小同心クラック@八ヶ岳 2012年6月23日・24日 ホーム |
■小同心クラック@八ヶ岳 2012年6月23日24日 No.678 とっちゃん、隊長、うさぎ
山行計画は当初、6月16,17日に設定したが雨で流した。ツクモグサの見頃はこの時季だが、雨ではクライミングが出来ないので今回の山行となった。初日は自宅から登山基地のなる赤岳鉱泉までの移動で、所要時間は7時間ほどかかるので、ゆとりを持たせて出発したかったが仕事の都合で、ぎりぎりの時間になってしまった。 アプローチ さてアプローチだが、車高の高い車なら美農戸まで入った方が楽だが、駐車場に空きがあることと料金(1000円/日)がネックになる。午後になると下山者の車が出るので駐車場に空きができるが今回は、悪路を避けて美農戸口から歩くことにした。所要時間は50分。美農戸口から赤岳鉱泉まで約3時間の行程で、標高差もそれほどないが、クライミング装備のテント泊となると荷物はかなりの重量になる。1泊2日なので水と食料は軽量化できるが、基本装備だけで18キロを超える。 美農戸口の出発が15時18分になった。普通に歩くと赤岳鉱泉到着が18時30分だ。ゆとりのない山行だが、日没が遅いこの時期は7時くらいまではヘッデンなしで行動が出来るし、涼しい時間帯なので体力も温存できる。美農戸から林道を1時間歩き登山道へ入る。この時間になると行き交う登山者もほとんどいない。我々と同じ赤岳鉱泉を目指す若者二人組と抜きつ抜かれつ目的地を目指した。 赤岳鉱泉 予定通り6時半過ぎに赤岳鉱泉に到着。野営場はテントの花盛りで盛況だ。このテントは場は登山口から近いのでテント泊入門的なところだ。最近、野営場に若者が多くなってきたのは喜ばしいことだ。到着が遅かったのでいい場所は残っていなかったが、とっちゃんの交渉で小屋前の木製縁台に張らせてもらった。 バリエーションやクライミング山行に備え、テントを軽量化重視で新調したばかりで、今日がシェークダウン。1層構造で不安はあるが、何しろクライミング装備がメインになり宿泊装備は二の次になってしまう。今日の装備、いつもより軽量化できたので満足していたら、マットがパッキングもれ。やれやれ。 とっちゃんは小屋泊で、到着が遅れたのでお風呂と食事を遅らせてもらったのでお風呂にも入ることができた。宿泊以外はひとり1000円と料金は高めだが、山中でのお風呂はありがたい。テントに戻り食事を済ませると8時を過ぎていた。シュラフに潜り込み目を閉じた。 2日目 3時を過ぎるとあちらこちらのテントで食事の準備が始まる。我々は5時出発と決めていたので4時に置き食事の準備を始める。食事といっても、味噌汁とシーチキンサラダ、ボイルウインナー、昨夜のα米(ドライカレー、赤飯)の残りとシンプルだ。簡単に食事を済ませて、クライミングギア類のチェック。ダブルロープ50m×2、ヌンチャク8、スリング7、カラビナ類7、キャメロット2が共通装備、後はハーネス、セルフビレイ用具、ATC、ヘルメットなどの個人装備。共通装備重量だけで7キロを超え、すべて自分が背負うので、ザックの重さは10キロを下らないだろう。 予定通り赤岳鉱泉を5時に出発できた。男性二人組とほぼ同時の出発になりルートも同じようだ。その後ろに男女3人組が続いている。とっちゃんの話だと、小屋泊の数人のグループが先行しているはずとのこと。どのグループも区切りのいい時間に出発しているようで、ルートの待ち時間が懸念された。 大同心稜への分岐点には「大同心沢」とかかれた道標が設置されている。沢筋を少し進み尾根に取り付く。踏み跡がしっかりとしているので迷うことはないだろう。シラビソの原生林の急坂をぐいぐいと高度を上げていく。目覚めたばかりの身体が悲鳴を上げている。赤岳鉱泉から大同心の基部まで、標高差は500mある。ダケカンバが見られ始めると正面に大同心が、右手に小同心が見えてくる。この二つが衝立のように行く手を阻んでいて挑戦的だ。 前回来た時は、大同心が盛況だったが今日は誰もいなかった。小同心の方を見ると、先行している2グループはすでにコルに到着しており、7人のグループはトラバース道にいた。7人グループは2,3パーティーに分かれるので、少なくとも5パーティー待ちになりそうだ。大同心ルンゼのトラバース道は多少残雪があったが問題なく通過できた。
小同心のコルに到着して時計を見ると6時40分、ここまでは順調にきているが待ち時間の予想がつかない。もう10分早く出ていればと悔やまれた。結局2時間待ちになってしまい。登り始めることには寒さで足がガタガタ震えていた。7人グループの一人に見覚えがあり、声をかけると昨年、藤内壁の一の壁でご一緒したFさんだった。類は友を呼ぶというが、こんな所に来るのは限られた人のようだ。
1ピッチ目はセカンドの10m後について登り始めた。後ろにつける場合、テラスからの落石があるので注意が必要だ。小石がヘルメットにあたりコンと跳ねる。壁はかなり立っているが、ホールド、スタンスともに豊富にあるので不安のない快適な登攀だ。岩に掛けたスリングと古いハーケンで支点をとり、ロープを伸ばしていく。1ピッチ目は40mくらいだろう、二本のロープを引いているので、かなり重く感じた頃にテラスに到着した。ところが先行者が3人、まだテラスで登攀の順番を待っていた。仕方がないので、終了点の手前の岩にスリングを掛けセルフビレイし順番待ちをする。無線でセカンドに15分待ちを指示。1ピッチ目の登攀で少し体が温まったが、また冷えはじめた。ツクモグサやイワウメ、ハクサンイチゲが絶壁に咲いていた。 我々の後続に2グループほど来ているので、テラスの先行者が一人になった時点で、セカンドのうさぎととっちゃんを5m間隔でスタートをかけた。後続のベテランご夫婦も、とっちゃんのすぐ後ろにつけてきた。効率よく登りたいが、先行グループが捗らない。次のピッチでもまた10分以上の待ち時間が発生。 | ページ1 | ページ2 |
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