■白倉山、古ケ丸山、迷岳(台高)2009年5月2日3日 No.491 じんじんさん、隊長 アプローチ 飯高町の香肌峡温泉スメールに7時30分集合としたので、少し時間にゆとりを持って自宅を5時30分に出る。早朝だが、国道、高速(伊勢自動車道)ともにマイカーの多さが目に付いた。松阪ICで降り、国道166号線を飯高町まで走り、集合の20分前にスメールに到着した。観光地とあって、ホテル周辺にも無料の駐車場があり、登山口前の駐車場に1台をデポし、もう一台で蓮ダム左岸を走り江馬小屋谷に入った。林道は道が悪いが、4WDなので比較的安心できるものの、落石が転がっているので、不用意な運転は禁物だ。車に揺られて林道終点まで入ると先客の車が2台停まっていた。7台程度で満車になるので、まだまだゆとりがある。 プロローグ さて本日の装備だが、最大のポイントは、給水できない可能性があっために、水3リットルとペットボトル500ml3本が加わったために、重量が約20キロになったことだ。山と高原地図によると今回のコース上には給水地点が記されていない。今回ピークを踏む予定の野江股の頭の東にある最鞍部には「水」の記載があり、前回はここで給水している。しかし給水のためにここへ降るには、労が多すぎるし、時間が無駄になる。今回は1泊なので食料はそれほどかさばらないが、ザックが3泊くらいの重さになってしまった。夏のアルプスシーズンに入れば体もできてくるが、半年ぶりのテント山行なのでかなり堪えた。 登山口 江馬谷小屋登山口は渓流を鉄橋で渡ったところだ。ちょっとした広場があり、山と高原地図には、「キャンプ適地」と記されている。燃えるような若葉と美しい渓流が印象的だった。しかし感傷的な気分は一瞬のことで、いきなりの急登が始まる。ザックが重く、足腰にかかる負荷に、体が戸惑っているようだ。テント山行を重ねれば、重い荷を背負うための筋肉もできてくるが、半年ぶりなのでそのために筋肉が衰えているのが実感できる。 熊檻 尾根末端は急斜面が多いのはどこも同じ。カシ主体の樹林は、落ち葉が微妙に滑るので注意がいる。枝尾根を乗り越したところで体が熱くなってので、一枚脱いで温度調節をした。深き切り込んだ江馬小屋谷の源頭には東尾根の稜線が見えていた。ここからは少し植林帯の水平道が続くがやがて、斜面急坂となる。ジグザグをきってぐいぐい高度を上げていく。熊檻のある所までを次の目標とし、急登を耐える。ちょっとした平坦地に頑丈な熊檻が設置されているが、長く使われていないようだ。近くに炭焼釜跡があった。さてもうひとがんばりで植林帯を抜け、ヒメシャラの多い落葉樹林に入る。またここで3度目の休憩を入れる。ちょうど30分で一本のペースだ。 ナンノキ平 明るい楽湯樹林に入り気分が軽くなったのかそれもと、体が重さに馴染んできたのか、徐々に登りの苦しさが軽くなってきたように感じた。尾根筋を標高差200mほど登るとナンノキ平の北端に登りついた。ここからは緩やかな傾斜となり、少し歩いてナンノキ平らに到着した。標高差800mを約2時間かかった計算になる。半年ぶりのテント山行にしてはまずまずのできだろう。ナンノキ平は、広々として明るく、何度来ても飽きないところだ。少しのんびりとしたいが、気になるのは、稜線のアケボノツツジの咲き具合だ。樹間から山に点在するピンク色が少しだけ確認できひと安心。ピークの存在感のあるミズナラの巨木は健在だ。火照った体を少し冷やし、東尾根の1226に向かった。 アケボノツツジ 標高点1226にザックをデポし、三角点1269.6のある江股ノ頭を往復することにした。標高点1226を西に降ったところにある平坦地の北端の岩場にはアケボノツツジが多い。やはり今年は花付きがよさそうだが、つぼみが開きだしたところだ。満開までにはまだ少し、時間が必要なようだ。4月下旬に寒気が入り今年は、開花にブレーキがかかったのだろう。ミツバツツジにしろ、アケボノツツジにしろ、岩場の断崖で多く見かける。稜線にはヒメシャラ、ミズナラ、ブナ、カエデ類が多いが、背丈の低いツツジ類は、これらの高木に追いやられ、光を求めて断崖にいると解釈できよう。 江股ノ頭 ミヤマシキミもちょうど花盛りで、ミカン科特有の甘い香りをふりまいていた。途中にさせ尾根があり、三角点1269.6のある江股ノ頭手前が少し急坂になっている。崖縁に咲く花を愛でながらのんびりと歩き頭に立った。樹林帯にあるので展望にも優れず、単なるピークというだけで、取りたてて他に何もない。三角点にタッチして標高点1226に戻って昼食とした。 昼食はカップ麺とおにぎりというシンプルメニュー。以前は食にこだわり、色々と食材を持ってきたが、最近はシンプルになる一方だ。カップ麺作りで水を消費できたのが何よりだ。標高点1226を後にすると痩せ尾根の降下が始まる。都合100m降下することになる。先にも書いたがツツジ類は、大木の育ちにくい痩せ尾根を好むようで、鞍部まではアケボノツツジの多い区間だ。しかしまだまだつぼみが多く、開花は少し待たなければならない。 給水 次のピークは標高点1205だ。樹間からこれから向かう古が丸山が見えている。地形図を見ながら給水地点を予測する。二日分の水は持っているが、じんじんさんが少し少なめなので、給水に谷に降りることにする。標高点1205から東に降った鞍部に、巨石が行く手を阻むところがある。緩やかな谷なので降りて行けそうだ。バイケイソウが沢山群生している。この東尾根だが、南側は急斜面のためにとても降りられそうにない。白倉までの間に何カ所か、降りられそうなところがある。降りれば必ず水はあるだろうが問題は、どれだけ降りるかだ。今回は標高差70mの降下で給水ができ幸運だった。給水地点の岩場にはアケボノツツジが咲いていて、撮影にも時間を使ったので、都合40分かかったことになる。 コースに復帰すると直ぐに、激痩尾根に進路を阻まれた。前回も確かシャクナゲ帯をトラバースした記憶があるので、北側を探ると道があった。ここでひとり男性の単独者と行き交った。駐車地に2台停まっていたが、そのうちの一人だろうか。この辺りのアケボノツツジはほぼ満開だった。またシャクナゲも所々でつぼみを膨らませていた。
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2009年5月3日 Copyright (C) 2009 k.kanamaru. All Rights Reserved. home |