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2008年10月04日 笠ヶ岳、弓折岳(北アルプス)

 

笠ヶ岳(北アルプス)2008年10月4,5日 No.464 隊長、うさぎ
〜3度目の笠ヶ岳、やっぱりきつい笠新道〜
 出発の1日前までは、早月尾根から剣岳へ行くつもりだった。しかし天気予報と、岩場の凍結のおそれから急遽、笠ヶ岳に変更することにした。二日目は雨が予想されたが、何とか鏡平まで持ちこたえてくれた。笠ヶ岳は今年の候補に上げていたが、天候と都合が合わず順延になっていた。今回が3度目で、それぞれ季節を変えて登ることができた。帰りに立ち寄った鏡平周辺の紅葉が見頃で、楽しみの多い山行となった。
10月4日 新穂高温泉無料駐車場1050m(6:00)〜(7:05)左俣林道笠ヶ岳分岐1368m(7:20)〜1800m(8:34)〜(10:55)杓子平2451m(11:20)〜稜線杓子分岐(12:45)〜(13:56)笠ヶ岳野営場2755m(14:18)〜笠ヶ岳山荘で受付〜(14:45)笠ヶ岳山頂2897m(15:20)〜笠ヶ岳野営場(15:45) 累積標高+1980m、歩行距離10.8km
10月5日 笠ヶ岳野営場(6:32)〜抜戸岩(6:56)〜抜戸岳分岐(7:33)〜秩父平2557m(8:36)〜大ノマ乗越〜(10:05)弓折岳2588m(10:20)〜鏡平分岐(10:42)〜(11:18)鏡平2280m(11:42)〜シシウドケ原〜秩父沢〜左俣林道(13:28)〜(13:38)わさび平小屋1402m(14:03)〜新穂高温泉無料駐車場(15:05)
 累積標高+460m、-2250m 歩行距離19km

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 5時半出発のつもりで、目覚ましをかけたが気づかず、目が覚めると5時半を過ぎていた。昨夜は5時半に熊野を出発し鈴鹿に8時過ぎに戻った。急いで夕食と準備を済ませ9時過ぎに鈴鹿を出発。ノンストップで走って、新穂高温泉に到着したのが0時半を過ぎていた。清見からの縦貫道が高山まで延びたので助かるが、6時間以上のドライブはきつい。コンビニで買ったワンパックのお酒を飲んで横になると直ぐに眠ったようだ。


朝の新穂高温泉無料駐車場

 急いで準備をして6時の出発となった。空きスペースの多かった駐車場も3段目まではほぼ満車の状態だ。新穂高温泉は岐阜県側のアルプスの玄関口。秋のベストシーズンということもあり、夏ほどではないが、賑わいを見せていた。
 笠ヶ岳2897mは岐阜県の最高峰で、遠くから見る編み笠の形をした山容は、均整のとれた美しさがある。江戸時代に播隆上人が開山したことで知られ、山頂東側にあるカールは播隆平と呼ばれている。また、槍と穂高を西側から眺められる位置にあることも見逃せない。

  
笠新道の登り       色づき始めたブナ

 新穂高温泉から左俣林道に入る。歩きやすいのであまり傾斜は感じないが、笠新道分岐までの標高差は350m以上ある。登山者の皆さん、気持ちがはやるのか、結構なハイペースで歩いているようだ。山小屋泊まりの軽装ならそれでもいいだろうが、ここはこれから先の行程を考えて、暖機運転のつもりで歩いた方がいい。実力が試されるのは、笠新道に入ってからだろう。約1時間で笠新道の分岐地点に到着した。地形図を見てみると、2本の登山道が描かれているが、発電所の取水口付近に合ったのが旧道のようだ。平成7年の崩落で使用不能になったらしい。さてここで予備の水を補給しようと思ったが、水が出ていない。他の山の水場もそうだが、秋になると涸れることがあるので事前のチェックが必要だ。2人で2.5リットル持っているから、気温がそれほど上がらなければ、なんとかもちそうだ。この笠新道の分岐点だが、サワグルミ、ブナ、ミズナラの大木があって雰囲気がいい。

 
1800m地点          草付き斜面の紅葉

 さてここから杓子平まで、ガイドブックによるとまずは、標高差約1100m、4時間20分の登りが始まる。コース全体としてみると、登山口から山頂までの累積標高が約2000mある。しかも野営は山頂直下なので、テント装備を持ってまともにこの標高を上がることになる。今年は、早月尾根から剣へ登りたかったが、この場合だと2300m地点が野営地になるので、空身での山頂往復はたやすい。話はそれたが、さてきょうのコースタイムはいかほどか。
 しばらくはブナ、ミズナラ林が続くが、1800mあたりからオオシラビソの樹林帯に入り、高山の雰囲気に変わってくる。そして林が切れる所になると穂高や乗鞍が見え出す。天望が開けることにより気分が変わり、多少は登りの苦しさを紛らわせてくれる。しかし、夏場は花の多い草付の斜面を過ぎてもまだまだ容赦のない登りは続く。さらに登るとオオシラビソのがなくなり、ダケカンバ、ナナカマドなど背の低い樹林に入り、明るく展望も開けてくる。

 
樹間からのぞく穂高           焼岳と乗鞍岳


草付を過ぎると岩峰が見えてくる


寡黙になる、日射しがきつくなり、このあたりが踏ん張りどころか


視界が開け槍と穂高が目の前に見える

 

 
杓子平らまであと少し、岩場になり、天望もよくなる

 抜戸岳南尾根の稜線が近づくと、岩場を避けるように右へ左へ、大きなジグザグコースになる。岩場を通過することも多くなり、稜線がそこまで近づいてきているが、なかなか手が届かない。前がふっと開けると杓子平に乗っかる。これが3度目なので若干感動が薄れ気味だが、それでも、眼前に広がる杓子平のカールや、そこから流れ出る穴毛谷を隔てて、笠ヶ岳が衝立のように立ち上がっている。遠くからは優美な山容を見せる笠ヶ岳だが、ここから見ると険しさばかりが目立つ。


やっと杓子平に到着。風景が一変し、アルプスらしくなる

 ここは大休止のポイントだろう。大仕事が終わり、お腹も少しすいてきたので、おにぎりを1個食べる。カールは黄色の絨毯を敷き詰めたように色づいている。所々にナナカマドの紅葉が散りばめられ、見事に調和している。ビールでも飲んで長居をしてみたいが、これからあの2800mの稜線まで上がらなければならないと思うと、なかなか気を許すこともできない。20分ほど休憩し、気合いを入れ直して稜線を目指す。地形図や古いガイドブックを見ると谷をつめるようになっているが、現在のコースは尾根コースに変更されていて、ほぼ抜戸岳山頂付近まで登らなければならない。傾斜はそれほどきつくもなく、足下もしっかりとしていて、ジグザグに登っていく。約1時間20分で稜線に上がることができた。


杓子平の登り


あと少しで稜線だ


稜線からは、アルプスの山々を一望できる 向こうは薬師岳

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