2008年11月29日 釈迦ヶ岳(大峰) |
前回が鈴鹿の釈迦に絡めて今回は、大峰の釈迦に登った。実はこの日に大峰の釈迦に登る予定だったので、前回の山行を鈴鹿の釈迦にし、少し山名にこだわって意図的選定だった。山日記を書き始めて今回で472号のようだが、このこだわりは今回が初めての事だろう。ついでに白山の釈迦ヶ岳にも登ってみると面白そうだが。深田久弥の日本百名山を見てみると、釈迦ヶ岳は選外さったようだ。田中澄江の花の百名山もしかり。釈迦ヶ岳はどこにでもある山名で、宗教色に染まった山名なのだろう。 林道を平行して登山道が前鬼まであるようだが、雨の後だったので林道を歩くことにする。登山道は登山届けのボックスの横から入るようだが、ロープが張ってあった。林道を行けと言うことだろうか。小仲坊まではたいした距離でもないので、回り道となる林道を歩く。風に飛ばされて落ち葉がアスファルトに散らばっているて風情がある。建物跡の石積が見られ始めると小仲坊は近い。案内板の前鬼山の由来には小仲坊のことが書かれていた。修験道のための宿舎で1300年続いているとのこと。宿舎の施設にはいくつか新しい建物がある。世界遺産になり脚光を浴び、整備が進んだのだろうか。 宿坊周辺を少し見て回ったが客もなく誰もいないようだ。電話ボックスがあり、宿舎の外壁には前鬼口のバスの時刻表が貼り付けてあった。林道を使った日帰り登山者にはあまり関心がないかもしれないが、縦走者には大切な情報なのだろう。ここから前鬼口までは徒歩にて2時間30分の距離だ。上高地の明神横尾間を歩くようなものだ。 さて登山道は宿泊所横から入る。スギの植林が少し続くが、谷に入るとモミ、ツガの常緑樹に混ざり、ミズナラ、トチノキ、サワグルミ、ブナの落葉樹が多くなり、この時期は葉を落としていて明るい。このコースは二つ岩で尾根を乗り越すが、稜線にある太古の辻までは概ね谷(白谷)のコースである。古いゼンリンの地図には「ヤマヒル」と書かれていたし、ネットで検索しても出てくるので、できれば梅雨の時期は入山したくないなと思った。 途中で小学校低学年くらいの子を連れた親子を追い越す。釈迦山頂は無理だろうと思ってが、はやり途中で引き返したようだ。後にも先にも今日は、このコースを歩いたのは、私とこの親子だけだった。谷をつめていくと徐々に傾斜が増してくるが、登山道はよく整備されていて、急斜面には木製の階段が設置されているので歩きやすい。しばらく階段道が続き、沢を渡って小尾根に乗ったところが二つ岩(両童子岩)と言われる所だ。不動明王に仕えるコンガラ童子とセイタカ童子だそうな。ここからは谷を離れ尾根コースとなる。約40分で稜線の鞍部の太古の辻に到着した。風が強く暴風のためここで雨具を着用した。 ゲートを出発して約2時間、いよいよここからが奥駈道となる。「太古の辻」とはいかなるいわれがあるのだろうか。何しろ1300年の歴史を持つ道なので何らかの意味があるのだろう。ここの標高が1521mなので、山頂までの標高差は約300mほどだ。それよりも眼前には大日岳がそびえている。円錐形をした山らしい山だ。この山は行場になっているようなので見物は、帰りのお楽しみにとっておくことにする。 さてここから深仙の宿までは約30分の行程だ。標高が1500mを越えるとブナの上限になりこれ以上は亜高山域に入っていく。モミ、ツガなどの針葉樹、シロヤシオ、ブナ、オオイタヤメイゲツなどの樹木だろう。葉や花の時期に植生を調べるのも興味がある。 深仙の宿には灌頂堂と無人小屋がある。灌頂とは、諸仏が智水を頭に注ぐ儀式のようで、それで水場のことを香精水というのだろうか。昔は宿坊でもあったのか、平地があるので野営には適している。取水は「香精水」と地図上に書かれているが、確認するのを忘れた。無人小屋の中には空のペットボトルがたくさん置いてあったので、水くみに使えそうだ。さてここからは約50分、標高差300mの登りとなる。登るにつれてトウヒが多くなり、亜高山域の景観となってきた。西斜面の樹木には樹氷が付いているが、気温がそれほど低くないので、溶けて落ちだしている。臨床のミヤコザサが濡れてきてうっとうしいのでスパッツをつける。 急坂がゆるんでくると十津川方面の登り口となっている旭口への分岐に出た。今たどってきた稜線には踏み後はなかったが、こちらの方は少し足跡があった。すると山頂より単独男性が降りてきた。風があり展望もなかったので5分で退散してきたそうだ。山頂はこの分岐から10分ほどの所だ。時折青空が覗くので期待を込めて山頂へ向かった。
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