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2011年11月26日27日 (迷岳、白倉山、古ガ丸山@台高)   ホーム

 

迷岳、白倉山、古ガ丸山(台高@三重県)2011年11月26日27日 No.634utty、隊長
〜三重県の山ルートチェックとテント縦走の楽しみ〜
11月26日 飯盛コース登山口268m(9:40)〜(11:06)尾根の鞍部(11:18)〜(11:55)前衛峰P809(12:05)〜飯盛山P930()〜P1079(14:00)〜(14:55)迷岳1309.1m(15:10)〜野営地「柚木平」P1285m(16:00) ルート図
11月27日 野営地(7:00)〜()大熊谷の頭P1190m(8:30)〜(10:20)白倉岳1236(10:35)〜(12:15)古ガ丸山(12:36)〜P1056「奧芋口」(13:10)〜P971(13:35)〜清治山(13:40)〜P865「柁山」三角点(14:00)〜犂谷公園登山口168m(15:00)
校正の締め切りが迫ってきた。ならば、まとめて一気に取材。だけではおもしろくないので、「台高のミニ縦走をテント泊で」というオプションをつけた。天候に恵まれ、晩秋の台高を満喫できた。移動性高気圧に感謝。

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プロローグ ガイドブック掲載の台高の2山のコースチェックに出かけた。晩秋の台高は彩りをなくし冬の装いに衣替えていいた。高気圧に覆われ穏やかの天候に恵まれ、気持ちのよい稜線歩きができた。今回は日程を二日確保できたので、ゆとりを持たせてテントミニ縦走というオプションをつけた。
 さて行程だが、迷岳に関しては飯盛コースを、古ガ丸山に関しては尾根コースをチェックしておきたかったので、飯盛コースで迷岳に上がり、尾根通しで大熊谷の頭、白倉山、古ガ丸山と歩き、尾根コースで下山することにした。逆コースも考えたが、お荷物を担いで飯盛コースを下山に使いたくなかった。

アプローチ 初日は工程的にもゆとりがあったので、大台町からすき公園駐車場8時30分集合にした。水洗トイレ、着替え部屋、東屋、駐車場、案内板が整備され、登山口としては申し分なしだが、駐車場が狭いのが課題だ。案内板も大型のものが設置され、写真とコース案合図が描かれていた。大々的に「大熊三山登山コース」が紹介されていた。ハイキングコース的な印象を受けるが、距離も長く、白倉山から古ガ丸山の間は難路であることを事前に知っておくべきで、ある程度の山歩きの経験が必要になる。uttyを待っていると、鈴鹿からの3人グループが到着し準備を始めた。話を聞くと今日は、古ガ丸山をピストンするとのこと。ガイドブック「三重県の山」で調べたと言っていた。「今日はコースチェックに来ました」と言うと、「ご苦労様です」と返事が返ってきた。嬉しいと同時に責任を感じた。

   
犂(からすき)谷公園Pに一台デポ       飯盛山

からすき公園 しばらくするとuttyが到着した。聞くところによると、どうも腰を痛めているようだ。状況によっては引き返すこともありうるので、私の車をここにデポし、uttyの車で登り口のスメールに移動することにした。国道422号線で湯谷峠を越えると飯高町に至るが、大周りになるので、思った以上に時間がかかった。移動やら準備やらで1時間をみておく必要があるだろう。

  
飯盛コース登山口     ここから山腹の急登が始まる

飯盛コース登山口前には広い駐車場がある。登山者のためだけではなく、スメールを中心にレジャー施設があるので便宜をはかったものだろう。すでに2,3台の車が停まっていた。準備をして9時40分に出発した。

  
傾斜のきついところには固定ロープが張られている

体力度&危険度 さて飯盛コースだがなかなか手ごたえのあるコースだ。「三重県の山」では56山を紹介しているが、体力度3、危険度3にランクされているのは3山しかない。度数の目安は、体力度3は「6時間を超える歩行時間を要し、1000mを超える標高差があるコース」危険度3は、「困難な岩場の通過があり、転落や滑落、落石の危険が高いコース」としている。飯盛コースは岩場の通過が3か所ほどあり、累積標高差は1297mとなっている。登りの時間は3時間30分を見積もっているが、今回のようなテント装備で休憩時間を含めると、4時間以上を見積もった方がいいだろう。

