ヒュッテののぼりが、ここまで来いといっているようだ。最後の登りは辛いが、雪渓を一歩一歩、歩みを進めるのみ。40代のころはコースタイムを少しでも縮めようと頑張ったが、最近は、コースタイムで無理せずに登ることに心掛けている。


サンカヨウ

  
涸沢             涸沢ヒュッテ

涸沢ヒュッテに到着すると、運よく、フルートコンサートが催されていた。残雪の穂高岳を背景に、フルートの生演奏を聴けるとは、思いもよらなかった。階段に腰をおろし、演奏を聴きながら一息入れ、対岸の涸沢小屋に向かった。涸沢は何度となく足を運んでいるが、小屋に泊るのは初めてのことだ。


涸沢ヒュッテのフルートコンサート

  
野営場


涸沢ヒュッテのフルートコンサートは盛況でした

  
涸沢小屋から見る北尾根と涸沢野営場

涸沢小屋 受け付けを済ませ、とりあえず割り当てられた大部屋に入った。われわれは二段ベットの上で、宿泊者が定員に満たないので、労隣の布団は空きになっていた。週末になるとおそらく、満員になるだろう。夕食は18時、朝食は弁当にしてもらった。

  
涸沢小屋            グンナイフウロ

  
小屋の近くに咲くニッコウキスゲ     涸沢小屋

夕食までには少し時間があるので、テラスに出てビールを飲みながら前穂高岳を眺めてくつろいだ。やはり気になるのはルートで、5・6のコルまでの雪渓を確認した。コルは直接見ることができないが、雪渓がコルまでつながっているようだ。小屋からだと雪渓の傾斜がよくわかる。予想通り、かなりの傾斜だ。雪渓が傾斜を増すあたりからアンザイレンで行くことに心を決めた。


涸沢小屋からの展望


涸沢小屋

予定通り18時に夕食が始まった。我々は2巡目だった。向かいの3人グループは明日、前穂から岳沢に下山するとのこと。前穂あたりで再び会えるかもしれないと話しながら、ご飯とみそ汁をお代わりしてお腹いっぱいになった。その後談話室で岡崎から来たご夫婦や、富山からきた人たちを談笑しながらしばしの時間を過ごした。われわれが岩稜を登攀するといったら、そんなルートあるのですかという返事が返っててきた。重装備の登山者は我々のみで、異質な存在だったようだ。明日は4時出発なので、8時前に布団に入ったが、寝苦しいので何度も目が覚めた。やはり2階の2段ベットの上は蒸し暑かった。もう少し早く受付をすると下の布団になったのではないだろうか。

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