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■一族山(東紀州) 2019年12月8日 No.1259
〜歴史と自然が残る入鹿一族の山へ〜
【行程】
鈴鹿6:00〜丸山千枚田〜赤木城址〜布引の滝9:00〜布引谷ルート〜峠〜一族山11:00〜ナベラ滝〜駐車場12:50〜赤木城址14:30〜千枚田〜鈴鹿18:30

Summary 「紀伊続風土記」という古い地誌に「荘中に高峰あり大峰といい又、入鹿一族山ともいう」という記述がある。現在の山名は、この地を治めた入鹿氏一族に由来するようだ。地元では大峰と呼ばれている。この地はかつて、紀州鉱山として栄えたが今は、過疎化・高齢化が進みひっそりとしている。山麓には熊野古道本宮道が通り、赤木城址跡などがあり歴史が感じられる。 山と渓谷3月号取材。

撮影し直しのため12月9日に再び赤木城を往復、事前調査不足のため

朝一で千枚田に行ったが、千枚田が山の陰になり撮影できなかったので、撮影の後回しにして赤木城址にいった。ところが朝霧で山が見えず、少し待ってガスが残って居るところが撮影チャンスだが、肝心の山の撮影があるので、これも後回しにして急いで一族山に登ることにした。この時期は太陽高度が低く、美味く光を捉えないとものにならない。

 
赤城城趾

 
右:鉱山資料館

一族山の登山ルートは四方からあるが、メインはやはり布引の滝がある、布引谷に沿ったコースだろう。 山はもちろん展望がある方がいいが、そればかりでは深みがない。とりわけこの山域は、林業が盛んで山には殆ど自然林がなくなっている。事業で歩道が整備され自然林が少し残っているが、訪れる登山者が少なく、整備された歩道が荒れ始めている。


荒滝


日本滝百選「布引の滝」

 
左:登山口    右:小滝

布引谷のルートは昔から、隣村と結ぶ生活道路だったようで、随所に石積みで道が整備されていて、今のしかりと残っている。谷には苔むした岩が転がり、趣がある。最近、トレランが行われたようで、ルートがしっかりとしていた。

 
布引谷登山道

 

峠からの尾根ルートもトレランで使われたようで、踏み跡がしっかりして歩きやすかった。尾根の途中で少し展望が開けるところがあり、北山川流域と赤木地区も俯瞰できた。山と渓谷3月号は山城がテーマなので、早く山を下りて、城址と一族山を撮影したい。

 
左:北山川流域の集落   右:赤木地区

 

帰りは自然林コースで下った。カエデが色づいていた。

 


ユズリハ

ユズリハが多く、緑の葉と紅葉のマッチングが面白かった。暖かいのでモチツツジが咲いていた。林道に沿って降りるとナベラ滝が見られる。水量が少なかったが、なめた滝が続いている。

 
モチツツジ

熊野の地質の特徴だが、あちらこちらで柱状節理が見られる。この地域は尾鷲にかけてカルデラが3つほどあったようで、火山噴火で火山灰が凝結したのだろう。

 
柱状節理

あまり日が傾くと撮影ができなくなるので、急いで赤木城址にもどった。このあと、棚田の撮影があるので、慌てて山を入れた写真をとった。山容がどうもおかしいなとは思いつつ撮影を続けた。家に帰りgoogleでシミュレーションすると、なんと、180度反対の山を一族山と間違って撮影したようだ。原稿の締め切りが迫っているので、仕方なく次の日も熊野を往復することになった。 

機材 Sony α7U 24-70mm、OLYMPUS E-M1U