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2011年10月8日9日 横尾本谷&天狗池(穂高@北アルプス)   ホーム

 

横尾本谷&天狗池(穂高@北アルプス)2011年10月8日9日 No.628 utty、とっちゃん、隊長、うさぎ 〜黄金色に輝く横尾本谷右俣カールと錦秋の天狗池〜
10月8日 鈴鹿(3:30)〜平湯アカンダナ駐車場(7:30)〜上高地(8:00)〜明神(9:00)〜徳沢(10:05)〜(11:13)横尾(11:38)〜(12:42)本谷橋(12:53)〜涸沢分岐(13:40)〜キレット左俣分岐(14:30)〜右俣カールビバーク地(16:20) GPSによる沿面距離16km、累積標高+1300m
10月9日 右俣カールビバーク地(5:20)〜(7:53)横尾尾根のコル(8:32)〜(9:37)天狗池(9:25)〜槍沢登山道合流(10:09)〜水俣乗越分岐(11:00)〜(11:23)ババ平(11:42)〜(12:04)槍沢ロッジ(12:15)〜(13:27)横尾(13:36)〜(14:27)徳沢(14:40)〜(15:26)明神(15:41)〜上高地(16:30)〜平湯アカンダナ駐車場(18:00)〜鈴鹿(22:30) GPSによる沿面距離22km、累積標高+1300m-2100km

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プロローグ 例年この時季の涸沢は、錦秋を楽しむ登山者で賑わう。昨年は紅葉が良かった年で、この季節の山岳雑誌には昨年の写真が多く使われていた。涸沢といえば紅葉、が連想されるように、初心ならずとも岳人にとってもあこがれの地である。 しかしこの時期の涸沢は混雑が予想される。賑わう涸沢の雰囲気もいいものだが、キャパシティーを超えてしまうと、宿泊やテントサイトの混雑、登山道の渋滞など、気を遣うことが多くなってしまう。そこで今回は少しバリエーションを入れたプランを計画した。

アプローチ 前夜泊で時間にゆとりを持たせたかったが、平湯アカンダナ駐車場は夜、ゲートが閉められるので入れない。また仕事の関係もあり、当日早朝発となった。3時30分に自宅を出発し、予定通り平湯アカンダナ駐車場に到着した。だい1,2駐車場は満車で、第3駐車場まで誘導される。3連休の初日とあって、バス停には長い列ができていた。これは想定内だが、一日目の行程にはそれほどゆとりはないので、迷わずタクシーに乗り込む。上高地まで4500円+道路料金往復分1500円。4人乗車なので5割増しになるが、アプローチにかかる時間短縮のための経費と解釈する。 結果的にはタクシーの選択が正解であったようだ。

  
上高地バスターミナル           岳沢と穂高連峰

タクシー利用のおかげで30分早く、8時に上高地を出発することができた。登山者にとっては8時の出発は遅い方だ。まずはカッパ橋まで行き、岳沢を見上げてみる。まだ雪は付いていないが、緑色が落ち晩秋の装いになっていた。さてまずは横尾まで単調な林道歩きをこなさなければならない。2週間前にも歩いているので、余計にそう感じてしまう。


梓川と明神岳

明神岳東稜 単調は林道歩きだが、気になるのは明神岳東稜だ。林道を進むにつれて角度を変えて見られるので、根張りの様子が地形的によくわかる。ひょうたん池がどのあたりかも予測できた。 この尾根は来年の課題になっているので興味深く観察できた。適度な休憩を入れながら各駅停車で徳沢に到着した。各区間1時間のペースだ。徳沢には10時に到着、キャンプサイトは大いに賑わっていた。また、梓川では猿軍団が、悠々と河原を歩き回っていた。そして、11時過ぎに横尾に到着。テントサイトも盛況だったが、驚いたのはトイレの列の長さで、横尾山荘の付近まで続いていた。


