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2004_07_18,19 常念岳 北アルプス

 

常念岳(北アルプス)2004年7月18,19日 No.277 隊長、うさぎ

●7月18日
一の沢P(5:40)〜常念乗越(11:00)テント設営、昼食、昼寝(13:40)〜(14:35)常念岳(14:50)〜テント場(15:40)
●7月19日
テント場(7:00)〜横通岳〜東天井岳手前〜テント場(9:30)テント撤収(10:00)下山開始〜一の沢P(13:35)〜自宅(18:30)

双六の予定が、太平洋高気圧と前線の勢力関係で、急遽行き先を情念に変更した。天気図を入念にチェックし穂高までは太平洋高気圧が届いていると判断した。また、悪天候でエスケープできることも考え、縦走はやめにしてベースキャンプ型にした。南アルプスと八ヶ岳も候補に上げたが、北アルプスにこだわり、ならば常念岳と決めた。出発前2時間で行き先変更。ガイドブックと地形図を常念岳のものにチェンジして、どう歩くかをシミュレーション。問題は天候だ。仕事の都合で花のアルプスはもうこれしかない。常念岳が、前線通過後に太平洋高気圧の勢力圏内に入っていることを祈って出発。

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●7月17日
 家を15:00に出発する。昨年ザックを75リットルにしたのはいいが、ザックカバーが未購入だったので、四日市の登山店で調達するために国道を北進するが四日市の手前で渋滞し時間のロスをした。ザックカバーがなくても防水は完璧だが、この際だから購入することにする。ただマットを外付けできないのが欠点だ。今回は少し重いがエアマットを使用することにする。今回は水なしの重さが15キロ。普通なら二人でテント泊をする場合は、荷物が分散できるので軽くなるはずだが、我が家の場合は例外だ。片方が日帰りの重さを越えないので、私のザックにほぼ二人分入ることになる。話がそれたのでもとに戻す。
 名古屋高速を走行中、雨脚が強くなってきた。やはり今日は天気が不安定だ。雨は降ったり病んだりの状態のなか、中央高速を快調にとばす。豊科で降りて一の沢の駐車場に向かう。7時半に到着すると、駐車場はほぼ満車状態。天候がはっきりとしない週末だが、人気の山域だけあって人が多い。時間があるので、コンビニで買った夕食を晩酌をしながらゆっくりといただく。やはり出発が早いと気分の体も楽だ。座席をフラットにして9時に横になる。しかし、雷雨で深夜に目が覚める。降るなら今のうちにしっかりと降ってくれと願いながら再び寝入った。4時半過ぎに始動開始。まだ小雨がぱらついているが、天候は回復に向かっているはずなので、雨具をつけて5時40分過ぎに出発をした。一般駐車場から林道終点までは徒歩で20分ほどだが、湿度が高く汗が出てきた。終点には登山補導所があり、登山届けを出すように指導が入る。タクシーはこの少し手前まで入れるようで、次から次へと登山者を乗せて到着する。車道脇にはクガイソウやソバナなどが目についた。これからどんな花に出会えるか楽しみだ。


クガイソウ


一の沢登山口 小屋まで5.7キロ


タマガワホトトギス

登山道を入るとタマガワホトトギスが出迎えてくれた。このコースは沢の左岸を緩やかに上り始める。一昨年に登った三俣からはいきなり急登で始まったが、このコースは最初は緩やかで、終盤に胸突き八丁が待っている。夏場は沢の音がありがたく感じられる。昨夜の強雨で沢にもいきよいがある。今回もゆとりの行程なので先を急ぐこともない。要所で休憩を入れながら、ゆとりを持って歩く。

大滝ベンチを過ぎる頃になると、朝から下山した登山者と行き交い始める。テントの人たちは昨夜の雷雨をどう凌いだのだろうかと興味がわいてくる。テントで雷雨になるといきた心地がしないのは私だけではないでしょう。


ミヤマシシウド

一の沢をつめていくと徐々に花が多くなってくる。やはり樹林の切れ目の草地に花が多いようだ。ミヤマシシウド、ハクサンフウロ、ヤマハハコ、ハクサンオミナエシ、シナノキンバイ、センジュガンピ、シモツケソウ、イブキトラノオ、マルバダケブキなどに見とれながら歩く。時間はあるので撮影に時間をかけたいが、人通りが多くなってきて、落ち着いて撮れなかった。


ヤマハハコ


マルバダケブキ


トモエシオガマ?


ハクサンオミナエシ

沢と分かれるといよいよ胸突き八丁の登りが始まる。ザックが余計に重く感じ、少しでもペースを上げようものなら、心肺機能がレッドゾーンに入る。辛い登りだ。ベンチが何カ所かにあるので、各駅停車とまではいかないが、午後の山頂往復のためにスタミナを残す。


エゾシオガマ

樹林帯を抜けるとあっという間に乗越に飛び出した。かわいらしいウサギギクが出迎えてくれた。とりあえずはテント場に直行し、いい場所を物色する。一晩とはいえ、場所が悪いと一晩中反省することになるので、風を避けてなるべく水平な所を探すが、テントを大きくしたので場所を制約されてしまった。テントの設営にかかるが風が強くて難儀する。テント設営後受付を済ませて、待望のビールも購入する。テント場使用料が一人600円でビールが500円。テントに帰って昼食タイムとする。ラーメンと野菜炒めがうまい。ビールもうまい。お腹がいっぱいになれば眠くなるのは当然だ。山頂往復のことも忘れてお昼寝の時間となった。


ウサギギク


情念小屋

目が覚めると1時半になっていた。天気も良くなり空身で山頂を往復することにする。天気は良くなったが相変わらずの強風だ。大きなザックを担いでいる登山者は強風でバランスをとるのが大変そうだ。登りはじめてしばらくすると、転倒した登山者がいた。頭を石にぶつけたようで、石が血に染まっていた。自分は空身なので手伝いましょうかと申し出るが、付き添いの人が大丈夫ですとのこと。少し登って様子を見ると、付き添いの人が背負って降りていくのを確認した。山頂に着いたころにヘリが飛んできた。

 穂高も槍も暑い雲の帽子を被っているが、常念山頂は上々の時折ガスに巻かれるが上々の天気だ。山頂は穏やかで、山腹の強風が嘘のように思える。ガスが蝶が岳に続く稜線を際立たせている。大天井から燕にかけてもよく見えている。時間さえあれば歩いてみたいコースだが、サラリーマンに暇はなし。いつまでも山頂に居たい気分だが、頃合いというものがある。下山してテントに潜り込んごろりと横になる。強風にあおられてばたばたとやかましいが、横になるとまたまた睡魔が襲ってくる。日頃の睡眠不足を一気に解消だ。


常念岳山頂で


上高地方面


蝶ガ岳に続く稜線

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2004_07_18