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2011年9月10日11日 小同心クラック(八ヶ岳)   ホーム

 

小同心クラック@八ヶ岳 2011年9月10日11日 No.624 隊長、うさぎ
〜初級ルートだが、天に昇るような登攀は豪快だ〜
9月10日 自宅@鈴鹿(11:20)〜美濃戸(15:10)〜赤岳鉱泉野営場(17:20)
9月11日 赤岳鉱泉野営場(5:20)〜大同心稜〜大同心基部(6:20)〜大同心沢トラバース〜小同心クラック取付(7:00)〜小同心の頭(8:20)〜(8:50)横岳2825m山頂(9:20)〜地蔵の頭(10:10)〜地蔵尾根〜(10:35)行者小屋(10:45)〜(11:10)赤岳鉱泉(11:30)〜美濃戸(12:50)〜自宅@鈴鹿(17:00) 荘歩行距離13km 累積標高差1200m ルート図

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プロローグ 日帰りでも十分やれるコースだが、小同心を時間を気にせず気持ちよく登るために二日とした。二日といっても初日は、赤岳鉱泉までの移動に充てただけだが、初日に3時間を消化しておくと行程にゆとりが生まれてくる。さて小同心クラックだが、「チャレンジ!アルパインクライミング」で紹介されているルートで、ネットで検索するといくつかのレポートが見つかる。グレードがW程度の3ピッチほどの初級ルートだが、そそり立つ岩峰を天に向かって登るのは豪快だ。

アプローチ 今回は登攀当日の負担を少しでも軽減するため,前日に赤岳鉱泉まで入ることにした。午前中に所用を済ませ,昼前の11時に鈴鹿の自宅を出発した。逆算するとちょうど日没には赤岳鉱泉に到着できる予定だ。しかし,美農戸口から徒歩になるとヘッドランプを付けることになるだろう。四日市市内の事故による渋滞があったが,それ以後の高速道路は,湾岸川越ICから中央高速諏訪南ICまで順調に流れ,料金は休日半額割引で3250円になった。諏訪南ICから登山口となる美農戸口まではわずかな距離で大変アプローチがよい。美農戸まで入れるか懸念されたが,午後遅い時間ということもあり,美農戸まで車で乗り入れることができた。
 駐車場は1台分空いてますとのこと。ラッキーだった。因みに美農戸口から歩くと1時間のアルバイトが必要になるし,日没までには赤岳鉱泉に到着できないことが予想できた。美農戸口から美農戸までの林道は大変な悪路で,車を揺らしながらの低速走行を強いられる。時間に縛られ、しかも20キロの装備を担ぎ暑い中を1時間歩くことを思えば,2000円の駐車料金は安いように思われた。

   
1時間の林道歩き

美濃戸 準備を済ませ3時過ぎに美農戸を出発した。赤岳鉱泉が目的地なので北沢コースを進む。まずは前半部が林道歩き1時間。傾斜は緩いが20キロの荷物が徐々に体に効いてきた。テント泊山行は,8月中旬の八ツ峰山行以来,1ケ月ぶりだったので体がなまっていた。日没までに到着できればいいので,30分に一度休憩を入れ,体をクールダウンさせながら歩いた。北沢コースを歩くのは9年振りのことで,断片的な記憶しか残っておらず,林道の終点でミヤマオダマキが咲いていたことを思い出す程度だった。

   
林道の終点から沢筋の登山道に入る

林道が終わると沢コースとなる。水量が豊かな北沢を何度も渡り返しながら徐々に高度を上げていく。よく整備された登山道で,きれいな渓流を見ながら気持ちよく歩きたいところだが,やはり20キロの装備は身に応えた。 花は夏の盛りを過ぎ少なくなっていて、目につくのはトリカブト、ウメバチソウ、ヒメシャジン、コゴメグサの咲き残りくらいだった。


北沢コースの渓流


ミヤマトリカブト

赤岳鉱泉 テント設営後うさぎが先にお風呂に入りに行った。お風呂のある小屋は珍しく,登山者にとっては大変ありがたい。因みに入浴料は1000円。テント設営料はアルプスなどの一般的な野営場よりも高く,一日一人1000円だった。テント受付時に,明日の朝は8時半にヘリがくるからそれまでに撤収してほしいとのことだった。さてお風呂に行こうとしたところ,入浴時間は6時までだそうで,アウト。残念。テントに潜り込み,夕食の準備を始める。メニューは味噌汁,お魚ハンバーグ,さんまのかば焼き(缶詰),野菜サラダ,おにぎりで夕食を済ませ,明日に備えて19時にシュラフに潜り込んだ。

   
赤岳鉱泉と野営場に設営したいつもの我が家         小屋にある案内図

 

二日目(9月11日) 4時のアラームで目を覚ます。味噌汁とアルファ米の五目ごはんで朝食を済ませる。朝からヘリが来るそうなのでテントを撤収し,不要なものをスタッフバックに入れ,木陰にデポした。準備を済ませ登攀具をザックに入れて出発準備完了。ロープ9.5mm50mシングル,登攀具,水,食料,雨具,ソフトレイアが入ったザックは軽く10kgを超えている。

   
大同心沢分岐の標識

大同心ルンゼ さて小同心までのアプローチだが,まずは大同心稜で基部まで高度を上げる。赤岳鉱泉からまず,横岳方面に200mほど進み,大同心稜の標識でバリエーションに入っていく。一般登山道ではないので、入り口にはロープが張られていた。はっきりとした踏み跡が大同心基部まで続いているので,ルートミスすることはないだろう。赤岳鉱泉の標高は2200m,大同心の基部は2700mなので,標高差500mを一時間の登りでひと汗流した。


大同心稜の上部は険しくなる

大同心稜は苔むしたシラビソの原始林で,上部に行くほど傾斜が増してくる。樹林が途切れると正面に大同心の正面壁が見え隠れしだした。ダケカンバ帯に入ったかと思うと岩場の急登となり,大同心の基部に到着した。すでに先行の数名パーティーが正面壁雲稜ルートに取り付いていて,ラダーをぶら下げユマールで登っていた。いざとなればA1で突破か?。基部から正面壁を見るとほとんど垂直の壁に見え,グレードは5.9クラスだ。万年初級の私は,セカンドならぎりぎり登れそうだがリードではとても無理だ。

   
大同心と小同心を見上げる(左:両方  右:小同心、気になるのは傾斜)

    
大同心正面壁を登る数名のパーティー

   
大同心沢            大同心沢のトラバース

大同心沢トラバース 雲稜ルートを尻目に小同心のコルへのトラバースにかかる。大同心の南鐐ルートまではしっかりとした踏み跡があったが,大同心沢の草付きの急斜面は踏み跡は薄かった。弱点を見つけて適当に這い上がり,7時に小同心のコルに到着した。先行しているパーティいないようだし,後続もないようなので,落ち着いて準備を進めた。少し風があり,じっとしていると肌寒むかったので,ソフトレイヤーを重ね着するか迷ったが,着膨れしたくなかったので却下。

   
草付きのトラバース、踏み後は不明瞭  トラバースから迫力ある岩壁を見上げる

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