明神岳東稜

  
徳沢キャンプサイト          明神岳東稜

  
梓川の猿軍団            横尾のテントサイトも盛況だった


横尾大橋

本谷橋 さて、横尾大橋を渡ると登山道だ。横尾谷を挟んでそびえる屏風岩を見上げながら、登山者の列に入って進む。無理に追い越しても次に列に捕まるので、じたばたせずに人の流れに従う。コースタイム通り、1時間で本谷橋に到着した。さて、いよいよここからがバリエーションに入るので、10分ほどの休憩を入れ、気持ちを切り替える。先行者のグループが100mほど先で行き詰まったようで早々に引き返してきた。道を迷ったのかそれとも単純なルートファインドミスなのか、いずれにしろ思いつきで歩けるので甘くはない。このルートはキレット分岐までは基本的に、左岸の巻きがほとんどで、うっすらと踏み後が残っている。 ルートへ一歩踏み込むと2年前の記憶が蘇ってきた。行程的には前回よりも3時間ほど時間が後ろにずれているので、谷が日陰となっていたので撮影には向かなかった。

  
本谷橋で休憩しいよいよ横尾本谷へ

キレット分岐 最初のうちは巻き道ばかりでうんざりとさせられる。我慢しきれずに谷に降りるとまたすぐに巻き道に戻ることになる。これは前回の反省点だ。黙々と巻いて涸沢を左に見送り、徐々に高度を上げていく。水量が多いので登山靴では谷を歩けない。男女ペアを途中で追い越し、山岳警備隊を含むペアが降りてきた。またその少し先で男性単独者が降りてきた。左岸のガレ場を通過するとやがて、キレット分岐に到着した。このあたりは谷が広くて明るい。 ザックを降ろして一息入れる。見ているとキレットの方へ2人組が登っていった。北穂池を目指すのだろうか。左俣は大小の岩で埋め尽くされている急峻な谷だ。いかにも険悪そうに見える。

  
左岸のガレ場の巻きが多い

  
振り返れば屏風岩がそびえ立っていた   キレット分岐手前では谷が広く浅くなるが


キレット分岐手前


険悪な雰囲気が漂うキレット分岐

右俣 さて、われわれもここからが核心だ。ここから右岸に徒渉し少し歩いてから再び左岸に戻る。そして、まずは小滝の通過、向かって右側の3mほどの岩を登る。前回はダケカンバの枝が邪魔してザックがつかえたが、今回はロープに頼らずフリーで登り、スリンクで後続を引き上げた。7mm10mロープを準備してきたが必要なかった。ここは古いロープがフィックスされているが、ロープばかりに頼ると振られる。全員無事に通過。

  
キレット分岐からは谷が狭く深く、傾斜も急になる


核心部


右へ平へ渡渉しながら高度を上げていく

圏谷 さて小滝を通過すると圏谷の末端が見えてくる。水量も少なくなり歩きやすいが、濡れているところは良く滑る。所々に浮き石もあるが、岩はしっかりと安定している。滝口に向かって気持ちの良よく登っていく。圏谷の末端になっしと頃で谷歩きは終了。前回は9月下旬だったが、ナナカマドの色が鮮やかだったことが思い出された。

       
圏谷が近づくにつれ谷が険しくなってくる


最後の登り、これを越えるとカール末端に上がる


カール末端から流れ落ちる渓流

ビバーク 時計を見ると16時30分になろうとしていた。そろそろビバーク地を決めなければならない。明日の行程は長いので、少しでも高度を稼ぎたい気持ちだった。雪渓がなくなっていると水が取れないので、ここで給水することにした。とりあえず4リットル確保しハイマツ帯を越えようと思ったが、先行者のテントが見えたので、この当たりでビバークすることにした。設営適地が何カ所かあったので、それぞれが分散して設営した。


沢で給水しビバーク地へ。初日終了

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2011年10月10日 Copyright (C) 2011 k.kanamaru. All Rights Reserved.  home