■笠ヶ岳(北アルプス)2009年8月23日 No.503 隊長 | ページ1 | ページ2 | プロローグ ガイドマップで時間を計算すると、登り7時間30分、下り6時間、合計所用時間は14時間30分となっている。笠ヶ岳は今回、4度目の登山となった。過去の実績を見ると、テント装備18キロを担いで、休憩と撮影時間を含めて、登りにはだいたい7時間を要している。装備を軽くすれば時間は短縮できるだろうが、ただひたすら歩くのも芸がないので、写真撮影と眺望を楽しむ時間は確保した。従って、カメラはα900とレンズを3本持参した。カメラ装備だけで2キロになるが、これは譲れない。今回は4回目でもあるので、プランは、5時に出発して17時に帰ればいいという、安易なものだ。決してタイムトライアルをするつもりはない。 アプローチ 前夜9時に自宅を出発した。国道23号線、東名阪、名古屋高速、東海北陸道と乗り継ぎ、新穂高温泉に23時に到着した。深夜のドライブインが賑わっているのは、高速道路の特別割引が始まってからのことで、この日も長良川SAは車で溢れていた。新穂高温泉に無料駐車場に予定通り到着したのはよかったが、駐車場に全く空きがなかった。2度確認したが路肩にもスペースを見つけることができなかった。とりあえずは路肩に車を停め、朝まで仮眠することにした。携帯のアラームで4時過ぎに起きて、少しもったいないがロープウェイの有料駐車場を利用することにした。料金は6時間500円なので、12時間でも1000円。安心できるし少し距離を短くできるので、利用することにした。ただし泊を伴う倍は、料金がかさむので考えものだ。ほとんどが1泊以上するので、土曜日の夜は空きがないということだろう。 出発 5時に有料駐車場に車を移動し、準備をして歩き始めた。軽量の登山靴を使うか、トレッキングシューズを使うか迷ったが、急な下りのことを考え登山靴を選択した。下りを我慢するなら、トレッキングシューズの方が断然有利だが今回は、タイムトライアルをするつもりはない。笠ヶ岳分岐までは約1時間の林道歩きがある。上高地から横尾までの林道歩きと比べるとずいぶん気分が楽だ。少し早足で歩いて、まずは体を暖めた。林道では前後してトレッキングシューズで軽快に歩く女性がひとりいた。私と同じく笠をピストンするのかそれとも、双六あたりまで縦走するのかわからないが、とにかく私とほぼ同じペースで歩いていた。 笠新道 出発より約45分で笠新道の登り口に到着した。ザックを下ろし冷たい水を飲み、これからの急登に備えTシャツを一枚脱いだ。この笠新道だが、アルプスの急登のひとつに数えられていて、登山口のの標高は1370m、杓子平が2450mだ。山腹に付けられたジグザグの道の急登で、この標高差1100m一気に稼ぐ。ガイド地図の所要時間は4時間20分となっている。取り付き付近はブナ林で、シラビソなどの針葉樹林からダケカンバ帯に入りやがて、ハイマツ帯へと変わっていく。 1920mの標識を見ると樹林を出る。やがて草付きの斜面となり、一気に展望が開けてくる。ハクサンフウロなどの夏の花が残り、ミヤマトリカブト、オオシシウド、タテヤマウツボグサ、サラシナショウマ、シモツケソウなどの秋の花が咲いていた。これより先は樹高の低いミヤマハンノキ、ダケカンバの灌木帯へと入っていく。日陰はなくなるがこの日は、大陸の高気圧の勢力下に入り、さわやかな空気に包まれていた。斜面の上を見上げると稜線が近いように見えるが、だがまだこれからひと登りもふた登りもしなければならない。これより先は岩が多くなり、岩を拾いながら高度を上げていく。眺望もよくなり振り返ると、槍と穂高連峰が衝立のような壁を作っていた。しかし悠長に眺望を楽しむゆとりはなく、登りに専念しなければならない。ここが踏ん張りどころだ。このあたりまで来ると下山者と行き交うようになる。日の出を見てから笠ヶ岳山荘を朝、出発した人たちだろう。 杓子平 ジグザグの道を登り切ると展望が開け、杓子平の南端に到着する。灌木帯の斜面から急にハイマツ帯の高山域に入るので、一気にアルペンムードに気分がスイッチする。風通しもよく、眺望がいいので少しだけ休むことにした。山名の由来は、山容が編み笠の形をしているからだろうが、それは山頂部分のみで、ここから見る笠ヶ岳は、東面が深い穴毛谷に切れ落ちていて実に峻険だ。またカールは、黒部五郎の規模には勝てないが、花も多く実に美しい景観を呈している。 稜線に出た所がコースの分岐になっている。右に向かうと双六、左が笠ヶ岳だ。抜戸岳2812.8mのピークは、北に5分ほど進んだ所だが、今回はパス。また北側の展望が一気に開け、北アルプス北部の山々を眺望できる。 | ページ1 | ページ2 | |
2009年8月17日 Copyright (C) 2009 k.kanamaru. All Rights Reserved. home |