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2010年5月8日 日出ケ岳(大台ヶ原山)

 

日出ケ岳(大台ヶ原山)2010年5月8日9日 No.545 じんじんさん、uttyさん、りんちゃん、つくだにさん、隊長
〜ロングコースの尾鷲道で日出ケ岳へ再び〜 前回2010年3月22日23日の記録
【2010年5月8日】
栃山林道駐車地808m(9:07)〜(10:00)地蔵峠1001m(10:10)〜(10:55)古和谷廃道分岐(10:55)〜(11:32)神明水(12:00)〜新木組峠(12:18)〜(13:12)木組峠(13:24)〜一本木(13:38)〜(14:07)マブシ平(14:15)〜(14:50)マブシ嶺(15:12)〜雷峠(15:18)〜マブシ峰1410m(15:28)〜P1352(16:00)〜野営地(16:28) map 歩行距離 12km 累積標高 +1100m *GPSデータによる カメラ Lumix G2
【2010年5月9日】
野営地1330m(5:00)〜堂倉山分岐(5:40)〜尾鷲辻1579m(6:10)〜正木峠(6:51)〜(7:05)日出ケ岳1694m(7:30)〜(8:10)大台荘の取材(9:15)〜尾鷲辻(9:41)〜(10:40)堂倉山1471m(10:53)〜(11:20)野営地(12:00)〜P1352(12:15)〜(12:51)マブシ峰1440m(13:02)〜マブシ嶺1410.8m(13:14)〜一本木(14:02)〜(14:22)木組峠1196m(14:37)〜新木組峠1188m(15:08)〜(15:26)神明水(15:38)〜(16:11)又口辻1162m(16:19)〜(16:44)地蔵峠(16:57)〜駐車地808m(17:37) 歩行距離22km 累積標高 +600m -1100m

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プロローグ 本年2度目の尾鷲道からの日出ケ岳登山となった。もう少し緑が濃くなる季節を待ちたかったが、日程調整の結果この日となった。しかし二日間とも、申し分のない五月晴れの好天に恵まれ、ロングコースを不案内ロングコースを歩くことができ、幸運であった。前回は、出発日の朝に前線が通過したため、出発を遅らせざるを得なくなり、一日目に距離を稼ぐことができず、二日目にそのしわ寄せがきて、行程が距離23kmとかなりきつくなってしまた。今回はその反省から初日に堂倉も手前まで駒を進めることにした。

アプローチ 道の駅「海山」8時15分の集合とした。今回の参加者は5名で、滋賀のじんじんさんよりも、四日市、津組の方が時間がかかったようだ。2台の車に分乗し、広域基幹林道栃山木組線を登っていった。前回も触れたように、比較的よく整備されている林道で、橡山北側の水無峠手前まで舗装されている。所々に落石があるが、通行に支障はなかった。未舗装になってからも峠を越えて、2キロほど走行できるが、石によるタイヤの損傷にはくれぐれも注意が必要だ。最近の車はスペアタイがなく補修材で応急措置をするようになっている。タイヤが石で切れると補修キットでは直せない。林道の延長は車が入れる所まで、入り口から10kmある。ゆっくりと走ると車でも40分かかる。これを歩くとなると、標高差約800mあるので、それなりの覚悟が必要だ。

     
道の駅「海山」から見る橡山        水無峠から見る県境稜線とマブシ嶺


駐車地から荒れた林道を50分ほど歩く

地蔵峠 水無峠を過ぎ、しばらくは車で走行可能で、徐々に落石が多くなり2キロほど進んだ清五郎滝の下降点あたりまで入ることができる。路肩に車を駐車した。今回も先客はいないようで、とりあえず駐車地の心配はいらない。この先にかなり大きな駐車スペースがあるが、残念ながらそこまでは入れない。食材がしっかりと詰まったザックを担ぎ歩き出す。約50分かけて200mの標高を稼ぐ。首筋を汗が伝い始めた頃に地蔵峠に到着した。一日目は少しゆとりを持たせているので、たっぷりと休憩を入れることにする。尾根の切り通しを古和谷側へ抜けもう一度切り通しを戻ったところが地蔵峠だ。日陰に入り休む。

     
地蔵峠にて

又口辻 登山道は尾根にあるので、林道から這い上がる。登り口は急登だが、尾根に乗ると緩やかな登山道となり、じわじわと高度を上げていく。最初に目に付くのが、廃道になっている古和谷分岐だ。このルートは廃道になっているらしいが、まだ確かめていない。又口辻という表記も間違っているようで、zippさんが修正してくれた。分岐しないので意味がなくなっている標柱だが、標柱があるのを口実に休憩を入れることにした。まるでローカル線の各駅停車だ。又口辻はこの先10分の所だ。

     
廃道古和谷ルート分岐標柱          中の嶺のトラバース道

中の嶺 又口辻を通過すると中の嶺の東面のトラバース道となる。標高は1100m辺りまで上がってきている。しっかりとした道型であるが、あまり歩かれていないらしい。落葉樹林帯で雰囲気がよく、シャクナゲの群生地があり、日当たりの良いところではすでに花が咲き始めていた。何度も小谷を横切るが、有志による丸太端が2カ所あり、そのうちにひとつは通行が危険で、じんじんさんが渡る際に「バキッ」という音がした。渡らない方がいいだろう。また、自然石を使った石積が何カ所あり、生活道路としてかなり使われていたようだ。このトラバース道はかなり長く、又口辻から新木組峠までは約50分の距離だ。又口辻から30分の所に神明水がある。

