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2007年7月1日 北岳(南アルプス)

 

北岳(南アルプス)2007年6月30日、7月1日 No.414 隊長、うさぎ
〜念願叶う、キタダケソウは満開〜
自宅(21:00?)〜湾岸川越〜東海環状〜土岐JC〜伊奈IC〜仙流荘前駐車場車泊(0:30)
【6月30日】南アルプス林道バスで仙流荘(6:00)〜北沢峠(7:00)〜待ちぼうけ、バスが来ない〜北沢峠発(7:30)〜徒歩10km〜(10:00)広河原(10:10)〜(12:55)白根御池(13:20)〜くさすべり〜稜線(16:10)〜肩の小屋野営場(16:45)
【7月1日】肩の小屋野営場(5:55)〜(6:40)北岳山頂3193m(7:00)〜吊り尾根分岐(7:23)〜八本歯のコル分岐(7:40)〜キタダケソウ群生地散策〜コル分岐に戻る〜(8:35)八本歯のコル(8:50)〜二俣(10:33)〜広河原(12:10)〜北沢峠行きバス(12:20)〜北沢峠(13:00)〜(13:50)仙流荘(14:30)〜自宅(17:55)

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 時間の経つのも忘れて花見に興じていたが、帰りのルートが気になりそこそこに切り上げる。分岐点まで戻り、まずは八本歯のコルまで下りることにする。傾斜はそれほどでもないが、岩場が連続している。雨で濡れ岩は要注意で、グリップを確かめてから力をかけることに心がける。左手にはバットレスが望めるはずだが、ガスで何も見えないのが残念だ。


キタダケソウ


子国土より引用 http://cyberjapan.jp/


キダダケソウ


キタダケソウ


八本歯のコルへの降下 岩のやせ尾根で気が許せない

 

コルが近づくと少しガスが消えだした。さすがにこのルートを下りに使う登山者は少ない。同じ時間帯に前後して下りた登山者は、我々を含めて数名だった。

八本歯のコルは団体の登山者で賑わっていた。時間的に見ると、山麓の山荘で1泊し、早朝から登ってきたようだ。狭いコルが人で溢れていた。少し高度を下げただけだが、少しガスが晴れて峰々の位置関係が把握できたのは幸いだった。稜線に建つ北岳山荘も見え隠れしている。


八本歯のコル


八本歯のコルからの展望


八本歯のコルに咲くハクサンイチゲ


八本歯のコルから見る北岳山荘


1967年7月31日(月)09:30頃 奥から甲斐駒、アサヨ峰、小太郎山、小太郎尾根の稜線
Barbieのじゃっちゃま(木瓜老人)からいただきました。


同上13:45頃 北岳稜線小屋(現在は北岳山荘)
Barbieのじゃっちゃま(木瓜老人)からいただきました。


ガスに見え隠れする鳳凰三山

さて八本歯のコルからは、標高差150mほどの岩場の降下になる。要所には木のはしごがかけられているので、しかりと三点を確保しながら降りれば問題はない。しかし問題は、この下の雪渓だ。まずは二俣までの標高差500mを一直線に降りていく。すり鉢状の曲線になっているので、最初の傾斜がかなりあるように思える。このころになると青空も見え始め、左手にはバットレスが全容を表してきた。じっくりと眺めてみたいが、気持ちは雪渓の降下に移っている。


雪渓に下りるまでは急峻なやせ尾根が続く、木製のはしごが助けてくれる


バットレスが見え始めた

岩場の末端で、アイゼンとサングラスで降下の準備をする。6本爪のアイゼンがやけに頼りなく感じる。1歩目を踏み出す。まずまずの雪質で踏み跡はあるが、安易に足を踏み出すとズルっと滑る。かかとでけり込みながらグリップを確かめて体重をかける。これの繰り返しだ。100mも降るとルーズになってくる。そのときだ、安易に踏み出した右足に体重をかけたとたんに、ずるっと滑って尻餅をついてしまった。なんとか両足で踏ん張ろうとするが止まらず、思いザックに背中から押されるようにずるずると滑り出している。慌てて腹ばいになり、思いっきりストックを雪面に突き刺し、止まることができた。「しかりとしたアイゼンとピッケルが必要だ」と肩の小屋のご主人が言っていたが、全くその通りだと体感した。コルから二俣までの所要時間は1時間ほどのようだが、慎重に降りたので1時間半以上かかってしまった。また気になったのは雪面に転がる岩だ。これは落石によるものらしく、ガスの中無音で転がってくる岩は恐ろしい。


雪渓の降下


バットレス


二俣上部から雪渓を見上げる


二俣付近で

二俣まで降りてくると傾斜もゆるみ、ひと安心だ。岩の上でひと息入れる。ここまで来ると、帰りのバスの時間が気になりだし、北沢峠のバスの時刻を確認する。13時の次が16時だ。従って広河原は12時20分だ。これはまずい。二股からの所用時間は1時間30分となっている。何とかぎりぎり間に合いそうなので、休憩もそこそこに歩き出す。二俣からさらに降って雪渓が無くなったのでアイゼンを外す。それから1時間が時間との競争になった。渓流の涼しげな瀬音を聞きながら、落ち着いて昼食でもするとよかったが、3時間待ちはいただけない。がんばって降りてバス発車の10分前にバス停につくことができた。後はバスを乗り継いで駐車地の仙流荘まで戻った。


二俣下部でやっと流れが見え始める


大樺沢の流れ


バイケイソウ、こちらも花の当たり年か

以下、中日新聞より記事引用

【長野県】南アルプスの開拓者、竹沢長衛さん(1889−1958年)の遺徳をしのぶ「第49回長衛祭」が30日、伊那市と山梨県南アルプス市境の北沢峠(2、032メートル)で開かれた。1日未明から約80人が南ア駒ケ岳(2、967メートル)に記念登山する予定。
 北沢峠に登山客を運ぶ南ア林道バスを運行する両市が、登山道整備や遭難者救助に人生をかけた長衛さんの功績をたたえ、夏山シーズンの安全を願おうと、毎年開いている。
 式典は長衛さんが営んだ山小屋近くの広場であり、両市民や登山愛好家ら約160人が参加。小坂樫男伊那市長が祭文を朗読し「南アの大自然を永遠に残すために長野、山梨、静岡が協力し、世界遺産登録運動を始めた。長衛翁の山への愛着精神を後世に受け継ぎたい」と述べた。参加者全員で、長衛さんの石碑に献花し、黙とうをささげた。
 式典の前後には、チロルダンスや弦楽四重奏も繰り広げられたほか、今年は、より大勢の市民に登山の魅力を知ってもらおうと、途中の仙水峠(2、264メートル)までの登山もあり、幅広い年齢層の参加者が山歩きを満喫した。

 

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