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2007年10月6、7日 氷河公園、南岳(北アルプス)

 

氷河公園、南岳(北アルプス)2007年10月6、7日 No.424 隊長、うさぎ
〜かねてから行きたかった氷河公園、晴天のプレゼントに歓喜〜  Photo Album
10月5日 自宅(13:00)〜(16:45)平湯あかんだな駐車場(16:55)〜(シャトルバス、バス)〜上高地(17:40)〜徳沢テントサイト(19:20) 歩行距離6.2km
10月6日 徳沢テントサイト(5:30)〜(6:35)横尾(6:50)〜(8:30)槍沢ロッジ(8:45)〜ババ平(9:25)〜(11:10)天狗原分岐(11:25)〜(12:20)天狗原(12:50)〜天狗平(13:40)〜(14:50)稜線分岐(15:05)〜南岳3033m(15:25)〜南岳小屋テントサイト(15:35) 歩行距離14.5km 標高差+1400m
10月7日 南岳小屋テントサイト(6:30)〜南岳新道〜(9:15)槍平(9:40)〜(10:10)藤木レリーフ、滝谷出合(10:20)〜(11:15)白出(11:30)〜右俣林道〜新穂高温泉(12:45)〜(バス)〜(13:30)平湯あかんだな駐車場(14:00)〜自宅(17:40) 歩行距離10.5km 標高差 -2000m
 【カメラα100レンズvario sonnar DT16-80mm】

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 今回の山行のために、二つの案を準備した。第1案は、ババ平のテントサイトを基点に、天狗原周辺をじっくりと散策するコース。第2案は、南岳小屋のテントサイトまで上がってしまい、新穂高に下山するコースだ。業者との打ち合わせで出発が遅れた場合は、前日に徳沢まで入ることができなくなるので、第2案がかなり難しくなる。始発のバスに乗って上高地からの早朝出発では、日没までに南岳のテントサイトに到着するのは難しいし、それよりも天狗原を駆け足で通過するのももったいない。また、テントサイトが3000mの稜線にあるので、天候次第では稜線でのテント泊が困難になることが予想できる。昨年のこの時期は燕で吹雪になり、改めて高山の自然の厳しさを体験した次第だ。
 心配していた出発だが、何とか13時に自宅を出ることができ、平湯のあかんだな駐車場に16:40に到着できた。シャトルバスの最終が16:55だったので、何とか間に合った。というのは、飛騨清見から高山までの縦貫道が開通していたので、多少なりとも時間を短縮できたからだと思う。間に合わなければ、第2案の可能性を残すためにも、タクシーを使ってでも上高地までは入ろうと思っていた。
 17:30に上高地に到着した。日没まであと僅かなので、バスターミナルの係のおじさんが、「どこまで行くの」と訪ねてきた。この時間から出発するのは稀なようだ。「徳沢」までと答えると、「がんばれ1時間半」と返事が返ってきた。距離は6.2キロなので、いつものジョギングコースと同じだ。歩き出すと直ぐに暗闇となった。ヘッデンを頼りにひたすら徳沢を目指す。さすがにこの時間に歩いている人は誰もいない。明神館の前の広場はいつも登山者で賑わっているが、この時間になると誰も外に出ていない。ハイペースで歩いているので、体から湯気が上がってきた。ここでひと息入れ、あとの3キロをがんばる。暗闇の中を1時間半歩き、徳沢園の明かりが見えてきたときはほっとした。時間が遅いので皆さんに迷惑にならないように、静かにテントを設営し遅い夕食の準備をする。草地のテントサイトなのでまるで布団に寝転がったようで心地よい。21時、シュラフに潜り込む。極楽極楽。

 
徳沢のテントサイト            朝日に輝く前穂高岳

 出発前のざわめきで目が覚める。時計を見るともう4時半を過ぎていた。慌てて起きて朝食の準備をする。といっても野菜炒めとフカヒレスープとご飯で、軽く済ませる。テントの露を払い手っ取り早く撤収する。無言の連携作業で、テントの撤収が5分、パッキングが5分もあれば完了する。