神明水 心配されて神明水だが、給水には十分な水量があった。今回は大台ヶ原の各施設が営業を開始しているので、明日の朝までの水を確保すればよく、足りない分は山上で補給できる。二日間この水を生で飲んでいたが、特に異常はなかった。ただし雨の少ない季節は、水流がかなり細くなり、給水に困ることがあるらしい。

     
神明水


神明水で給水

新木組峠 神明水から約20分で新木組峠に到着した。ここで県境稜線に乗ることになる。風通しが良く休憩には最適だ。本日は先を急ぐ行程でもないので、重いザックをおろして休憩を入れた。


新木組峠にて

さて新木組峠からは県境稜線を辿る。道は稜線の西側の斜面に付けられていて、少しでも起伏の少ないように工夫されている。しかし、木組み峠までは、崩壊地検が何カ所かあるので、多少のアップダウンを覚悟で展望の良い稜線を歩いた方がいいだろう。ブナ、ヒメシャラ、ミズナラなどの樹林が続き、所々にコバノミツバツツジやオオカメノキの花が、芽吹き前の赤茶けた稜線に彩りを添えていた。


新木組峠あたりからみる大台ヶ原山とマブシ嶺


背景は大峰山脈

    

木組峠 展望や花を楽しみながら歩いているうちに木組み峠に到着した。撮影しながら歩いているので所要時間は50分ほどかかった。さてここで、持参したプレートを設置することにした。朽ちるまで、登山者の役に立って欲しいと願う。ザックをおろし10分ほど休憩する。木組み峠の南のピーク東に尾根が派生している。尾根の途中に1104の標高点があり、これが光山というらしい。尾根北側の谷は光谷だ。

    
新しく設置したプレート         木組峠にて

野営適地 木組峠から50分ほど進むと、「一本木」に到着する。両側から谷が迫り、痩せ尾根となっている。同類の立派は標注が立てられている。特に意味のある箇所でもなさそうだが。プレートが外れかかっているので補修が必要だ。尾根の正面にはピークが突き上げているがこれは西側に巻道がある。このピークを過ぎた辺りは広がりのある尾根にで、野営適地といえる。前回はここを野営地とした。名前はないようなので、とりあえずは、「マブシ平」とでもしておこう。シナノキの巨木の木陰で、マブシ嶺への急登に備え一本入れることにした。


一本木

マブシ嶺 さて、ここからは標高差200mの急登だ。前回は空荷で上がったが今回は、ザックの重みがずっしりと肩にかかってくる。とにかく自分のペースで登ることだ。15時前にマブシ嶺に到着した。新しい地図には「コブシ嶺」と書かれているが、古い絵地図を見ると、「マブシ嶺」と書かれている。東側から「光谷」が突き上げてきており、光の字からの連想(日光が眩しい)だろうか。この少し北側が雷峠といい、どうやらこの辺りは「光りもの」とかかわっているのか?山頂は360度遮る物が無く、西には大峰山脈、東には熊野灘が眺望できる。また、西面は崩壊地となっている。樹木がないので今後、崩壊が進むだろう。


マブシ嶺


マブシ嶺西斜面に咲くコバノミツバツツジ


マブシ嶺への登り


マブシ嶺からの展望   中の嶺の山並み


マブシ嶺への登り

     
海山の海岸線             尾鷲湾と尾鷲の町


稜線のコバノミツバツツジ

 雷峠から少し登り返したところのピークには、「コブシ峰」とかかれたプレートが木にかけてあった。絵図を原典とすれば、ここは「マブシ峰」と言うことになるが、「峰」と「嶺」に違いはあるのか?GPSの数値を見てみるとマブシ嶺よりも30mほど高く1440mとなっていた。


マブシ峰への登り 背景はマブシ嶺

     

シャクナゲ坂 マブシ峰のピークを過ぎると徐々に高度が下がり斜面はホンシャクナゲの群生地となっている。登山道は尾根西側の巻き道で、起伏も少なく歩きやすいが、シャクナゲを見たいなら尾根芯を歩いた方がいいだろう。しかしこの辺りから尾鷲辻にかけてはシャクナゲが多くなってくる。シロヤシオの老木も随所で見られ、ホンシャクナゲは咲き出したばかりなので、これからの楽しみだ。


シャクナゲ坂のシャクナゲ 残念ながらつぼみでした


オオカメノキ

野営地 さて野営地だが、この先のP1362を過ぎた辺りにテント張ることにした。近くに水場があればいいが、今回は神明水で水を補給している。しかしどこかの谷を少し降れば水は確保できそうだ。時計を見ると16時30分になってきた。皆さんテント泊のベテラン揃いなので、あっという間に設営が終わり、持ち寄った食材で充実した団欒の時間を過ごした。

    
野営地のテント                 日没 行者還


野営場の夕暮れ

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