2007年10月6、7日 氷河公園、南岳(北アルプス) |
■氷河公園、南岳(北アルプス)2007年10月6、7日 No.424 隊長、うさぎ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ | 10月6日Part1 | 10月6日Part2 | 10月6日Part3 | 10月7日 | 今回の山行のために、二つの案を準備した。第1案は、ババ平のテントサイトを基点に、天狗原周辺をじっくりと散策するコース。第2案は、南岳小屋のテントサイトまで上がってしまい、新穂高に下山するコースだ。業者との打ち合わせで出発が遅れた場合は、前日に徳沢まで入ることができなくなるので、第2案がかなり難しくなる。始発のバスに乗って上高地からの早朝出発では、日没までに南岳のテントサイトに到着するのは難しいし、それよりも天狗原を駆け足で通過するのももったいない。また、テントサイトが3000mの稜線にあるので、天候次第では稜線でのテント泊が困難になることが予想できる。昨年のこの時期は燕で吹雪になり、改めて高山の自然の厳しさを体験した次第だ。 出発前のざわめきで目が覚める。時計を見るともう4時半を過ぎていた。慌てて起きて朝食の準備をする。といっても野菜炒めとフカヒレスープとご飯で、軽く済ませる。テントの露を払い手っ取り早く撤収する。無言の連携作業で、テントの撤収が5分、パッキングが5分もあれば完了する。 朝日に輝く明神岳を前穂を見ながら徳沢を後にする。横尾までは小一時間ほどかかるが、歩き慣れた道が故に刺激が無くて、長く感じる区間でもある。体が暖まり調子ができてきた頃に横尾に到着した。見慣れた光景だが、横尾の吊り橋から見上げる穂高は何度見ても飽きない。ザックを下ろして歯磨きやら給水をする。真新しさはないが、どうやら小屋が改修工事に入っているようだ。テントサイトも盛況のようで活気がある。
横尾から槍沢ロッジまでは1時半の距離だ。道幅は狭くなるものの、木の根っこや石に躓かない限りなんの問題もない。よく整備されていて、さすがは北アルプスのメジャールートだ。横尾からは少しずつではあるが登りの傾斜が始まる。梓川も槍沢に変わり、いつの間にか川から渓流になってくる。
槍沢ロッジまではあまり変化のないルートだが、途中で通過する「一の俣」と「二の俣」が目安になっている。一の俣は常念乗越を源頭とする谷で、常念を見上がることはできないが、だいたいの位置関係を頭に描くことができる。これを過ぎると直ぐに二の俣谷を横切る。この谷は大天井から派生する谷だ。美しい渓流を見ながら歩いていると時間が経つのが早く感じる。少し傾斜が増してくると槍沢ロッジは近い。 想定内の時間で槍沢ロッジに到着した。ザックを下ろし、ひと息入れる。小屋に入り、100円のセルフコーヒーをいただく。さて当初から決めていたことだが、ここで第1案か第2案かを決めなければならない。もし第1案ならここでテントの受付をしてビールを購入することになるからだ。テントサイトになるババ平はここから30分ほど登った所にあるため、ババ平に到着してからここまで戻るわけにもいかない。朝は青空だったのにこの時点で、どんよりとした曇り空に変わっていた。ただし高曇りなのでそれほど心配はいらないだろうが。3000m稜線のテント泊は、天候の変化によってはかなり厳しいものになることが予想できる。さてどうするか。
槍沢ロッジを後にして30分ほど登ると、予定通りババ平のテントサイト(標高1987m)に到着した。それほど広くはないが、流水が利用でき、地形的にも急激な天候の変化に対応できそうだ。ここでザックを下ろしたい誘惑に駆られるが、心は3000mの稜線にいっている。このあたりから谷が深まり、木々も色づき始めている。このあたりの紅葉はまだこれからだろう。時期を1週間ずらせたならば、このあたりが見所になりそうだ。 水俣乗越分岐(標高2094m)を過ぎるといよいよ、核心部に入っていく。部分的に真っ赤に染まったナナカマドが目に入ってくるものの、全体的にはまだ少し時期が早い感は否めない。それでも涸沢とは違った、オンリーワンの景観が眼前に広がっている。長い距離を苦労して歩いてきたが、「来て良かったな」と誰しもが思うだろう。 | 10月6日Part1 | 10月6日Part2 | 10月6日Part3 | 10月7日 |
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