2007年9月24日 御在所岳・鎌ガ岳(鈴鹿) |
■御在所岳・鎌ガ岳(鈴鹿)2007年9月24日 No.423 隊長 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 朝夕は涼しくなってきたが、さわやかな秋はまだ来ないようだ。御池や藤原の秋の花を見たいが、この高温多湿の気候では足が向かない。今年はまだ、北アルプス、南アルプス、白山などのテント山行の予定が入っているので、体力だけはキープする必要がある。ところが先週も山に入れず、今週の連休も山に入れるのは最後の日だけとなった。しかもお天気は下り坂であまり気乗りがしなかった。ガスで展望は無いことがわかっていたので、谷ルートを物色する。久し振りに御在所の本谷に入ることにする。 ゆっくりと家を出て、旧料金所周辺で駐車スペースを探す。前回は車が路肩まで溢れていたが、今回はすきすき状態だった。準備をして御在所山の家へ向かう。人の気配は感じられないが、現役の山小屋だ。ご主人の佐々木さんは確か97歳だと思うが、近況はだろうだろう。(昨年に記事参照) 急に谷が狭くなると上部に浮き石を載せたたかさ30mの不動滝が現れるので、これは右岸から巻く。再び谷に降りてまた岩を拾いながら谷を登る。途中で先行していた年配のご夫婦が追い越す。この谷で出会った唯一の登山者だった。谷が徐々に狭まり遙か上空に赤いゴンドラが見える。傾斜がきつくグイグイと高度を稼いできたつもりだが、まだまだ登らなくてはいけない。谷筋には、ノギランがダイモンジソウが花を咲かせていた。 登るにつれて徐々に視界が開けてくる。いくつか支流があるが、赤ペンキを見失わなければ大丈夫だろう。しかしこの赤ペンキ、先ほどから気になってきたが、誰かが石でこすってはがし落とされている。何の意図が有るのはよくわからないが、初めてこの谷に入る登山者にとっては頼りになるのは赤ペンキのはず。危険なので閉鎖にするのだろうか。 ゴンドラからの歓声が聞こえ出すと大黒岩は近い。大黒滝を通り過ぎて左に進路をとり、源頭部の笹原を這い上がると大黒岩に通ずる尾根に出る。大黒岩に立ち寄るがガスで何も見えない。 本谷は岩場の連続するコースだ。谷が深く急峻なために落石も多いはずだ。上部ほど傾斜がきつく、落ち着きの悪そうな石や岩が谷を埋めている。他の登山道と比べるとリスクが高いのは確かだ。何度も言うが、赤ペンキが意図的に削り取られていたのが気になる。 立ち寄りたいところはないので、カマキリの写真を撮ってからいつもの東屋に向かう。どうやらこの写真がHPのトップを飾りそうだ。 午後からのお天気が気になるので、少し早い目に腰を上げ、峠コースで武平峠に降りる。ガスで展望が利かない。2組ほどの登山者とすれ違う。さてここから2時間ほどの登りになる。食後なので足が重いが、時間を気にせずにゆっくりペースで鎌ガ岳の山頂を目指す。家族連れ2グループと行き交う。山頂手前でショートカットして谷に降りようかと思ったが、やはり山頂を無視することはできず、ガスに隠れた山頂を踏むことにする。 山頂には誰もいなかった。展望もないので少し休んでから三ツ口谷コースを降りる。おりがけに一人の男性登山者が上がってきた。曇り空なので谷は薄暗が、小滝がいくつもあり雰囲気のいいところだ。約50分で登山口まで降りる。また今日も、堰堤の砂場で家族ずれがくつろいでいた。 「山岳会ケルン」が36年前に設置したプレートだ。この山岳会はどこに有るのか、今もあるのかわからない。しかし36年の月日を刻んだプレートが今も、ここにあるのは確かだ。鎌ガ岳は年に何回も登っている山だし、以前からこのプレートが設置されていたことも知っている。今日は改めてこの歌を読んでみた。自分は今、この山の頂にいるが、いつ果てるかは誰も知らないし、自分にもわからない。もうこれが最後かもしれない。ふとこんなことを考えてしまうのは、年を重ねてきたからだろうか。心に刻んでおきたい山はまだまだたくさんある。さてこれから、どこまで山旅が続けられるかはわからないが、最後になる山は必ずあるはずだ。
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