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■海金剛(西伊豆)
〜4度目のスーパーレイン、何度登っても課題が残る〜

レポート No.936
日時:2016年1月31
参加者:たくさん、おおやさん、隊長、うさぎ

松崎オートキャンプ場(7:30)〜取付(8:30)〜1ピッチ目(8:45)〜2ピッチ目〜3ピッチ目(10:10)〜4ピッチ目(10:50)〜5ピッチ目(11:40)〜6ピッチ目(13:05)〜7ピッチ目(13:50)〜(14:20)終了点(14:40)〜(14:40)懸垂下降(16:40)〜オートキャンプ場(18:00)

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プロローグ 土日と伊豆遠征を組んだが初日の土曜日は雨の予報なので、日曜日の海金剛に備えて松崎の民宿に夕方集合とした。我々は割り切って土曜日を観光に充てた。稲取、河津、下田と巡り、夕方に松崎の雲見に到着した。さて翌日の登攀日は晴れ予報。朝起きると雲は残っていたが穏やかな朝を迎えた。昨日の雨で岩が濡れているのが心配だったので少し出発が遅れ、日没に追われる帰還となった。風もなく岩は乾いていて、暑くもなく寒くもなく、いいコンディションでスーパーレイン登攀を満喫できた。今回4度目のスーパーレインとなったが、まだまだ課題が残るリードとなった。

アプローチ 西伊豆遠征はいつも、道の駅で車泊ばかりだったが、今回は海金剛のある雲見の民宿で宿泊することにした。雲見は温泉の町で民宿はいくつも軒を並べている。温泉にゆっくりと浸かって翌日の登攀に備えることにした。夕方集合だったが、おおやさんが長野で雪のため渋滞、全員揃ったが10時過ぎになった。運転ご苦労さんでした。我々は下田で観光し予定どおり雲見に到着した。下田の古い町並みが気に入った。

     
ペリーロード

     
沢村邸

登攀日1月31日 アプローチ 今回お世話になった民宿満吉屋から車で3分くらいで雲見オートキャンプ場に到着。駐車料金500円を支払う。駐車したのは我々ものみで、他に登攀のためのグループはいないようだ。朝からすっきりと晴れると思ったが、雲はまだ残っている。しかし、遠望がきくのでやがて晴れてくるだろう。岩が乾いているかが気がかりだが。少し遅れ、出発が7時30分となった。先行車が居ないようなので大丈夫だろう。

    
雲見オートキャンプ場

たくさんは今回11度目、私は4度目の海金剛なのでアプローチは慣れたもの。おおやさんは始めたなのでちょっと戸惑い気味だが、予習がしてあったようで、取り付きの電柱を見てここだ。

    

懸垂ポイントに付く頃には身体が温まってきた。懸垂ポイントには新しいフィックスがあったのでそれを使って懸垂下降。磯では釣り客が竿を振ってきた。渡船で入るらしい。海金剛は中央のカンテを隔てて左が左岸壁、右が正面壁というらしい。古い人に聞くとエイドで登っていたと言っていたが、ルートは何本も開かれていたのだろう。しかしフリー全盛の今日では、スーパーレインが最も人気があり我々も、他のルートは登ったことがない。

    

さてこのスーパーレインだが、 正面壁のクラックをうまく繋げて7ピッチのルートになっている。どのピッチも小テラスがあって、ビレイやフォロ−、休憩などが出来るのでありがたい。しかし多様なクラックがうまく繋がっていて感心させられる。もともと別々のルートであったものを繋いだようだ。

1ピッチ目5.7 2ピッチ目と合わせると約50mだが、終盤にトラバースがあるので、切った方がよい。コーナークラックで樹林からのスタートになるので陰鬱な感じがするが、樹木の上に出ると明るくなり登高意欲が湧いてくる。プロテクションはクラックでも立木でもとれる。灌木のある小テラスでピッチを切った。

       
1ピッチ目

    

2ピッチ目5.8 さて2ピッチが少しグレードが上がる。壁が立ってくるが、気分的な核心はやはり終盤のトラバースだろう。細かなスタンスを広いながら、これまた細かいカチを頼りに、落ちたらどうしようという、弱気の虫と戦いながら、大胆にリードするしかない。プロテクションは壁を離れるところでカムで1カ所とって、渡りきったところでまたカムでとる。ということは、フォローでもリードでも真ん中で落ちると大きく振られる。

    
おおやさん、始めたなのでトラバース、自分との戦い

    

3ピッチ目 5.7〜5.10a 2ピッチ目の終了点からは、ブッシュのバンドを20m移動すると3ピッチ目の取り付き。さてここから本番となる。3ピッチ目もやはりクラックに沿って登っていく。最初はグレード5.7のハンドサイズのクラックで気持ちよく離陸できるが、中間バンドから右上するクラックが核心となる。グレードアh5.10a。フレーク状のクラックはレイバック気味で行けるがその上がフィンガーサイズで、指の入るところは限られている。ここが核心だと思う。レイバックからカムをセットしにいくと身体が立て足が抜けやすくなる。マイクロサイズのカムを固め打ちしないと怖い。

      
3ピッチ目の離陸

    

この3ピッチ目から露出感が出てくる。眼下に海岸線を見ながらのクライミングはロケーションとしては最高だ。このピッチから登攀終了点までは、すっきりとした岩場になっている。多様なクラックを繋げてのクライミングの面白さに、このロケーションが加わるので、人気が高くなるのはうなずける。

    

    
終了点には斑がぼるとが設置されていた。昨年は確か枯れた灌木だったので、これで安心。

    

          
右上するクラック、フレークからフィンガーサイズになる核心。

    


核心部をレイバックで突破するうさぎ


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