 
氷壁の宿 徳沢園                前穂高岳

 朝日に輝く明神岳を前穂を見ながら徳沢を後にする。横尾までは小一時間ほどかかるが、歩き慣れた道が故に刺激が無くて、長く感じる区間でもある。体が暖まり調子ができてきた頃に横尾に到着した。見慣れた光景だが、横尾の吊り橋から見上げる穂高は何度見ても飽きない。ザックを下ろして歯磨きやら給水をする。真新しさはないが、どうやら小屋が改修工事に入っているようだ。テントサイトも盛況のようで活気がある。

 


今年は2度目になる横尾

 
横尾大橋から穂高を仰ぎ見る         小屋が改修工事に入っていた

横尾から槍沢ロッジまでは1時半の距離だ。道幅は狭くなるものの、木の根っこや石に躓かない限りなんの問題もない。よく整備されていて、さすがは北アルプスのメジャールートだ。横尾からは少しずつではあるが登りの傾斜が始まる。梓川も槍沢に変わり、いつの間にか川から渓流になってくる。


横尾を過ぎると道幅が狭くなるが歩きやすい。さすがはメジャールートだ

 槍沢ロッジまではあまり変化のないルートだが、途中で通過する「一の俣」と「二の俣」が目安になっている。一の俣は常念乗越を源頭とする谷で、常念を見上がることはできないが、だいたいの位置関係を頭に描くことができる。これを過ぎると直ぐに二の俣谷を横切る。この谷は大天井から派生する谷だ。美しい渓流を見ながら歩いていると時間が経つのが早く感じる。少し傾斜が増してくると槍沢ロッジは近い。


一ノ俣


徐々に梓川も狭くなり、渓流の雰囲気になる

 
橋を渡ったところが二の俣

 
槍沢の美しい流れ


槍沢ロッジ

 想定内の時間で槍沢ロッジに到着した。ザックを下ろし、ひと息入れる。小屋に入り、100円のセルフコーヒーをいただく。さて当初から決めていたことだが、ここで第1案か第2案かを決めなければならない。もし第1案ならここでテントの受付をしてビールを購入することになるからだ。テントサイトになるババ平はここから30分ほど登った所にあるため、ババ平に到着してからここまで戻るわけにもいかない。朝は青空だったのにこの時点で、どんよりとした曇り空に変わっていた。ただし高曇りなのでそれほど心配はいらないだろうが。3000m稜線のテント泊は、天候の変化によってはかなり厳しいものになることが予想できる。さてどうするか。
 小屋の気象チャンネルのTVを見る。気象衛星画像を見る限り、どうやらこの雲の固まりは早ければ2,3時間で通過してしまいそうだ。これで第2案に腹が決まる。はっきりと目的が定まったので、少し力みが入ってきた。ベースキャンプ型で氷河公園の散策がメインだったが、3000m稜線の散策が更に加わった。これで3000mまでこの重い荷物を担ぎ上げることになった。


ババ平のテントサイト 黄色いテントがどうやらあるぼぼさんのものらしい

 槍沢ロッジを後にして30分ほど登ると、予定通りババ平のテントサイト(標高1987m)に到着した。それほど広くはないが、流水が利用でき、地形的にも急激な天候の変化に対応できそうだ。ここでザックを下ろしたい誘惑に駆られるが、心は3000mの稜線にいっている。このあたりから谷が深まり、木々も色づき始めている。このあたりの紅葉はまだこれからだろう。時期を1週間ずらせたならば、このあたりが見所になりそうだ。


槍沢と東鎌尾根 ダケカンバが少し色づき始めている


横尾尾根の紅葉 このあたりはまだ早いようだ

 水俣乗越分岐(標高2094m)を過ぎるといよいよ、核心部に入っていく。部分的に真っ赤に染まったナナカマドが目に入ってくるものの、全体的にはまだ少し時期が早い感は否めない。それでも涸沢とは違った、オンリーワンの景観が眼前に広がっている。長い距離を苦労して歩いてきたが、「来て良かったな」と誰しもが思うだろう。


正面が大喰岳と飛騨乗越

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