加賀白山 2002.07.19,20,21 No.167

 

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加賀白山 2002年7月19,20,21日 No.167 隊長

7月19日(第1日目)

 自宅を7時30分に出発する。通勤時間帯なので鈴鹿市内を通り抜けるのがもどかしい。気が逸っているのでこんな所でのろのろしたくない。内部からミルクロードに乗り、k石油店でガソリンを満タンにする。その間ハリマオ氏と山情報を交換する。ここまで来ると道も空いてきた。365号線を北上し関ヶ原ICから名神にのり、米原JCで北陸道にスイッチする。平日であるので道路は空いていて、他車を気にせずにマイペースで福井北をめざす。空模様はいうと、梅雨前線の断末魔の叫びである。梅雨前線は太平洋高気圧に押されてたじたじだが、最後の力を振り絞って雨を降らせているような感じた。福井に入ると雨はやみ、快適にとばして福井北ICで降りる。この時点でカーナビは残り59kmを示していた。全行程は270kmだから、残すところあとわずかである。しかしこのあたりの人は非常に安全運転である。交通安全日本一をめざしているそうだ。それに比べ、いつもベスト10入りを果たしているS市の住民は見習うべしと自戒する。しかし積雪を避けるための工夫みたいだが、信号機がタテになっているのはちょっと違和感を感じる。カーナビの指示に従い予定通り市ノ瀬に到着。帰りはチブリ尾根を予定しているので、ここでバスに乗り換えて別当出合に向かう予定だ。バス停でバスの時刻を見るとなんと出発5分前である。慌てて荷物を整理し、バス停に向かう。時計を見ると出発時刻を過ぎている。バスが遅刻してくれたから助かった。これが最後の便だったから、乗り遅れると大変だった。

 

  
         別当出合                つりばし

狭い道だが、上の方で砂防工事が行われているので、大きなダンプカーが行き交っている。定期バスの前には大きな観光バスが別当出合をめざしているようだ。団体登山客らしい。予定通り別当出合に到着する。軽くストレッチを済ませ、13時30分に吊り橋を渡り砂防新道に入る。雨は降っていないが、雲の高度が気になる所である。この分だと標高1900mあたりの甚之助小屋は確実にガスの中だろう。しかし1年振りの白山なので気が逸っている。テン場までは約3時間10分の行程だが、写真撮影があるので、いや荷が重いので、夕方までに到着すればよしとしよう。

 

早速、ソバナ、ウバユリ、ヤマホタルブクロ、ヤマアジサイが出迎えてくれた。昨年も驚いたが、ここのウバユリはスズカのものと比べると育ちが違う。ヤグルマソウの葉の大きさにも驚くが、とにかく生育環境が良いことの証拠である。登山口あたりの花は鈴鹿のものとあまり変わらない。登りはじめから湿気があるので直ぐに汗が噴き出してきた。ひと汗かいたところで中飯場に到着。砂防工事でビシッ固められているが、上の方を見ると大きな不動の滝があり、ガレ場となっている。大きく崩れるとひとたまりもないような気がするが。

ソバナ

 


ウバユリ

 林道を渡るといよいよ本格的な登りが始まる。ナデシコ科のセンジュガンピが風にゆれている。さすがにここまで高度を上げてくると鈴鹿では見られない花が見られ始める。続いてオオバミゾホウズキ、ゴゼンタチバナが現れる。サンカヨウは花が終わりほとんどが実をつけているが、木陰で花を見つけた。1年ぶりに対面する花をフィルムに収めながら別当覗きに到着したが、団体さんが占拠していたので、覗かずにいや覗けずに甚之助小屋まで我慢して登る。相変わらずのガスであるが、ときどき風に流され視界が開けるときがある。このときとばかりにシャッターを押す。一息入れて登りにかかる。

 

 
センジュガンピ

ヨツバシオガマ、ハクサンフウロ、オタカラコウ、イブキトラノオ、テガタチドリなどなど、一気に花の種類が増えてくる。室堂分岐で休止ししばし撮影タイム。しかしガスと風で結果は惨憺たるものである。フィルムとメモリの無駄使いをそこそこ切り上げ南竜のテン場に向かう。

右はオオバミゾホオズキ

 
ヨツバシオガマ

ここまでにレスキュー隊に何人かあったが訓練かと思っていたが、本番だった。四人で担架を担ぎ下ろしている。道を譲ってすれ違うときちらっと担架を覗き込む。毛布にくるまれて顔だけ出していたが目はつむっていた。これを見て気合いを入れ直す。

 

 エコーラインとの分岐を過ぎると白山の役者達が待っていてくれた。ミヤマクロユリ、ニッコウキスゲ、シナノキンバイ、ハクサンコザクラ、チングルマ、アオノツガザックラ、コイワカガミ、イワイチョウ、ミツバオウレン、ミツバノバイカオウレンなどなどである。


テガタチドリ

 


ミツバノバイカオウレン

特にミヤマクロユリやハクサンコザクラは個体数もおおく、石川県を郷土の花でもあるらしい。特にミヤマクロユリは富山城主佐々家滅亡にまつわる呪いの花として語られる。いわれはそうかとうなずけるが、あの臭いは何とかならないものだろうか。

 


ミヤマクロユリ

 南竜山荘で受付を済ませ、待望のビールにありつけた。冷えたビールを片手にテン場で荷を下ろす。金曜日なので比較的自由に場所が選択できる。雨の流れた後を見れば一目瞭然である。水の集まるところを避けてテントを設営する。いや、その前にプシュッと缶を開けてビールを飲み干す。うまい。「感動した!」

 少し夕暮れまでに時間があるので周辺を散策しようと思ったが、ガスと風がひどくなってきた。どうやら大気も不安定で天気が悪い方に向かっているようだ。夕食はレトルトカレー、アルファ米、タマネギとハムと卵をフライパンで炒める。晩酌は焼酎で仕上げ。8時には寝ていたが風がテントをあおる音で目が覚めた。12時である。徐々に風が強くなってきた居るようだ。ガスと風は、天気が悪い方に向かっている証だ。いっそう雨になれば天気が回復に向かうだろうが。

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