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2006年5月4日 伊吹北尾根

 

2006年5月4日 伊吹北尾根 No.366 隊長、うさぎ

燕平(9:30)〜(11:30)御座峰(12:10)〜燕平(13:30)

春の花をまとめてゲットできる伊吹北尾根は、大変重宝しているので今年も出かけてみた。伊吹山本体には残雪があり、昨年とは様子が違う。見られる花も、今年は全体的に遅れていて、サンカヨウ、ヤマブキソウ、イチリンソウ、ヤマシャクヤクの開花は確認できなかった。しかしカタクリは今が最盛期で、蕾の株も多かったのでこれからしばらくは楽しめそうだ。あと1週間ほどで役者が出そろいそうだ。帰りの篠立長楽寺でイカリソウを見てきた。

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ドライブウェイの料金3000円を支払いゲートを潜る。14キロ地点以降は濃霧だそうだが、天気は悪くはないので霧は晴れると見込む。少し高度を上げると、山桜と新緑のマッチングがすばらしいので、思わず車をとめてファインダーを覗く。しかし緑があるのは少しの間で、標高が高くなると木々はまだ冬の色をしている。予報通り14キロ地点からガスの中に入るが、燕平で出発の準備をしているとガスがはれてきた。準備をしている間にも十数名のグループが出発していった。



ドライブウェイの山桜と新緑

山歩きにこだわるなら、燕平から御座峰ピストンはあまりいい歩き方でもないだろうが、花にこだわるならこれでもいいだろう。道路から斜面を降りるとカタクリが出迎えてくれた。昨年のこの時期とは少し様子が違うようだ。まずはザゼンソウを見に行く。グロテスクな花で、どう撮影すればいいのか、いまだに定まらない。軽快なウグイスの鳴き声に、昨日の疲れも忘れて気持ちよく歩ける。


ザゼンソウ

燕平から御座峰まではわずかな距離だが、見られる花の種類が変化していくところが興味深い。まずはショウジョウバカマが出迎えてくれた。鈴鹿のものと違い、この花に限らずよく育っているのが特徴的だ。エンレイソウも咲き始めたところだ。今年は雪が遅くまで残っていたのか、一斉に咲き出したようで、落ち葉が葉の上に乗っていたりする。


ショウジョウバカマ


エンレイソウ

例年この時期は、カタクリの花は終盤になっているが、今年はまだまだ蕾が多く、これからが本番になるだろう。しかし鞍部の群落はしっかりとしていて、登山道の両側にはたくさんの葉が見られる。開花株も多く、ガスが晴れて日差しが戻ると、一気に花が開きそうだ。


カタクリ

ユキノシタ科は草本、木本ともに種類が多い。このボタンネコノメソウと庭木のアジサイが同じ種類といわれても、きっとぴんとこないだろう。このボタンネコノメソウは、茶褐色部分だ花で、花弁がなくてガク片が4個あり、中に黄色いヤクがのぞいている。黄色の苞葉が鮮やかで、茶色の花が目立っているのが特徴的だ。


ボタンネコノメソウ


北尾根

昨年のこの時期は、うっすらと緑がかっていた北尾根も、今年はまだまだ冬の褐色をしている。春の花たちもよく知ったもので、すべてが季節の変化に同期していて、花の時期を的確に捉えているようだ。微妙か季節の変化が察知できない人間は、自然の中では生きていけないかもしれない。鞍部への下りでいつもはサンカヨウが見られるが、今年は見つけることができなかった。時期が遅れているのだろう。


カタクリ


ボタンネコノメソウ

ヤマエンゴサクも葉はたくさん見られたが、花を開いているのはごくわずかだった。


ヤマエンゴサク

ミヤマカタバミの花も見頃を迎えていた。3月頃から山麓の林内で咲いているのをよく見かけるが、標高が1000m付近では、今頃が花の時期なのだろう。朝は日差しがなく、ほとんどの花が閉じていたが、薄日が差し始めると同時に花が開き始めた。淡いピンク色の株もあり、じっくりと構えて撮影するのも面白い。


ミヤマカタバミ


カタクリ

ニリンソウも咲き始めていた。咲き始めのころの花弁状のガク片だが、薄いピンク色がアクセントになり、クローズアップで見るとよりきれいだ。この花も湿ったところを好むので、尾根の鞍部で見かけることができる。群生すると見応えがある。


ニリンソウ

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2006年5月4日