   
大汗かいてやっと尾根に乗った  蓮川を俯瞰する

テント装備 登山口を入り、唐谷の左岸をしばらく歩くと尾根に上がる道の分岐に差し掛かる。案内があるので見落とすことはないだろう。先ほど蓮川にかかる橋の上から天を突くような飯盛山を見上げたが、登りの厳しさは誰しもが想定できたはずだ。この分岐から稜線に上がるまでが山腹の厳しい登りになる。こう配がきついところには固定ロープが設置されている。テント縦走の場合、水の確保が課題で、気温の高い低いにもよるが、給水個所が不明の場合は2日分の水を担ぎ上げなければならない。地形図をよく見ると、谷が尾根近くまで伸びているので給水は可能だが、どこまで降りなければならないかは季節にもよる。今回は冬場であり、水の消費も少ないとみて二日分で4リットルを持参した。


蓮川を俯瞰する。高度感がある

岩場 話はそれてしまったが、お茶も含めると水分だけで5リットルとなり、重い装備が身体に堪えた。2回ほど休憩を入れやっと、尾根の鞍部に登りついた。樹間から蓮川流域を俯瞰すると、かなりの高度感がある。
さてここからしばらくは、やせ尾根の岩場の急坂が何箇所かあり気が抜けない。岩場には固定ロープが張られているが、ロープはあくまでの補助手段で、特に荷物が重いときはなおさらだ。岩や木の根にしっかりとしたスタンスやホールドを見つけての3点支持が基本だ。


岩場の登が何カ所かある。大荷物を担いでいるのでロープをつかんでも振られないように。

   
痩せ尾根の岩場の登攀

   
痩せ尾根の岩場    樹間から三峰山が

前衛峰 最初のピークが前衛峰P809で、次のピークが飯盛山だ。標高差にすると150mほどだが、この間が難路になっている。飯盛山を過ぎると尾根の傾斜が緩むが、今度はシャクナゲの灌木帯に入って行く。大きい荷物がシャクナゲの枝にひっかかるので歩きにくくなる。P1079を過ぎたところが唐谷分岐だ。朽ちかけた案内があるだけだが、植林帯を緩やかに下って行くルートは明確だ。


樹間から見る高見山


前衛峰を振り返る

迷ケ岳 さてここから標高差約200mを登ると山頂に到着するが、疲れた足腰に重い荷物が堪える区間だ。肩で息を吸いながら一歩々高度を上げていく。14時55分、ようやく山頂に到着した。二等三角点の記によると、点名は「迷ケ岳」で標高は1308.78m。過去の記憶を手繰り寄せてみると、自身7度目くらいの山頂になるが、登路が険しいだけに何度登っても感慨深い。今日は穏やかな山頂でザックを下して座り込んだ。天を仰ぐと、吸い込まれそうな濃紺の青空を背景に、葉を落としたブナの枝が幾何学模様を描いていた。

  
やっと到着。迷岳1309.1m


山頂の三角点にて


山頂のブナと吸い込まれそうな青空

  
稜線の夕暮れ        度会の山なみ

柚子の木 山頂で15分ほどくつろぎ、尾根伝いに西へ緩やかに下って行った。ブナ、ミズナラ、ヒメシャラ、カエデ、シデなどの落葉樹林が続く尾根道は、歩いていると気持ちがいい。布引山の分岐点あたりを野営地にしようかと思ったが、その手前の日の出が見られそうな柚子の木平P1285付近でテントを張ることにした。水を持参しているので、やわらかなブナ林の平坦地があればどこでもOKだ。時計を見ると16時になっていた。


野営地。ブナの落ち葉のベットは寝心地がよかった

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