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マブシ嶺(尾鷲道)2009年12月23日 No.521  uttyさん、隊長
〜栃山林道からマブシ嶺まで〜
熊野(7:10)〜海山道の駅(8:10)〜栃山林道駐車地(9:04)〜地蔵峠(9:51)〜又口辻(10:25)〜神明水(11:11)〜新木組峠(11:41)〜木組峠(12:11)〜一本木(12:41)〜(13:27)マブシ嶺1410.8m(14:07)〜一本木(14:36)〜木組峠(14:48)〜新木組峠(15:30)〜又口辻(16:30)〜地蔵峠(16:43)〜駐車地(17:16)〜林道入り口〜海山道の駅(18:00)〜鈴鹿自宅(20:00) 歩行距離17.5km、累積標高+-1000m コース

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県境稜線 さて、新木組峠からは、道路で言えば本線になる。県境稜線をたどれば大台ヶ原まで行き着く。マブシ領の向こう側には、雪化粧をした大台ヶ原が見えていた。尾鷲道は尾根の西側の付けられているが、尾根芯を歩いて行っても問題はない。ただし多少のアップダウンはあるので、尾鷲道を忠実にたどればいいと思うが、木組峠までの間には3カ所ほど崩壊地点があるので注意が必要だ、通過はできるが、心配なら大きく巻かなければならない。ならば尾根芯を歩いた方がいいということになる。往路は山腹を帰路は尾根芯を歩いた(GPSの軌跡参照)。

  
山腹道の崩壊          大峰釈迦ヶ岳


稜線から見るマブシ嶺と大台ヶ原

  
雰囲気のいい尾根芯を歩く

木組峠 木組峠周辺は尾根が広がっていて、マーキングテープが少なく、ルートも曖昧になっていた。相変わらず尾鷲道は西側の山腹道だが、峠から西に下りている谷が削られていてわたれない。そこにも木に巻かれたテープに「木組峠」と書かれていた。この峠も主要なポイントになるので標柱を探したが見つからなかった。多少のアップダウンはあるが尾根芯を歩いた方がいいだろう。


木組峠


ブナとヒメシャラの尾根


この巨木はアカシデだろうか

一本木 木組峠からの尾鷲道は、標高点1245を西側を巻くルート設定になっている。起伏もなくマーキングもしっかりとしていて歩きやすい。尾根芯を進んでもいいが標高50mほどの登りになり、尾根芯には大きな岩がでんと座り、邪魔をしている。これから先は尾根が痩せていき、一本木と呼ばれるところを通過する。ただの痩せ尾根の鞍部だが、名がついている所であることを考えると、地理的に何か意味のあるポイントなのかもしれない。

  
一本木の標柱             食い込んだワイヤー

一本木を過ぎると標高50mほどの登りとなり、台地状に尾根が広がった所に出る。ルートも曖昧になるが、方向さえ間違えなければ、どこを歩いてもいいだろう。水場はないだろうが、ふかふか落ち葉絨毯の上でテント泊するのもいいだろう。ここまで来ると樹間からマブシ嶺が間近に迫ってくる。


マブシ嶺を見上げる

マブシ嶺 帰路は、暗くなるまでに林道に下りたいので、マブシ嶺に届かなくても、いくら遅くとも14時には折り返す必要があった。時計を見ると13時前だ。標高200mの登りが待っている。ここまでは標高1200m前後をアップダウンしながら尾根を歩いてきたが、ここで一気に1400mまで高度をあげる。
 13:27、マブシ嶺に到着した。休憩時間は30分とれそうだ。お湯を沸かしカップ麺を作る。おにぎりを一個作って持ってきた。シンプルなメニューだが、これで十分だ。マブシ嶺は広場になっていてヘリポートのようだ。展望はいいが風があるので東斜面に移動し、尾鷲湾をもながら食事にした。ここからは360度のパノラマを満喫できる。遠くに雪を抱いた大峰の山々を北から南まで見渡すことができる。大台ヶ原も手の届くところになる。春になり日が長くなれば、十分往復ができるだろう。今年の夏に新穂高温泉から双六岳を往復したが、そのときは28キロ、+-2100を12時間で歩けた。橡山林道を利用すれば24キロ+-1500mくらいだから、うまくいけば10時間くらいで歩けそうだ。
 標柱には「コブシ峰」と書かれている。ちなみに昭文社の地図にもコブシ嶺と記されている。「峰」と「嶺」の違いはなんなんだろう。地名などは人の社会で引き継がれてきた文化の一つなのかもしれない。時とともに変わっていくものだから、これが正解と言うこともないだろう。松浦武四郎の乙酉(いつゆう)掌記には、「マブシ嶺」となっている。いつのころからか、「マ」を読み違えて「コ」になったのか。マブシ嶺の南には「中の岳」と書かれている。これは木組峠の北側の1245mのことだろうか、それとももう少し南の1297.4だろうか。
 それ以前の文献となると、絵図がある。幕府がそれぞれの藩に命じて作らせたもので、1700〜1800年代に書かれたものだ。絵図も改訂やら写しやらたくさんある。ちなみに伊勢国掌覧之図を三重史より引用してみる。
 時計を見ると14時を過ぎている。もう引き返す時間だ。往路に4時間半をようしている。帰路は急いでも3時間はかかるので、途中でヘッデンの世話になるかもしれない。荷物を片付け、マブシ嶺を駆け下りた。


マブシ嶺


マブシ嶺から熊野灘を見渡す

  
尾鷲市街地


歩いてきた稜線を振り返る


尾鷲湾


マブシ嶺から見る大普賢岳(中央)と山上ガ岳(右奥)

神明水まで降るとあたりが薄暗くなってきた。ヘッデンの準備をする。又口辻からは道がよくなるので、トレランで地蔵峠まで駆け下りた。登りは30分かかっているのに、下りは10分だった。16:37に林道に降り立った。これで暗くなっても大丈夫だ。ゴツゴツしていて、むしろ登山道よりも歩きにくい林道をとぼとぼと歩き駐車地に戻った。 完

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